[管理番号:13361]
性別:女性
年齢:59歳
病名:
症状:
投稿日:2026年01月10日
お忙しいところ恐れ入ります。よろしくお願いいたします。
<既往歴> 20年前に繊維線種の診断(右乳房内側に1cmくらい蝕知。細胞診のみ2回施行。小さくなって蝕知できなくなった)
50才から更年期障害に対してHRT(5年弱)
<家族歴> 母方叔母 乳癌
<現病歴>
2025.10.(上旬) 人間ドックのMMGで右乳にカテゴリー3の石灰化 (腫瘤非蝕知)
10.30 乳腺クリニック受診 MMG再検:右乳房外側に5~6mm範囲の石灰化(集簇性、一部線状)、エコー:右乳房内側に
6mmの腫瘤 、嚢胞多数
11.(中旬) 総合病院乳腺外科受診 エコー再検:右乳房に6mmと3mmの嚢胞ではない腫瘤
12.(上旬) ST-MMT , 造影MRI施行
12.(下旬) 病理結果:DCIS;異型細胞が乳管内に増殖し壊死している。 grade記載なし。
ER 100% PgR 80% Ki67 10% HER2 1+
造影MRI:放科Drの読影は異常なし。 主治医は石灰化のあった付近に6㎜程度のhigh intensity areaがあると。
Q1 病理診断で核グレードの記載がないですが、明確にする必要があるでしょうか? 壊死があるということは悪性度が高いと判断できますか?
Q2 造影MRIの所見についてご意見をいただけますでしょうか。MRIでは評価できない微細な乳管内浸潤もありえますか?
Q3 センチネルリンパ節生検は必要ないでしょうか。(主治医はどうしてもやってほしければやるけど、と。)
Q4 石灰化部からマージンをとって径4cmの円柱形切除と言われていますが、適切でしょうか?
Q5 エコーの6mmの腫瘤は以前に繊維線種と診断された場所に近いと思われれます。よくよく触ってみると蝕知できました。もう一つ3mmの腫瘤も含めて、多発性がんの兆候もゼロではないでしょうか? フォローしてどの段階で生検適応となるでしょうか?
Q6 放射線は通常照射と寡分割照射とどちらがおすすめですか?
Q7 ホルモン療法などの全身療法が必要となるのは、術後病理で万一浸潤癌だった場合のみでしょうか?
Q8 今後更年期障害治療のための女性ホルモン剤、サプリメントは制限しなくて良いですか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
Q1 病理診断で核グレードの記載がないですが、明確にする必要があるでしょうか?
→治療にも予後にも影響ないので気にする必要はありません。
壊死があるということは悪性度が高いと判断できますか?
→2か3とはなるでしょう。(全く無意味ですが…)
Q2 造影MRIの所見についてご意見をいただけますでしょうか。MRIでは評価できない微細な乳管内浸潤もありえますか?
→非浸潤がんではMRI所見が無くても何ら不思議ではありません。
「逆」に、MRIで所見がないのだから「マンモグラフィーでの石灰化所見」を頼りとした切除範囲となります。
Q3 センチネルリンパ節生検は必要ないでしょうか。(主治医はどうしてもやってほしければやるけど、と。)
→ガイドライン上は「病変全体での非浸潤がんという診断(つまり外科的生検)」以外では「センチネルリンパ節生検はすべき」となっています。
♯病変全体で浸潤部分が無いとは(手術標本を見ない限り確定できないため)言い切れない=リンパ節転移の可能性が「完全には」否定できないため
Q4 石灰化部からマージンをとって径4cmの円柱形切除と言われていますが、適切でしょうか?
→ もうじき公開予定の『今週のコラム 532回目 土曜日手術枠増設 手術の基本2 究極の「乳房温存術」』をご参照ください。
乳房内再発のリスク回避のためには「乳管の走行と癌の乳管内進展」を意識した切除とすべきなのです。
Q5 エコーの6mmの腫瘤は以前に繊維線種と診断された場所に近いと思われれます。よくよく触ってみると蝕知できました。もう一つ3mmの腫瘤も含めて、多発性
がんの兆候もゼロではないでしょうか? フォローしてどの段階で生検適応となるでしょうか?
→切除範囲でなければ「そもそも」術前に生検すべきです。
Q6 放射線は通常照射と寡分割照射とどちらがおすすめですか?
→当院では前例「寡分割照射(16回)」となってます。
Q7 ホルモン療法などの全身療法が必要となるのは、術後病理で万一浸潤癌だった場合のみでしょうか?
→5mm以上の浸潤がんでない限り(私なら)薬物療法は行いません。
Q8 今後更年期障害治療のための女性ホルモン剤、サプリメントは制限しなくて良いですか?
→サプリメントはともかくとして…
ホルモン補充療法は乳癌では「禁忌」となってます。
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(回答が公開されてから2週間後)
2026/1/27
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