[管理番号:6468]
性別:女性
年齢:44歳
いつもこちらのQ&Aを参考にさせていただいております。
お忙しい中、丁寧にご質問に回答されている先生に感謝いたします。
私にもこのような質問の場を提供いただき、ありがとうございます。
乱文にて失礼いたしますが、宜しくお願いいたします。
2016年4月 左胸の下内側にある乳がんを全適。
同時にエキスパンダーを入れて、2017年6月にシリコンインプラントに入れ替え再建しております。
当初乳輪乳頭温存にて希望しておりましたが、術中断面検査で乳頭の近くまで陽性だったため乳輪乳頭含む全摘出になりました。
<病理組織診断>
Invasiveductal carcinoma,scirrhous carcinoma,INFc,pT1 (t:19×14mm),g(+)f(+)s(-)p(-),ly1,v1,nuclear grade3 (nuclear atypia2,mitosis3),EIC(-)[DCIS within the tumor (+),DCIS adjacent to the tumor(+)],surgical margin,see
description*
Intraductal spreading of the carcinoma in the areora
Her2 2+ FISH法陰性
所見にてセンチネルリンパ節・周辺リンパ節には転移は認めない。
とあり、腋窩リンパ節郭清はしておりません。
Ki-67 20%,ホルモンレセプター+・ミナールBと言われましたが、こちらのQ&Aを参考にさせていただいたのと、自分の判断で化学療法はせずホルモン治療のみに決めました。
そして、ホルモン治療を始めようかと考えていた矢先、不正出血があり、婦人科を受診すると子宮内膜ポリープが発見され摘出手術をしました。
ポリープの細胞診は陰性でしたが、その際、婦人科の先生に「生理後は薄くなっていないといない子宮内膜が肥厚している。
ホルモン治療をすると影響が出てくるかも。」と言われ、主治医と相談し、リュープリン注射単剤でホルモン治療継続しており、ちょうど2年くらいになります。
2017年4月 1年目の検診で右側甲状腺に腫瘍指摘されましたが、小さいためしばらく経過観察。
その後、別の病院にて検査した結果、7mmの乳頭がんとわかりました。
2018年6月に摘出手術をする予定でしたが、2018年2月の乳腺外科での定期健診で左鎖骨上のリンパ節が腫れている指摘を受けました。
乳腺外科の先生は「腋窩リンパ節に転移が無かったし、今も腫れがないから乳がんの再発とは考えにくく、おそらく甲状腺の転移だと思うから、あちらの病院で調べてもらって。」とおっしゃったので甲状腺の病院に伝えると、「右の癌が左に転移することは稀なんだけど・・・。」と。
とりあえず細胞診してみましょうとなり、結果、「乳頭がんではないので、やはり乳がんの再発と考えられます。」と言われ、乳腺外科の
先生にも説明していただき、甲状腺がんの摘出手術はキャンセルで経過観察になりました。
そして、乳がん手術した際の標本と鎖骨上リンパの細胞診プレパラート比較し、併せて造影剤CTと骨シンチしました。
乳腺外科の先生から「骨やほかの臓器に遠隔転移は認められませんでしたが、再発と考えられます。
鎖骨上リンパと胸骨の近くにも分かりにくいけどリンパ節の腫れがある。」と言われました。
検査などしている期間に、自身で左胸の元々乳輪のあった下のほうの位置(原発の腫瘍のあった位置近く)に丸っこいしもりも発見しました。
主治医の先生は
「乳腺は全部取ったわけだから、それも、皮下のリンパの腫れだと思う。シリコンに気を付けて取って検査してみようか。」と言われています。
そして、これまでのホルモン治療が効いていなかったようなニュアンスで「今後のホルモン治療の薬を変えてみようか?抗がん剤を考慮してもいいけど。」「これからの治療がんばってね。」と、まるでもう終わりのような言い方をされるので今までの治療は間違いだったのか?これからどうなるのか不安になってしまいました。
①今後はどのような全身治療がベストだと思われますか?ホルモン治療ならどのようにしたらよろしいでしょうか?
現在、まずは放射線治療(トモセラピー)をと江戸川病院放射線科を受診予定です。
②もし抗がん剤治療を考えるとなると、どのようなものになりますか?
③鎖骨上リンパ節は、基本手術では取り除かないとこちらのQ&Aで見ましたが、左胸下の方に出来たしこりについてはいかがでしょうか?
インプラントのせいで、その位置に放射線照射出来なければ、外科的処置をした方が良いのでしょうか?
