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皮膚への再発についての治療方法

[管理番号:9397]
性別:女性
年齢:48
病名:異時性両乳がん
症状:
投稿日:2021年5月18日

よろしくお願いします。

2016年に右乳がんステージ2bリンパ節転移なし、全摘手術後ホルモン療法でタモキシフェン服用していました。

2019年定期検診で左乳頭のひきつれから、針生検→左乳がんの診断、CTでリンパ節転移あり 9月に全摘手術リンパ郭清

病理結果
浸潤がん(硬がん)
切除断端 陰性
波及度 fs
リンパ管侵襲 +ly4
ER 陽性(中等度)HER2陰性
グレード 3
リンパ節転移7/12
ステージ3A

術後、ホルモン療法(タモキシフ
ェン+リュープリン)
放射線治療25回
抗がん剤EC、パクリタクセル

昨年7月に抗がん剤が終了しホルモン療法のみ継続していました。
が、4月初め左手術跡端(体中心側)に触るとプツプツとしたニキビのようなものがあり、赤みもあったので診察時にエコーしてもらいましたが、その時はしこりもなくリンパも腫れているとはいえず5FU軟膏をもらい、もし再発ならイブランス服用になるとの説明を受けました。

その後赤みも広がり(直径8センチくらい)左胸全体が硬く腫れてきました。
触るとプツプツとニキビのようなものを感じる。

皮膚再発だろう、放射線しているので放射線はできない。
取れる皮膚にも限りがあるし、皮下のリンパに広がっているので手術しても他から出てくるので全身療法。

ホルモン療法+イブランスによる治療を提案されています。

①イブランスによる治療で良いでしょうか

②広範囲だと手術は難しいですか。

③CTなどで他の転移を確認する必要性はありますか田澤先生のご意見をお聞かせください。

術後に放射線、抗がん剤後の再発に落ち込み日々不安です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「4月初め左手術跡端(体中心側)に触るとプツプツとしたニキビのようなものがあり、赤みもあったので診察時にエコーしてもらいましたが、その時はしこりもなくリンパも腫れているとはいえず5FU軟膏をもらい、もし再発ならイブランス服用になるとの説明」
⇒?

この時点で「局所切除」何故しなかったのだろうか??(純粋な疑問です)★

「その後赤みも広がり(直径8センチくらい)左胸全体が硬く腫れてきました。」
⇒こうなってしまうと(残念ながら)局所治療では手に負えなくなります。★★

「①イブランスによる治療で良いでしょうか」
⇒★★の状況だと、最大限の効果を狙って抗がん剤を選択すべきだと(私は)思います。
  第1選択 bevacizumab + paclitaxel
  第2選択 eribulin

理想的には上記でCR(もしくは可能なかぎりPRに近い)となってからCDK4/6阻害剤(palbociclib/abemaciclib)を開始

「②広範囲だと手術は難しいですか。」
⇒★の時点ならばともかく、現状は無理だと思います。

「③CTなどで他の転移を確認する必要性はありますか」
⇒(全身)療法と並行して検査すべきです。