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HER2陽性術後抗がん剤について

[管理番号:12032]
性別:女性
年齢:52
病名:
症状:
投稿日:2024年08月26日

このような場を設けていただき、ありがとうございます。

7月に右乳房温存療法いたしました。
病理結果は以下の通りです。
ステージ1
腫瘍径 13mm 断端-
腋窩リンパ節転移 無
核グレード 3
組織的グレード Ⅲ
1y0 v0
HER2 3
ホルモン受容体 陰性

9月中旬より
DTX4クール+トラスツズマブ
放射線、残りの13回トラスツズマブ
となりました。

先生の術後抗HER2療法の記事からすると、私は低リスクと判断されたと理解します。
質問なのですが、抗がん剤はTCとWPTXと書いておられたのですが、DTX単独でも問題ないのでしょうか?
同じタキサン系でも、使い分けされているのでしょうか?
そして、効果に違いはあるのでしょうか?

組織学的グレードや核グレードも高く、これでよいのか不安もあります。
大変失礼な事とは存じますが、可能であれば、先生のお見立てをお伺いできますでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私は低リスクと判断されたと理解します。
⇒その通りです。
リンパ節転移陽性だと分子標的薬としては(trastuzumabに加え)pertuzuambも併用し、更に(抗癌剤としては)anthracycline+taxaneを選択したりします。

質問なのですが、抗がん剤はTCとWPTXと書いておられたのですが、DTX単独でも問題ないのでしょうか?
⇒通常docetaxel単独で使う場合にはEC⇒docetaxelのようにanthracyclineを併せて行うのが一般的であり、(anthracyclineを使わないのであれば)TC(docetaxel+cyclophosphamide)とします。
♯ただし、cyclophosphamide自体の有効性はあまり高くは無いと考えられるので(TCと言えど、あくまでも主役はdocetaxelです)其の意味で必要無いと判断されたのかもしれません。

同じタキサン系でも、使い分けされているのでしょうか?
そして、効果に違いはあるのでしょうか?

⇒上記のように…
あまり違いはないでしょう。

組織学的グレードや核グレードも高く、これでよいのか不安
⇒問題無いと思いますよ。
但しTCで用いるdocetaxelの量なのか?確認してみるといいでしょう。
(施設によってはTCで用いるdocetaxelの量がdocetaxel単独で用いる量よりも多い可能性があるため)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/1
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