[管理番号:13286]
性別:女性
年齢:52
病名:乳がん
症状:部分切除前、しこりあり 他に自覚症状なし
投稿日:2025年12月06日
はじめまして。
10月に健康診断で左乳癌の診断を受け、11月下旬に乳房部分切除術を行いました。
先日、術後の病理結果が出て下記の所見でした。
左乳癌 病巣数:1
切除術:Bp+SNB 60×45×25mm、占拠部位:左upper-outer(c)区域
腫瘍径:9×8mm、腫瘍径 in situ ca含む:9×8mm
組織分類:Invasive mircopapillary carcinoma
核異形スコア:2、核分裂スコア:1→核グレード1
腺管形成スコア:3、核異型スコア:2、核分裂スコア:1→組織学的グレードⅡ
ER:Allred PS5 IS2 TS7、95% Score 3b
PgR:Allred PS3 IS2 TS5、20% Score 3a
HER2:Score 1
波及度:f、リンパ管侵襲:Ly0、静脈侵襲:V0
In situ ca+、EIC-
リンパ節転移:合計(0/1)
SNB(0/1)
UICC 8版:pT1b pN0 M0 StageIA、規約18版:pT1b pN0 M0 Stage IA
胞巣周囲に空隙を伴って、乳頭状、胞巣状、索状の異型細胞浸潤性増殖がみられる。
EMA染色では明らかではないがMUC1染色一部で極性逆転ととれる像がみられる。
微小乳頭癌と考える(>90%のため純型)。断端陰性。迅速診断に提出されたセンチネルリンパ節は陰性。
術後の病理レポートに記載はありませんが、
術前の病理組織診レポートでは、Ki-67:13.0% と記載あり
術前はルミナルAと言われていました。(術後は言われていませんが上記情報でルミナルAで変わりなしでよいでしょうか)
術前MRIレポートでは両側腋窩や内胸領域に有意な腫大リンパ節は認められないと記載あり
主治医から微小乳頭癌はリンパ節転移しやすいものだと言われました。
ですがステージ1であることと、リンパ節転移していないため過剰な心配は不要という雰囲気でした。一応、オンコタイプDXを受ける希望があるかを聞かれました。(微小乳頭癌だから聞かれたのかそうでなくても聞かれたのかはわかりません)
術後の病理結果を聞くまでは、浸潤性入管癌(術前の診断ではこちらでした)、ルミナルA、ステージ1,リンパ節転移なしと思っていたため、オンコタイプDXも受けず、放射線治療→ホルモン療法を受けるつもりでいました。
主治医は、私の心配性で悩みやすい性格を見て「オンコタイプDXの結果が中リスクや高リスクだった場合、またすごく悩むのでは」とオンコタイプDXを受けることを積極的には勧めない雰囲気でした。突然であったことと、微小乳頭癌についてほぼ初耳でよくわかっていなかったこと、無理に受けなくてもよいのかな?という雰囲気も感じ、その日は迷いながらもオンコタイプDXは受けず、予定どおり放射線治療→ホルモン療法をするという回答をして帰路につきましたが、自分でもまだよく理解できておらずこの判断でよかったのか消化しきれていません。
長くなってしまい申し訳ありません。
下記についてご教示をいただけないでしょうか。
・微小乳頭癌ではあるが、ステージ1、リンパ節転移なし、ルミナルA(でしょうか)であれば無理にオンコタイプDXを受ける必要はないでしょうか。=抗がん剤も不要でよいでしょうか。
・仮にオンコタイプDXをして、高リスクであった場合でもステージ1、リンパ節転移なし、ルミナルAであれば抗がん剤はしなくても大丈夫でしょうか。(再発リスクと抗がん剤をした際の心身ダメージとの兼ね合いなども考慮で)
・微小乳頭癌ですが病巣は手術で取りきり、リンパ節転移なしとのことなので、遠隔転移はあまり心配しなくてよいでしょうか(遠隔転移の確率は浸潤性入管癌と同程度と思ってよいのでしょうか)
・今の予定では、来年1月に放射線治療をし、そのあとにホルモン治療の予定となっています。もし抗がん剤治療をすることになった場合、放射線治療のあとでもよいのでしょうか。推奨される治療の順番などはありますでしょうか。(来週には放射線治療のスケジュールの相談が始まります)
・微小乳頭癌の純型とはどういうことでしょうか。より悪性度が高いのでしょうか。
