[管理番号:12213]
性別:女性
年齢:35
病名:浸潤性乳管癌
症状:左胸に直径2.7センチほどのしこり
投稿日:2024年11月08日
よろしくお願いします。
2日前にマンモトーム生検の結果、浸潤性乳管癌と診断されました。
乳がんについて知識がなく、おかしいことを聞いてしまったら申し訳ございません。
元々葉状腫瘍が疑われておりこちらのQ&Aを拝見していたのですが、乳がんと診断され、転院先の初診が1カ月後のためいてもたってもいられず質問させていただきます。
一年前にマンモとエコーをしており、その時は何も見つかりませんでしたが、2週間前に突然しこりができました。
エコーで測ったところ2.7センチほど。
場所が左胸の付け根部分であり、毎日お風呂で洗うときに触る部分なので徐々に大きくなったとは考えられず、急激に大きくなったと考えます。
まだCTやMRIをしていないためマンモトーム生検の結果しか出ていない状況なのですが、マンモとエコーでらリンパには転移はなさそうに見えるとのことでした。
そのため、ステージは2の前半とのことです。
エコーではいびつな形ではなく、境界がはっきりした丸に近い楕円でした。
トリプルネガティブでありKi-67が90%と高く、しこりの成長スピードも早いので初診までの1カ月の間に転移してしまうのではないかと不安でなりません。
また、生検を受けたクリニックの先生は患者を不安にさせない方針なのか、生存率やトリプルネガティブが悪性度が高いことなどの説明はありませんでした。
(あとから自分で調べて色々と分かってきました。)
恐れ入りますが、以下の所見で35歳という年齢、しこりの増大スピードを考えて生存率はどの程度と考えられますでしょうか?
転移を調べられていない状態なので難しいことは承知しておりますが、自分の状態を知ってから治療に進みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、おそらく手術先行ではなく抗がん剤をしてから手術になると思いますが、術前ケモは半年ほどが妥当でしょうか?
その場合、トリプルネガティブの場合はキイトルーダ等の副作用の強い薬を使わざるを得ないでしょうか?
子供がまだ4歳で小さいため休んでばかりもいられず、見通しを立てておきたいと考えております。
類似のQAを探したのですが見つけられず、申し訳ないのですがよろしくお願いいたします。
【組織所見】
乳腺針生検材料
3本いずれにも腫瘍が認められます。組織学的には、核小体を有する腫大した
異型核と好酸性の細胞質を持つ腫瘍細胞が、島状の胞巣構造を呈して浸潤増殖してい
ます。腺腔形成は示しませんが、免疫組織化学的にはAE1/AE3陽性。
異型分裂を含む核分裂像が多数観察されます。
Invasive ductal carcinoma, Solid typeに相当する所見です。
核グレード:Grade 3(核異型:3点+核分裂像:3点)
粗織グレード:Grade
II(腺管形成:3点+核異型:3点+核分裂像:3点)
ER (-) : 0%,
PgR (-) : 0%,
HER2:スコア0,Ki-67:90%
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問者のように「下らないネット情報」で自分の状況を過剰に悪く感じている方が多いことを残念に思います。
恐れ入りますが、以下の所見で35歳という年齢、しこりの増大スピードを考えて生存率はどの程度と考えられますでしょうか?
⇒手術先行⇒術後補助化学療法(triple negativeなのだから当然
anthracycline+taxaneとなります)を行えば(pT2=27mm, pN0, pStage2A)であれば再発率は10%程度だと思います。
また、おそらく手術先行ではなく抗がん剤をしてから手術になると思いますが、術前ケモは半年ほどが妥当でしょうか?
⇒もしも「小さくして温存」という希望ではなく「生存率優先」であれば…
効かないかもしれない術前抗がん剤ではなく、「手術先行」⇒「術後補助化学療法(上記)」を推奨します。
♯その(将来の?)主治医とは意見が相違するかもしれませんが、経験の差があるので仕方がないことでしょう。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/11/26
***
質問者様から 【質問2】
トリプルネガティブの浸潤性乳管癌
性別:女性
年齢:35
病名:
症状:
投稿日:2024年12月11日
ご回答いただきありがとうございました。
先日、初診を受けてきました。
手術先行だとだいぶ先になってしまうとのことで、1ヶ月後から化学療法を開始する
ことになりました。
初診では
・マンモ
・エコー
・血液検査
のみ実施し、後日の検査の予定を組んで終わりでした。
後日検査予定となっているのは
・骨シンチ
・MRI
・心エコー
・レントゲン等
だったのですが、後から連絡があり、入院日が一週間早まり、骨シンチではなくPET
CTに変更となりました。
リンパも怪しいとのことで細胞診も追加になってます。
これは、血液検査の結果、腫瘍マーカーで骨以外(肺など)に転移が疑われるために
PET CTになったという可能性が高いでしょうか?
