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抗がん剤の使用について

[管理番号:6660]
性別:女性
年齢:58歳

はじめまして、いつも拝見させていただき参考にさせていただいております。

本日は妻の乳がんのことでご教示いただきたくメールさせていただきました。

春の人間ドックで乳がんの疑いがあり、検査の結果、左乳房の乳がんと診断診断され、5月に乳房温存手術を受け抗がん剤の投与を受けております。

左乳がん 腫瘍径1.4センチ  髄様癌
T1N0M0
ステージⅠ  リンパ節転移無し
エストロゲン受容体:陽性、 プロゲステロン受容体:陰性
脈管侵襲:陰性  核異型度:2  HER2:0
Ki67:61.2%  ルミナルBタイプ

術後の治療としては
EC療法4サイクル+ドセタキセル4サイクル
放射線療法25回
フェマーラ5年間服用

となっております。

次回点滴がEC療法の4サイクル目となりますが、本人曰く副作用がきつくて耐えられない(端で見ていても明らか)と言っています。

そこで教えていただきたいのですが、ドセタキセルの投与を中止し放射線療法~ホルモン療法を行うことは、どの程度予後に影響しますでしょうか?
EC療法をきっちり終えた後であれば、ドセタキセルの上乗せ効果が数%程度ということなら、今の妻の状況からみて実施しない選択肢もあるのかなと考えはじめております。

あるいは、個人の体質にもよると思いますが、ECよりもドセタキセルのほうが副作用は少ないという話も聞きますし、有効な範囲でドセタキセルの投与量を減らしてでも続けたほうが予後にはプラスでしょうか?
またまた、エビデンスがなくとも経験上で結構ですのでEC療法の後に一番副作用が軽そうな抗がん剤がほかに何かありますでしょうか?
お忙しいところ恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

QandA再開後の6番バッターです。

「そこで教えていただきたいのですが、ドセタキセルの投与を中止し放射線療法~ホルモン療法を行うことは、どの程度予後に影響しますでしょうか?」
→もともと早期がんだから「上乗せ自体少ない」と思います。
 3%程度でしょう。

「有効な範囲でドセタキセルの投与量を減らしてでも続けたほうが予後にはプラスでしょうか?」
「エビデンスがなくとも経験上で結構ですのでEC療法の後に一番副作用が軽そうな抗がん剤がほかに何かありますでしょうか?」

→weeklyPTX(毎週投与のパクリタキセル)ならば、減量せずとも継続できるでしょう。