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針生検の結果についてのご相談~線維腺腫と葉状腫瘍

[管理番号:5799]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生、はじめまして。
毎日、非常に不安な中、いろいろ調べるうちに田澤先生のことを知り、すがるような思いで、このようにメールをさせていただく次第です。
45歳です。
主人(47歳)と5歳の娘がいます。
毎年受けている区の乳癌検診(マンモグラフィー)の結果が要精密検査となり、結果の通知が届いてすぐ(2017.10月中旬)に近くの総合病院でエコー、その日に細胞診を受けました。
エコーでは、境界がはっきりしているだ円形のしこりであることがわかりました。
しこりはそれまでは自分では、気づいていなかったのですが、結果が届いてから触ると自分でもしっかりわかる、よく動くしこりです。
1年半前のマンモグラフィーには全く写っていないため、この一年で出来たものだと思われます。
細胞診の結果が出るまで、夜も眠れない、食べるものも喉を通らない1週間を過ごしました。
細胞診の結果は線維腺腫でした。
ホッとしたのもつかの間、自分でいろいろ調べるうちに、葉状腫瘍というものがあることを知りました。
近所の総合病院ではそのような説明は一切なく、検査もエコーと細胞診だけでした。
『線維腺腫なので今後も1年に一回の定期検診をすれば問題ないですよ』とのことでしたが、自分で調べれば調べるほど、私の年齢と、この一年で急にできたこと、検査が細胞診だけでの結果なことなどを考えると葉状腫瘍の可能性もあるのではないかと、非常に不安になり、今度は別の、開業医の乳腺外科に行ってみました(11月上旬のことです)。
そこでは、『たしかに葉状腫瘍の可能性があるから、針生検をしましょう』と言って針生検をしてくれました。
針生検の結果は、線維腺腫だと思うが、葉状腫瘍の可能性も否定できない、というものでした。
結果をききにいったとき、その病院の先生は、『ひとまず安心ですね、よかったですね。
念のため3カ月後にまた診察に来てください』と言われました。
でも私は、葉状腫瘍という言葉がでてきた以上、このままでいいとは思えず、田澤先生に質問させていただきます。
下記に原文をそのまま写させていただきます。
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【病理組織検査報告書】
左乳腺腫瘍
◆臨床診断、経過
左乳腺腫瘍
左9時方向
境界明瞭なだ円形腫瘤
この1年で急速に増大した可能性あり
17??15??9mm
??CNB 2回
(FA or phyllodes)
◆病理組織学的判定
Breast,
left ,
needle biopsy:
fibroadenoma,suggestive
◆病理組織学的所見
標本は7㎜長以下??2本の左乳腺針生検組織よりなる。
組織学的には、ともに間質増生と乳管上皮増生による結節性変化がみられる。
上皮成分は2相生パターンを示し、異形はなく、間質増生部は軽度のmyxomatous changeを呈している。
Fibroadenomaが示唆されるが、benign phylolodes tumorは否定できません。
Malignant findingは認めません。
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そこで、先生に質問です。
①上記の針生検の結果をみて、先生ならどのように判断なさいますか?
②先生の今までの回答などを読ませていただくと、葉状腫瘍の可能性がある場合、実際が1ランク2ランク悪いものでも、後々問題がないよう、
しっかりしたマージンをとり、早めに切除すべきとのお話でした。
私はすぐ切除すべきでしょうか。
私自身は、命が一番大事なので、切ってもらえるのであれば、その後の人生が安心なように、早い段階でマージンも大きくとり切ってもらいたいと思っています。
もし切っていただけるのであれば、田澤先生に手術をお願いしたいです。
万一、しこりを取り出してみたら悪性の葉状腫瘍だったら、、などと悪い想像をしてしまうと、勝手ではありますが、心から田澤先生にお願いしたいのです。
5歳の娘がおり、絶対に死ぬことはできないのです。
③私の針生検の結果からみて、葉状腫瘍の場合、先生の経験上、境界悪性、または悪性の可能性はどのくらいありますでしょうか。
のんびり経過観察しているうちに転移などしてしまったらどうしようと、毎日眠れない日を送っております。
本当にお忙しいところ恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①上記の針生検の結果をみて、先生ならどのように判断なさいますか?」
⇒葉状腫瘍の可能性が有る以上、摘出した方がいいでしょう(どうせ摘出するなら、きちんとマージンをつけましょう)
 ただ、「葉状腫瘍だとしても良性が想定される」ことと「腫瘍径が17mm程度」から、緊急性はなく「3カ月後に、増大傾向が有るのか確認」という担当医のスタンスは問題ありません。
「私はすぐ切除すべきでしょうか。」
⇒①で回答したように…
 「緊急性」はありません。
 強いて言えば…
 「緊急性」<「確実性」 ということです。
「葉状腫瘍の場合、先生の経験上、境界悪性、または悪性の可能性はどのくらいありますでしょうか。」
⇒悪性の可能性はゼロです。
 境界悪性の可能性も殆どありません。(「17??15??9mm」という記載からは比較的「扁平」であることが伺えます)
 ☆ただ、どうせ手術するなら「境界悪性であってもいいように」マージンをつけるべきと(私は)思います。
「のんびり経過観察しているうちに転移などしてしまったら」
⇒その可能性は「数年間放置」でもしない限り、ありません。(余計な心配をするのは止めましょう)
「毎日眠れない日」
⇒「3カ月の経過観察の間、ずっと不眠」では身体が持たないので…
 手術すべきです。
 1月にはなりますが、「秘書メール」してください。

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