[管理番号:5814]
性別:女性
年齢:52歳
田澤先生
いつも勉強させていただきありがとうござます。
よろしくお願い致します。
都内の病院で10月末に右乳房の全摘手術をしていただき、先日病理検査結果を伺いました。
術前診察の通り、0期、非浸潤でリンパ転移もなく経過観察ということになりました。
一安心したものの、再確認したい事があり質問させて下さい。
①病理結果の用紙には ki-67値の数値がありませんでした。
病院によって記載項目に違いはあると思うのですが、他の病院でも記載がないところは多々あるのでしょうか?
②「がんの顔つき」ですが3段階で「2」でした。
おとなしくもなく、顔つきが悪いわけでもない、とのことでしたが、
これについては非浸潤であるので気にすることではないということでしょうか?
③0期、非浸潤であっても、ki-67値が高値であったり、顔つきが悪い場合は
補助療法をしたほうが良い場合があるのでしょうか?私は総合的に無治療と
判断されたと思うので、私には見えていないki-67値や顔つきのレベルを心配する必要はないとは
思うのですが、再度の安心のため教えて下さい。
お忙しいところ大変恐縮ですがよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
重要なことを指摘しておきます。
検査項目は必ず「ある目的」が有って行われるべきであり、(必要無いのに)「大事な医療費を用いて」行うべきものではないのです。(保険診療である以上当然のことと言えます)
「Ki67」
⇒これは何のための数値だと思いますか?
抗癌剤すべきかどうか?というためです。
非浸潤癌で抗癌剤を行う事は絶対に無いし、(もしも、それを行う医療機関があったら)「医療停止とされても仕方がない(というか、医師免許を取り上げたいくらいです)」ことなのです。
つまり「非浸潤癌でKi67を測定する」など、全く無意味だし「あってはいけない(当然、厚生年金などから「査定」されます)」ことなのです。
♯同様にHER2も絶対に非浸潤癌には不要なものですが、一部医療機関では「非浸潤癌でも平気でHER2を測定している」ことは、なんとも嘆かわしい事です。
「術前診察の通り、0期、非浸潤でリンパ転移もなく経過観察」
⇒経過観察というか…
「非浸潤癌で全摘」は根治です。
経過観察は不要。一般検診でいいのです。
「①病理結果の用紙には ki-67値の数値がありませんでした。」
⇒お解りですね?
非浸潤癌では「全く無用」であり、決して「測定してはいけない」項目です。
「②「がんの顔つき」ですが3段階で「2」でした。」
「非浸潤であるので気にすることではないということでしょうか?」
⇒その通り。
根治ですから。
「③0期、非浸潤であっても、ki-67値が高値であったり、顔つきが悪い場合は補助療法をしたほうが良い場合があるのでしょうか?」
⇒絶対に不要です。
根治ですから。(もしも、非浸潤癌で全摘なのに、「何か理由をつけて」術後補助療法をしようとする医師が居るとしたら… 医師免許を取り上げなくてはいけません)