また、もし肺に転移が見つかった場合は5年生存率はかなり下がってしまうのでしょ
うか。
しこりも1ヶ月で5センチほどに増大しているため、とても不安です。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただけますと幸いです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
やはり「術前抗がん剤」となりましたか…
まぁ、仕方がないでしょう。患者さん自身が正しく理解しているのであれば…
これは、血液検査の結果、腫瘍マーカーで骨以外(肺など)に転移が疑われるために
PET CTになったという可能性が高いでしょうか?
⇒違います。
たんに、その病院の(乳癌患者に対する)ルーティーンです。
無論、遠隔転移はないでしょう(確率的に)
また、もし肺に転移が見つかった場合は5年生存率はかなり下がってしまうのでしょうか。
⇒そもそも、転移はないのでご安心を。(遠隔転移があると想像すること自体全くナンセンス)
しこりも1ヶ月で5センチほどに増大しているため、とても不安
⇒余計な心配するくらいなら、普通に手術先行をお勧めします。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/1/7
***
質問者様から 【質問3】
トリプルネガティブの浸潤性乳管癌
性別:女性
年齢:36
病名:
症状:
投稿日:2025年09月09日
先生、前回は勉強不足な質問に対し丁寧にご回答いただき本当にありがとうございました。
先生のおっしゃる通り、遠隔転移はありませんでした。
不安になった時はこちらのQ&Aやコラムで勉強させていただいております。
お忙しいところ再度の質問となり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
結局、治験に参加することになり術前にダトポタマブデルクステカン+デュルバルマブを8クール投与し、手術まで終わりました。
今回お聞きしたいのがリンパ節転移についてです。
化学療法前の検査でリンパに腫れがあり生検をしましたが、陰性でした。
(先生からは指摘はなかったですが、インフルエンザの予防接種から1ヶ月以内ではありました)
術前の画像診断ではリンパに腫れは見られず、術中目視でも腫れなどの所見がなかったため郭清はしませんでしたが、センチネルリンパ節生検の結果、8個取って1つだけ1ミリの微小転移がありました。
(なぜか8個も染色されたそうです)
治療方針としては、微小転移が1つであることから放射線や追加郭清はしないということになりました。
治験に参加しているため術後にも化学療法が可能だったのですが、以下の選択肢の中で②をすることになりました。
①イミフィンジ+EC+TC
②イミフィンジ+カペシタビン
③イミフィンジ単剤
※標準治療では使えないですが治験薬としてカペシタビンが使えるとのことです
主治医のお話しでは、センチネルリンパ節の転移が小さいものが1つだし、リンパ節は生検でも陰性だったことからリンパ節への転移はそもそもなかった可能性が高い。
あったとしても5センチのしこりが消失したのだから消えてるだろうという見解でした。
こちらのブログで微小転移について読ませていただきましたが、今回の私のケースだと追加郭清や放射線は不要と認識しています。
再発率なども転移なしの方と同様に考えるということで誤りはないでしょうか?
また、標準治療ではないのであくまでも「しこりが消失した事実」に対してお考えを伺いたいのですが、主治医の見解と同様、リンパ節に癌細胞が残っている可能性についてはあまり心配しなくてもいいでしょうか?
また、今回の私のケースは完全奏功とは言わないのでしょうか?主治医からは消失と言われています。
長々と申し訳ございません。
急ぎませんのでご回答いただけますと幸いです。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
申し訳ありませんが…
術前抗がん剤として治験に参加という選択そのもので、あらゆる予測は不能となります。
その結果について私が回答すること自体、無責任となってしまいますので(QAの趣旨に従い)今後も回答は終了させていただきます。
***受付終了***