[管理番号:6854]
性別:女性
年齢:72歳
病名:乳癌
症状:
田澤先生
初めまして
先日、母が左乳房全摘出手術を受けました。
手術後の診断は
ステージ1A
大きさ1cm
浸潤性
リンパ節転移 陰性
トリプルネガティブ
となります。
状態が浸潤性で微小転移の可能性があること、タイプがトリプルネガティブであることから
術後に再発予防の為の化学療法を受けることを担当医から勧められ、
何もしないのもやはり怖いということもあり、
高齢であることに不安もありましたが化学治療を受けることを決めました。
当初AC療法(アドリアマイシンとエンドキサンを3週間毎4回)の12週間の治療説明を受け、治療を開始しましまたが、
1回目の投与を受けた翌週にAC療法の後にパクリタキセル週1回を12週間の治療も受けたらどうかと勧められ、
その治療を受け入れるか否か、判断をつき兼ねて悩んでおります。
(予定が変更になった理由としまして、手術にあたってのCT検査の際
肺に薄い影が映っており、肺がんと確定されていないが仮にそれが肺がんであった場合、
ACとパクリタキセルの治療の効果でその影が消え、その後それが再発した場合、ステージ4として扱わなければいけない、
ということを考慮しAC療法のみと予定していたが、その後の協議で、
仮に肺がんの疑いのある影が消えたならそれはそれでいいのではということになった、
というのが追加の方針へ当初から変更になった経緯があるという説明を頂きました。)
私の考えとしましては
乳癌に関しては、パクリタキセルを追加すれば、再発転移の可能性をより減らす期待ができること、
またACとパクリタキセルを合わせで受けることが標準的な治療方法であることは理解しているのですが、
母の年齢、体力も考慮して、パクリタキセルを受けるかどうかを判断する必要もあるのではと考えております。
肺がんの疑いのある箇所についても
肺がんと確定されていない現状で
化学療法による効果を期待して受けることは適正かどうか不安もあります。
上記をもとにした、今の考えとしましては
今行っている乳癌の予防治療として受けるのはAC治療までとして、
パクリタキセルの治療は受けず
肺がんの疑いについては別個で
検査して頂いた方が良いのではと考えております。
私の今の考えと、それに至るまでの考え方に思い込みや誤りがあるか、
先生のご指摘、ご見解をご教示頂けないでしょうか?
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ポイントは
1.十分すぎる早期である。
2.70歳以上では術後補助療法としての化学療法の有用性は証明されていない(エビデンスがない)
「今行っている乳癌の予防治療として受けるのはAC治療までとして、パクリタキセルの治療は受けず」
→それが妥当です。(冒頭のポイント参照)
「肺がんの疑いについては別個で検査して頂いた方が良い」
→そもそも「この程度の早期がん」でCTが必要だったのか?(今更、仕方がありませんが)
そこに疑問があります。
★肺は肺炎の痕などがCTを撮影すると「かなりの確率(私の感覚では50%位)で指摘」されます。
(画像は見ていませんが)「1cmの癌で肺転移はないでしょう。」というのが、常識的な考えです。(あまり気にしないようにしましょう)