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肉芽腫性乳腺炎

[管理番号:6464]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして。
遠方のためこちらで質問させて下さい。
1年2ヶ月前に突然左胸が痛み、しこりができていて、今までに2つの病院を受診しました。
最初の病院では乳腺炎と診断され、抗生物質を処方され経過観察という形になり、炎症範囲や痛みは少なくなりましたが、 しこりの場所が乳頭のすぐ下で皮膚が引っ張られて乳頭の形が変わってしまっていました。
乳輪と一体化した感じです。
それから落ち着いていましたが、5ヶ月後にしこりが子供のこぶし程に腫れ上がり激痛で他の病院を受診し、その病院で肉芽腫性乳腺炎と診断されました。
抗生物質を処方され症状が落ち着くまで通い、その後は様子を見るという形でした。
それから今までは、たまにズキズキと痛むことはありましたが腫れることもありませんでしたので、受診していませんでした。
先生にも多少の痛みはただの乳房痛だと言われました。
ただ乳頭がどんどん陥没していったのが気がかりでした。
最近また強い痛みと腫れでしこりが大きくなったので2つ目の病院に行きましたが、結局は抗生物質を1週間分処方され、それで落ち着いたらまたそのまま様子を見て下さいと言われました。
また乳頭の形成手術のことを言われました。
先生のお話では、手術をして肉芽を取らないと治らないが半年に一回の受診では手術をするほどではないし、手術は乳管を傷つける恐れがあるのでお勧めしない。
ステロイドは一概に良いとは言えない。
とのことでした。
2つの目の病院を最初に受診した段階ではまだ乳頭は陥没していなかっ
たので、その頃に治療をしてくれていればこんなことにはならなかったのでは?と思ってしまいます。
先生には大したことがないような感じで言われてしまうのですが、この状態でいることが辛いので治したいです。
本当にこのままこの病気と付き合っていくことが最善の方法なのでしょうか?
また膿も出ていないし、関節の痛みや、紅斑など、肉芽腫性乳腺炎の他の症状がないのですが、本当に肉芽腫性乳腺炎だと思いますか?
どちらの病院でもマンモグラフィー、エコー検査、抗生物質で炎症が落ち着いた後に針の検査をしています。
ですが抗生物質がなかなか効かず、初診から針の検査をするまでにどちらの病院も数回通っています。
それから炎症だと診断され抗生物質で炎症が落ち着くまでまた数回通う…昨年は何度病院に通ったかわかりません。
何度も病院に行き同じことを繰り返して疲れてしまいました。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
肉芽腫性乳腺炎に「抗生物質も切開排膿も無意味」です。
治療の決め手は「volume reduction」です。
1.ステロイドによるvolume reduction
2.MMTEや外科摘出によるvolume reduction
3.自然経過による(長い経過がかかりますが)volume reduction
通常は1で治癒します。
MMTEは初回に「組織診断による診断確定のために初回」行いますが、(必要に応じて)追加したりします。
手術による摘出は、ここ4-5年はやらずに済んでいます。
(一般に、上記のような正しい治療が為されないケースが多いですが)その場合には上記3(自然経過)により「かなり長期間」かけて良くなっているのだと想像しています。(良性疾患ですから)
以上、(幸か不幸か?)肉芽腫性乳腺炎を年間10例以上も治療している私からの助言です。