[管理番号:6289]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、はじめまして。
44歳、昨年12月に乳がんとわかり、先月3月○日に右胸全摘手術およびリンパ節郭清(手術中のセンチネルリンパ節生検で1か所転移があったため)を行いました。
本日、病理検査結果(・組織型:IDC ・pT:1,7センチ ・n1/26 ・ER+
・PgR+ ・HER2- ・ly- )を聞きにいきましたが、今後の治療方法で、抗がん剤治療を受けるべきかどうか大変悩んでおります。
どうか先生のご意見をよ
ろしくお願いいたします。
・浸潤性乳管がん(右胸)
・しこりの大きさ 当初2,3センチだったが、MRI検査をしたところもっと拡がりが
あったため(5,6センチ、浸潤している部分は1,7センチ)部分切除ではなく、全摘となった。
・ステージⅡa
・ホルモン陽性 ・Ki67値 手術前15%→手術後3%に。
(手術前の1月中旬より、
ホルモン剤を飲み始めていたため?タモキシフェン錠20mg)
・ルミナールA
・ハーツー陰性
・リンパ節は、合計26個とったが、転移していたのは最初のセンチネルリンパ節生検1個のみでした。
最初のセンチネルリンパ節生検で3個とり、そのうちの1個が転移していたため、23個とったそうです。
結果、リンパ節郭清しなくてもよかったようですが・・・。
とってみないとわからないので仕方ないそうです。
今後の治療方法ですが、このままホルモン療法(ノルバデックスorタモキシフェン)のみで行くか、リンパ節に転移が1個あったので、抗がん剤を追加しておくかどうかということです。
ちなみに、抗がん剤治療をする場合には、タキソテール・エンドキサン(TC)を3週間に1回を4回の3か月間と言われています。
先生でしたら、この場合、ホルモン剤治療のみでもいいと思われますでしょうか?
リンパ節に転移が1個でもあったら、抗がん剤もしておいたほうがやはりいいのでしょうか?
また、抗がん剤をする場合、先生でしたらどういった薬を使用されますでしょうか?
(TC以外の可能性もありますでしょうか?)
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
今日は。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
治療はサブタイプで決まるのです。
「リンパ節転移があったら抗癌剤」などという考え方が前時代的であることは(もしも質問者が)OncotypeDXすれば解る事です。
「リンパ節に転移が1個あったので、抗がん剤を追加しておくかどうか」
⇒全く無意味
質問者はルミナールAです。 ホルモン療法単独とします。
「先生でしたら、この場合、ホルモン剤治療のみでもいいと思われますでしょうか?」
⇒私なら、ホルモン療法単独とすることに「一秒も」迷いません。
「リンパ節に転移が1個でもあったら、抗がん剤もしておいたほうがやはりいいのでしょうか?」
⇒不要
どうしても、悩むのであれば「OncotypeDXすべき」です。(閉経前のリンパ節転移陽性でも適応あります。 念のため)
「また、抗がん剤をする場合、先生でしたらどういった薬を使用されますでしょうか?」
⇒化学療法はしません。