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術前化学療法を続けて大丈夫か?

[管理番号:13359]
性別:女性
年齢:46歳
病名:右浸潤性乳管癌 
【サブタイプ】
ER 1
PgR 0
HER2 3+
核グレード 3
症状:右乳房にしこり(腫瘍径5cm以上)目視で乳房の変形が見て取れ、腫瘍が周りの組織を圧迫しているせいか?チクチク、ツーンなど刺すような痛みあり。痛み止め(カロナール)が切れると夜中に目が覚める程度には痛みます。
投稿日:2026年01月10日

【経緯】
2024年11月 しこりの存在を感じて乳がん検診の際申告したが、乳腺嚢胞とのことで経過観察となる。

2025年8月 嚢胞が大きくなった感じがあり、皮膚表面にも張り感・熱感を感じたため、近隣の乳腺クリニックを受診→3.8cmの嚢胞だが、嚢胞の中に気になる所見があるとの事で細胞診を実施→1週間後クラスⅢ→マンモトーム生検を勧められ実施→5週間後、右浸潤性乳管癌と診断

2025年10月中旬 総合病院乳腺外科を受診、3Dマンモ・レントゲン・心電図・血液検査・MRI・CTなどの検査をして、他臓器への転移はなし。

リンパ節については1箇所細胞診を行いクラスII良性だが、リンパ節は複数あるため、手術の際何箇所か組織を採取して生検するまで転移なしとは言い切ないとの事。

腫瘍径はこの時点で5cm(中心に嚢胞と言われた箇所があり、既に壊死しているのではとの事)に達しており、ステージIIとの診断でした。

治療手順は
術前EC4回→ドセタキセル/ハーセプチン・パージェタ4回→手術→TC/ハーセプチン12ヶ月

2025年11月下旬にCVポート留置術を受け、12月(上旬)日よりEC療法を開始、現在2回目を終えたところで、腫瘍が以前より増大している感覚があり、2026年1月8日に再受診を希望、その旨伝えたところ、ECは2回で終了して、次回(来週)からドセタキセル&ハーセプチン&パージェタに切替えることになりました。

2025年9月にマンモトーム生検を受けた頃はまだ乳房としての柔らかい触感がありましたが、12月にECを開始した時点ではガチガチの触感で、年末年始を経たら、目視でも更に腫瘍が大きくなったのが見て取れたため、このまま術前化学療法を続けるべきなのか、そうこうしているうちに他臓器に転移しないか心配でなりません。

手術先行にできないか訊ねたところ、主治医曰く、腫瘍が大き過ぎるため、化学療法でもう少し小さくなってくれないと手術も難しいとの事でした。

●質問1
画像がないと回答しずらいかもしれませんが、この腫瘍径だとやはり化学療法より先に手術は難しいのでしょうか?

●質問2
田澤先生から見ても治療の手順はこれでよかったと思われますか?

●質問3
来週からドセタ&分子標的薬に切り替わりますが、術前化学療法をここから4クール受けるべきだと思われますか?

お忙しいことと存じますが、是非ご意見をお聞かせください。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

手術先行にできないか訊ねたところ、主治医曰く、腫瘍が大き過ぎるため、化学療法でもう少し小さくなってくれないと手術も難しいとの事でした。
→この「手術が難しい」というのが、可能性として
1.本当に(現状で)手術不能
2.(実は手術可能だが)担当医の「技術的な問題で(担当医にとっては)手術不能」

上記2通りの「どちらか」となりますが決め手は(画像所見以上に)視触診所見(皮膚の発赤などの範囲次第)となります。
診察しない限り不明ですが、もしも1出会った場合には、それを「術前抗がん剤の影」となります。
★抗がん剤は必ず効くわけではないのだから、(手術不能となるリスクを冒してまで)「術前抗がん剤に固執する」ことはナンセンス極まりないのです。
願わくば、担当医には「これに懲りて(反省して)術前抗がん剤ありきの考え方から脱却」してほしいものです。

●質問1
画像がないと回答しずらいかもしれませんが、この腫瘍径だとやはり化学療法より先に手術は難しいのでしょうか?

→皮膚所見次第です。
腫瘍が5cmだろうが10㎝だろうが乳腺は全摘すればいいのです。
ただ皮膚は(最終的に)閉鎖しないといけないので「皮膚切除できる範囲は限られている」のです。

●質問2
田澤先生から見ても治療の手順はこれでよかったと思われますか?

→私が「手術不能となるリスクを冒してまで(術前に行っても術後に行っても予後は一緒である抗がん剤を)術前に行う」ことは、もちろんありません。

是非一度『今週のコラム 499回目 術前抗がん剤の闇と影 抗癌剤を知り尽くした乳腺外科医の憂い』をご一読ください。

●質問3
来週からドセタ&分子標的薬に切り替わりますが、術前化学療法をここから4クール受けるべきだと思われますか?

→trastuzumab/pertuzumab/docetaxelが有効であるにしろ、ないにしろ「手術可能なうちに手術してしまう」それが大事です。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2026/1/27
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