［管理番号:6387］
性別:女性
年齢:44歳
2年ほど前に多発性嚢胞と言われ、心配はないと言われましたが、自ら半年毎にエコーの診察を受けています。
つい4ヶ月前にもエコーしてもらい、全く問題ないので1年後の診察でも構わないといわれました。
自分でも定期的に触診していますが、数日前にシコリを発見し、動揺しています。
硬いしこりというよりは、弾力があるような感じで(判断基準がわからないのですが、よく言われるパチンコ玉の様な感じではないです)、しばらく触っていると若干痛みを感じます。
押すと逃げていき、
1ー2センチ位の大きさです。
以下、質問です。
1)
触診では気づかなかったとしても、少なくとも4ヶ月前のエコーには映っていなかったこのしこりが悪性という可能性は高いですか？
悪性の場合、嚢胞内腫瘍や粘液癌の疑いということはこれまでのQ&Aか
ら学びましたが、悪性のものが2年間大きくならずに、最近になって一気に成長することはあるのでしょうか？
2)
医師は自らエコーをし、嚢胞についてもエコーを私に見せながら、丁寧に説明くれます。
医師一人の小さなクリニックですが、乳腺専門で評判も良く、私も信頼しています。
経験ある医師でも、エコーの判断が難しい場合もあるのでしょうか？
3)
診察は2週間後となります。
その診察で悪性ではないと医師が判断した場合、生検等精密検査を無理にしてもらう必要はありませんか？触診ではっきりわかる大きさのしこりを、エコーで100%良性と断言できるケースはあるのでしょうか？
4)
急に大きくなった悪性腫瘍は進行も早く、予後も悪いのですか？5年、10年生存率は良くないのでしょうか？
今回、見逃しだけは避けたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まずは一般的な確率論からですが、
１．質問者の年齢（44歳）
２．（もともと）多発のう胞があった
３．4カ月前にエコーをしている
４．急にできた１－２ｃｍの弾性のあるシコリ
この材料から、私が（確率的に）推測するのは
更年期に（卵巣が不安定となり）急激に乳管が閉塞し、いきなりできる「急性嚢胞」
です。（質問者に当て嵌まるかは勿論断言できませんが、確率的には最も高いことは間違いありません）
「触診では気づかなかったとしても、少なくとも4ヶ月前のエコーには映っていなかったこのしこりが悪性という可能性は高いですか？」
⇒可能性は低い（上記に記載どおり）
「悪性のものが2年間大きくならずに、最近になって一気に成長することはあるのでしょうか？」
⇒（葉状腫瘍は、そのような動きをすることもありますが）
　癌の場合には、それは殆どありません。
「経験ある医師でも、エコーの判断が難しい場合もあるのでしょうか？」
⇒嚢胞と「嚢胞内癌や粘液癌」の見間違いですか？
　それは無いでしょう。
「その診察で悪性ではないと医師が判断した場合、生検等精密検査を無理にしてもらう必要はありませんか？」
⇒明らかな「（更年期によく起こる）急性嚢胞」と判断できれば不要です。
「触診ではっきりわかる大きさのしこりを、エコーで100%良性と断言できるケースはあるのでしょうか？」
⇒上記通りです。
「急に大きくなった悪性腫瘍は進行も早く、予後も悪いのですか？5年、10年生存率は良くないのでしょうか？」
⇒癌の確率はかなり低いと（確率的に）思います。
「今回、見逃しだけは避けたいと思っています。」
⇒勿論、それが最も重要です。
　心配なら、（嚢胞だと思っても）穿刺してもらえば（嚢胞疑いの場合には組織診では無く細胞診）いいのです。