Site Overlay

術後治療に関して(オンコタイプdxの要否など)

[管理番号:11863]
性別:女性
年齢:51
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2024年06月14日

田澤先生、はじめまして。
術前術後、診察の機会が非常に少なく、また説明もほぼなくいただいたレポートの意味がよく分からず、今後について悩みが深まっております。
そんな中、田澤先生のことを知り、広くお答えをいただけるお心と器の大きさに感動し、勇気を出して質問させていただきます。

【術前:病理レポート】
IDC
核異型スコア2,核分裂スコア1核グレード1
腺管形成スコア:2,核異型スコア2,核分裂スコア1 組織学的グレードI
ER: Allred PS5 IS3 TS8, 100% Score 3b,
PgR: Allred PS5 IS3 TS8, 100% Score 3b,
HER2:score 1
Ki-67:13.0%
波及度:f

【術後:病理レポート】
55×40×20mm
腫瘍径:10x5x5mm

核異型スコア:2
核分裂スコア:1
→核グレード1
腺管形成スコア:1
核異型スコア:2
核分裂スコア:1
→組織学的グレード1
ER: Allred PS5 IS3 TS8, 100% Score 3b
PgR: Allred PS5 IS2 TS7, 90% Score 3b
HER2:score 1
波及度:f
リンパ管侵襲なし
静脈侵襲なし
SNB陰性
断片陰性

①サブタイプについて説明や記載がないが、何なのか?(自身で考える限りはルミナルA?)

②オンコタイプDXについて知らなかったのだが、上記の結果を受けて、田澤先生なら勧めるか?

③受けた結果、受けなかった場合、今後の治療が変わる可能性はないのか?(今後は放射線治療とホルモン治療予定)

④術後の病理レポートでは、ki-67についての記載がないが、術前術後で変わることはないのか?(PGRは変わっていることが気がかりです。)

⑤反対側乳房に3mm小腫瘤があり、MRI、エコーでは悪性所見はなしとのことだが、生検をしなくて良いのか?

術前に勉強が足らず、きちんと聞いて来なかった自身を反省しています。
お答えをいただけましたら幸いです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①サブタイプについて説明や記載がないが、何なのか?(自身で考える限りはルミナルA?)
⇒luminal typeです。
 Aなのか?Bなのか?は不明です。
 参考となる値はKi67=13%であり、「luminal Aである可能性が比較的高い」とは言えます。

②オンコタイプDXについて知らなかったのだが、上記の結果を受けて、田澤先生なら勧めるか?
⇒化学療法を迷うならば「勧めます」

③受けた結果、受けなかった場合、今後の治療が変わる可能性はないのか?(今後は放射線治療とホルモン治療予定)
⇒受けた場合、その結果で「抗がん剤の上乗せ効果が高い」と出れば(RS>25)抗癌剤が推奨されます。

④術後の病理レポートでは、ki-67についての記載がないが、術前術後で変わることはないのか?(PGRは変わっていることが気がかりです。)
⇒本来Ki67は手術標本で検索すべきものです。(変わる可能性は当然ある)

⑤反対側乳房に3mm小腫瘤があり、MRI、エコーでは悪性所見はなしとのことだが、生検をしなくて良いのか?
⇒「良性と言い切れる」所見でなければ生検すべきです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/24
***

  

質問者様から 【質問2】

術後治療に関して
性別:女性
年齢:51
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2024年06月25日

田澤先生、先日はお答えくださりありがとうございました。
先生のお答えを読みながら、「抗がん剤治療は上乗せが大きいならばもちろんいたしますが、積極的に望んでいるわけではない」と自身の気持ちが確認できました。

診察の際に全てを考えつき、質問してこれない自分に情けなさを感じておりますので、このような場が大変ありがたく、感謝しています。

① ルミナルaの可能性について前回仰ってくださいましたが、ki67のカットオフ値は現在はないなか、ルミナルaとbは先生はどのように判別なさいますか? 

今後は8月に放射線治療、その後ホルモン剤になるようです。放射線治療に関しては20週以内なら変わらないと聞きましたが、ホルモン受容体陽性が強いので、6月頭の手術からホルモン治療スタートまで時間がかなり開くことに不安を感じます。また同時に、National Health Service(NHS)のPredict Breastで調べると、ホルモン治療の上乗せが1パーセントしかなく、ホルモン治療の必要性の程度に対しても考えてしまいます。

②先生はホルモン治療のスタート時期についてはどのようにお考えになりますか?遅いでしょうか?

お忙しい中恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

① ルミナルaの可能性について前回仰ってくださいましたが、ki67のカットオフ値は現在はないなか、ルミナルaとbは先生はどのように判別なさいますか?
⇒一番近いのがOncotyepDXです。
(OncotyepDXで)low risk≒luminal A と言えます。

今後は8月に放射線治療、その後ホルモン剤になるようです。放射線治療に関しては20週以内なら変わらないと聞きましたが、ホルモン受容体陽性が強いので、6月頭の手術からホルモン治療スタートまで時間がかなり開くことに不安を感じます。また同時に、National Health Service(NHS)のPredict Breastで調べると、ホルモン治療の上乗せが1パーセントしかなく、ホルモン治療の必要性の程度に対しても考えてしまいます。

②先生はホルモン治療のスタート時期についてはどのようにお考えになりますか?遅いでしょうか?
⇒いつからでも構いません。(放射線治療同様に)全く急ぐ必要はありません。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/8
***