[管理番号:13309]
性別:女性
年齢:66
病名:乳がん
症状:5年前ほどからしこりあり、ここ一年で急に大きくなり今月来院。
投稿日:2025年12月18日
初めまして。検索して先生に辿り着きました。
本日CT MRIの結果と今後の治療方針を聞きに来院しました。
大きく遠隔転移はなし。
Ki67 65%??44%(MRI.CT後)
グレード2
MRI ??しこり大きさ
20 23 27mm
後ろ入り込んではないが若干大胸筋に近い。
脇のリンパ節 目立つ。
来週サイボウシンする。
遠隔転移は無しならIIA
HER2陽性
ホルモン受容体
ER 90-0% PgR60-0%
領域によって差がある
治療法
メインはHER2で治療
こうハーツー療法
先に薬物療法推奨
その後(約1年後)手術
半年AC療法アドリアマイシン、シクロフォスアフォミド×4回
ドセタキセル?ハーセプチン?パージェタ×4
3週間に一回点滴。
その後消えなかったら違う薬を検討
先に化学療法の理由としまして
2センチ超えてなければ先に手術でもよかったが皮膚の方にくっついてる姿、リンパも怪しい部分があった為。でした。
現在高濃度ビタミンC点滴、
医療用水素吸入を自宅でしており、食事もかなり気をつけております。
薬を全否定しませんが、この状況では先生はどのように思われますでしょうか。
お忙しいところすみませんが、ご回答頂きたいです。よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術前抗がん剤をやたらと振りかざす乳腺外科医が増えていることには聊か辟易しますが…
その根拠には(特にHER2タイプ及びトリプルネガティブに対しては)『今週のコラム 499回目 術前抗がん剤の闇と影 抗癌剤を知り尽くした乳腺外科医の憂い』を熟読してください。
要点としては、全ての人に「絶対に術前抗がん剤一択」という考え方自体が未熟であり(言い換えればベルトコンベヤー式マニュアル的とも言い換えることができます)
やはり患者さん一人ひとりに合わせた柔軟な対応が必要だと痛感します。
♯1 特に最近気になるのは、「術前抗がん剤一択ごり押し」からくる(抗がん剤に抵抗のある患者さんたちの)治療逃避→治療不能状態まで進行させてしまう
♯2 もう一つは術者の手術技量の著しい低下を招き(小さくないと… リンパ節転移があっては…)だから(患者さんのためではなく)単に自分が楽をするために「大きい=大変だから術前に抗がん剤」みたいな状況が多いことです。
前置きが長ーくなりましたが…
先に化学療法の理由としまして
2センチ超えてなければ先に手術でもよかったが皮膚の方にくっついてる姿、リンパも怪しい部分があった為。でした。
→これが「正に」上記♯2です。
このケースで薬物療法先行で一番懸念されるのは、(画像上消失したように見えることにより)「癌細胞レベルでの(手術時の)取り残し→将来的な再発リスク」です。
薬を全否定しませんが、この状況では先生はどのように思われますでしょうか。
→無論、技量の高い術者による手術先行こそ、望ましいと思います。
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(回答が公開されてから2週間後)
20226/1/2
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