・微小乳頭癌が悪性=リンパ節転移しやすい、ということであればリンパ節転移していなかった時点で「悪性」という認識はなしになる、と考えてよいのでしょうか。
・田澤先生はこの術後の病理診断ではどのような治療が適当だと思われますか。
抗がん剤は可能な限りしたくはないと思ってはいるのですが、オンコタイプDXの結果やその他の所見を合わせしたほうがよいのであればしなければならないかと思っています。
微小乳頭癌の診断が予想外でまた、悪性度も高いと書いてある情報もあり動揺しています。
先生が他の方への回答で「乳がんで最も重要なのは「ステージ」であり、「サブタイプでも(ましてや)組織型ではない」とご回答をされているのを拝読しております。
他のサイトでも「治療は通常の浸潤性入管がんに準じる」と書かれているものも読みました。それなのに上記質問をしていること、申し訳ありません。上記拝読をしていてもなお、自分に当てはめた場合の状況ではどうなのか、を教えていただきたく質問をさせていただきました。
また、オンコタイプDXの結果を受けての悩みでもなく、オンコタイプDXを受けるかの判断、などという悩みにもならないと思われる質問かもしれず申し訳ありません。
恐れ入りますがどうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
無意味な主治医の「主観」に右往左往することのないようにしましょう。
術前はルミナルAと言われていました。(術後は言われていませんが上記情報でルミナルAで変わりなしでよいでしょうか)
→このQAでも頻出していますが…
そもそもKi67はあくまでも「目安」として一時期、ルミナールを「AとBにわける(実際にはAとBではなく、あくまでも抗がん剤の上乗せ有or無に分けているのですが、詳細は省略)」指標として重宝していましたが、現在は(Ki67を含む21遺伝子の発現レベルで評価している)OncotypeDXが保険収載された以上、こちらで判断すべきです。
主治医から微小乳頭癌はリンパ節転移しやすいものだと言われました。
→主治医の主観など「無視」しましょう。
・微小乳頭癌ではあるが、ステージ1、リンパ節転移なし、ルミナルA(でしょうか)であれば無理にオンコタイプDXを受ける必要はないでしょうか。=抗がん剤も不要でよいでしょうか。
→無論、OncotypeDXすべきです。(微小乳頭がんやステージ1は無関係)
・仮にオンコタイプDXをして、高リスクであった場合でもステージ1、リンパ節転移なし、ルミナルAであれば抗がん剤はしなくても大丈夫でしょうか。(再発リスクと抗がん剤をした際の心身ダメージとの兼ね合いなども考慮で)
→無論、OncotypeDXの結果に従うべきです。(そうでなければ、意味がありません)
・微小乳頭癌ですが病巣は手術で取りきり、リンパ節転移なしとのことなので、遠隔転移はあまり心配しなくてよいでしょうか(遠隔転移の確率は浸潤性入管癌と同程度と思ってよいのでしょうか)
→微小乳頭がんなどの組織型を「切り離して」悩む必要など全くありません。
・今の予定では、来年1月に放射線治療をし、そのあとにホルモン治療の予定となっています。もし抗がん剤治療をすることになった場合、放射線治療のあとでもよいのでしょうか。推奨される治療の順番などはありますでしょうか。(来週には放射線治療のスケジュールの相談が始まります)
→実際には「どちらが先でも」全く問題ありません。
・微小乳頭癌の純型とはどういうことでしょうか。より悪性度が高いのでしょうか。
・微小乳頭癌が悪性=リンパ節転移しやすい、ということであればリンパ節転移していなかった時点で「悪性」という認識はなしになる、と考えてよいのでしょうか。
・田澤先生はこの術後の病理診断ではどのような治療が適当だと思われますか。
→シンプルに…
OncotypeDXして、その結果に従うことです。
主治医の主観や、組織型などを超えた位置に「Oncotypeは存在する」のです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/12/31
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