④トモセラピーを鎖骨上と胸骨傍に照射するうえで、もしインプラントを取り除く事が必要になった際は、外科の処置(乳腺外科?)は(江戸川病院へ)転院を考えた方が今後の治療の連携がとれるとかあるのでしょうか?現在は、個人経営クリニックにて受診、手術は以前主治医の先生が在籍していた総合病院の設備を借りての執刀・入院だったため1か所で色々な検査や処置が出来ないことへのストレスがあります。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①今後はどのような全身治療がベストだと思われますか?ホルモン治療ならどのようにしたらよろしいでしょうか?」
⇒選択肢は以下の2つです。
1. 婦人科で再度診てもらいながら、タモキシフェンを行うことを考慮すべきです。(勿論、婦人科医がNoと言えば、それはできませんが…)
2.(再発治療として適応のある)パルボシクリブを使用する場合には「LH-RHagonist+フルベストラント」の適応があります。
「まずは放射線治療(トモセラピー)をと江戸川病院放射線科を受診予定」
⇒これは「正しい」選択です。
「②もし抗がん剤治療を考えるとなると、どのようなものになりますか?」
⇒選択肢は多い。
2つの考え方があります。
A)術後補助療法として適応のある 「アンスラタキサン」
B)再発治療として適応のある「bevacizumab + paclitaxel」
Bは「最強であり、最良(副作用が少ない)」で個人的には好きですが、(一般論としては)Aを選択する医師の方が多いでしょう。
「左胸下の方に出来たしこりについてはいかがでしょうか?インプラントのせいで、
その位置に放射線照射出来なければ、外科的処置をした方が良いのでしょうか?」
⇒手術可能なら(おそらく、そう思いますが) 放射線が可能であっても「手術すべき」です。(外科的に摘出可能なものを敢えて放射線照射することには賛成しません)
「転院を考えた方が今後の治療の連携がとれるとかあるのでしょうか?」
⇒それはあまり関係ありません。
本来、初回手術した医師が(可能であれば)責任をもって行うべきものです。
質問者様から 【質問2】
リンパ節再発の治療について
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳癌
症状:リンパ節再発
投稿日:2022年7月26日
[管理番号:6468]
お世話になります。
前回の質問後、婦人科の先生に子宮内膜肥厚の状態を診て頂きながらタモキシフェン
の服用を続けておりましたところ、1年後の放射線科の定期健診で胸骨と縦隔リンパ節への転移がみつかり再度トモセラピー→タモキシフェン継続で3年が経ちました。
(この間、年に1度PET、4ケ月ごとの血液検査、エコーでチェックしています)
そしてまた2022年4月、鎖骨上下リンパ節と胸壁近くのリンパ節に転移が見つかり、最近トモセラピーでの治療を終えたところです。
今後の全身治療について乳腺外科の担当医からは
①タモキシフェン継続
②タモキシフェン+リュープリン
③パルボシクリブ
④抗がん剤
の選択肢を提示されています。
田澤先生でしたらどのような治療計画を提案していただけますか?
再発が続いているので、自分でもここでガッツリと抗がん剤治療をした方がよいのかと考えておりますが、効果的でしょうか?
③パルボシクリブは、副作用が激しく(倦怠感・下痢・脱毛など)出た場合、ずっとそれに苦しむのか?という不安が多くあり。
抗がん剤をするとなった場合、どのようなものをどれくらいの期間するのか担当医に聞いてみたら
「種類は色々あるけど、臓器等に遠隔転移したのではないから、経口抗がん剤とかでもいいかもしれないけど、、、」
↑今まで抗がん剤治療に前向きじゃなかった私の気持ちを考慮しての言葉ではないかと思います。
田澤先生は、どのお薬をどれくらいの期間(○週間ごとに○クール)やるのがよいと思われますか?
また、抗がん剤が終わったあとの治療はどのようなプランだと思っておけばよいでしょうか?
コラムにあったように、radiation→抗がん剤→ホルモン治療でしょうか?
乱文で申し訳ありません。
このように質問できる場所があり、文章にすることで
改めて自分の今のおかれた状況や気持ち、そしてこれから先のことを落ち着いて考えられているのに気付きます。
本当にありがとうございます。
お忙しい中かと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
現在のホルモン感受性陽性の再発治療としてガイドラインではCDK4/6阻害剤の「最初からの」併用を推奨しています。
私もこのガイドラインには「完全に」賛成。 敢えて「ホルモン療法単剤に拘る」のは、少々(かなり?)時代遅れだと指摘しておきます。
今後の全身治療について乳腺外科の担当医からは
①タモキシフェン継続
②タモキシフェン+リュープリン
③パルボシクリブ
④抗がん剤
の選択肢を提示されています。
田澤先生でしたらどのような治療計画を提案していただけますか?
⇒①②はありえません(冒頭のコメント参照)
選択肢は2つ
選択肢1.(今回は抗がん剤せずに)③ 無論palbociclib単剤ではなくLetrozole併用(閉経前ならば更に+LH-RHagonist)
選択肢2.抗がん剤(3か月~6か月)⇒③+Letrozole併用(閉経前ならば更に+LH-RHagonist)
③パルボシクリブは、副作用が激しく(倦怠感・下痢・脱毛など)出た場合、ずっとそれに苦しむのか?という不安
⇒勘違い!!
Palbociclibに副作用は殆どありません。(脱毛はそれなりにありますが…)
下痢が前面に出るのはabemaciclibです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/8/3
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