[管理番号:5729]
性別:女性
年齢:39歳
初めまして。
いつも拝見し、参考にさせて頂いております。
20代の頃、左胸に線維線種と乳瘤の既往があります。
それ以来年1回乳がん検診を受けてきました。
数年前より、左胸に新たなしこりができはじめ、今年10月の定期健診では左右の胸にそれぞれさらに増え、現在大きさ4mm~10mm程度の腫瘤が合計12個ほどあります。
<右乳腺>
乳腺実質部エコー不整(++)
AB領域にφ5mm大の低エコーな腫瘤性病変を観察します。
内部エコーはやや不均一で血流シグナルを認めます。
BD領域にφ4mm大、φ6mm大、C領域にφ7mm大のやや低エコーな腫瘤性病変を疑います。
血流シグナルの上昇はありません。
<左乳腺>
乳腺実質部エコー不整(++)
低エコーな腫瘤性病変を観察します。
(A領域にφ8mm大、BD領域にφ6mm大、C領域にφ7mm大)
境界ほぼ明瞭、内部エコーは不均一、点状高エコー像があります。
血流シグナルの上昇はありません。
B領域にφ4~10mm大、AC領域にφ4mm大のやや低エコーな腫瘤性病変を疑います。
内部エコーはやや不均一、血流シグナルの上昇はありません。
AC領域にφ3mm大の嚢胞性病変があります。
新たにできたしこりのうち右胸から1か所、細胞診をしたところ、クラスⅢbでDCISを否定できませんとのコメントでした。
その後、しこりが沢山あるからとのことで造影MRIを撮影し、明らかな悪性所見はないが、まだ腫瘤が小さいため典型的な悪性像を示してない可能性もあり、今後も経過観察が必要とのことでした。
針生検については、私は胸がとても薄い(授乳、断乳を繰り返しているうちに超貧乳になってしまいました)ので、胸膜や肋骨を傷つけてしまう可能性もあるため、手技的にも難しい。
やるなら摘出手術をしたほうがいい。
ただ、たくさん腫瘤があるので、どこまで調べるのかが難しい。
現時点では、まだ腫瘤も小さいので、3か月後に再度エコー検査を行い変化をみたいとのことでしたが、毎日とても不安です。
① 田澤先生のこれまでのQ&Aを読み、無駄な経過観察ではなく確定診断の重要性を感じました。
是非、針生検でも摘出でも構いませんので、田澤先生に診て頂くことは可能でしょうか。
江戸川病院でも、メディカルプラザ市川駅のどちらでも構いません。
また、その場合、どのくらい先の診察になるのでしょうか。
② エコーで血流シグナルを認めるということや、細胞診クラスⅢbの結果から乳がんの可能性が高いのでしょうか。
③ 腫瘤が多発しているので、他のしこりもクラスⅢb同等のものがあると考えて、複数個所の組織診をしたほうがいいのでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
このての医師には本当に困ったものですね。
「小さいから…」では何のための「早期発見」なのか?
「<右乳腺>乳腺実質部エコー不整(++)AB領域にφ5mm大の低エコーな腫瘤性病変」
「内部エコーはやや不均一で血流シグナルを認めます」
⇒これは気になる所見です。
「新たにできたしこりのうち右胸から1か所、細胞診をした」
⇒この「新たにできたしこり」とは、(上記)AB領域の5mmのしこりのことですか?
「クラスⅢbでDCISを否定できませんとのコメント」
⇒これは「絶対に組織診すべき所見」と言えます。
「その後、しこりが沢山あるからとのことで造影MRIを撮影」
⇒MRIは全く無意味
「針生検については、私は胸がとても薄い(授乳、断乳を繰り返しているうちに超貧乳になってしまいました)ので、胸膜や肋骨を傷つけてしまう可能性もあるため、手技的にも難しい。」
⇒困ったものです。
自分の「未熟な手技」のために、患者さんの運命を変える(かもしれない)ことについて罪悪感は無いのか?
「① 田澤先生のこれまでのQ&Aを読み、無駄な経過観察ではなく確定診断の重要性」
⇒100%正しい判断です。
自分の身は(そんな「お粗末な」医師に任せることなく)自分で守るのです。
「是非、針生検でも摘出でも構いませんので、田澤先生に診て頂くことは可能でしょうか。」
⇒可能です。
どちら(MMTEまたはCELEROもしくは局麻手術)でも対応可能です。
「江戸川病院でも、メディカルプラザ市川駅のどちらでも構いません。また、その場合、どのくらい先の診察になるのでしょうか。」
⇒まともに予約すると4カ月位先になりますが…(これ自体、どうにかしなくてはならないとは思うのですが、現状一人でやっているので、どうにもなりません)
「緊急度を考慮」した「生検枠」もあるので秘書メールしてください。
「エコーで血流シグナルを認めるということや、細胞診クラスⅢbの結果から乳がんの可能性が高いのでしょうか。」
⇒可能性はあります。
私の私見では…
その「お粗末な医師の細胞診」だから(細胞が少なくて)「クラスⅢbどまり」となっている可能性は考えなくてはなりません。(つまり、本来のクラスはもっと高い可能性があるということです)
脅かしているつもりは全くありません。
あくまでも「5mm」だから、(慌てることなく)ただし、確実に診断して治療すれば(もしも癌であっても)「ほぼ根治」するレベルだとは思います。
★重要な事は(やみくもに急ぐことではなく)「確実性」なのです。
「③ 腫瘤が多発しているので、他のしこりもクラスⅢb同等のものがあると考えて、複数個所の組織診をしたほうがいいのでしょうか。」
⇒今回のメール内容(技師のレポート?)からは、右ABのみが怪しいように思いますが…
私自身がエコーして(必要があれば)複数生検します。
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