［管理番号:5463］
性別:女性
年齢:39歳
先生こんにちわ。
シコリが気になり受診したはところ、非浸潤癌01コメドタイプの診断を受け、範囲が広い事もあり全摘出で手術を予定しています。
主治医の先生はコメドタイプなのが気になります、術後の治療を考えていきましょう、との事なのですが(まだ病理結果が出てないのでホルモン治療なのか、化学療法なのかは不明です)非浸潤で全摘なのに？と疑問が生じます。
それによりメリット、デメリットがあればお伺いしたいのです。
そしてコメドタイプは予後が悪い、ともよく目にするのですが全摘しても残ってしまうのでしょうか、、、
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
完全な誤解をされています。
非浸潤癌で全摘すれば根治となります。
その「全く無駄な心配の元凶」が主治医のコメントによるものだとしたら、その（ク
ダラナイ発言の）責任は重大と言えます。
「主治医の先生はコメドタイプなのが気になります、術後の治療を考えていきましょう、との事」
⇒完璧な「誤り」です。
非浸潤癌で全摘は根治です。
主治医が何と言おうと、絶対に追加治療はしてはいけません（非浸潤癌で抗癌剤をすることは１００％完全な適応外です）
正解は…
『コメドタイプは「浸潤し易い」ので、（術前診断が非浸潤癌でも）「手術してみたら浸潤している部分が存在している」可能性がある』というだけの話です。
手術標本でも「全てが非浸潤癌」であったなら、勿論無治療です。
♯もしも手術標本で「5mm以上の浸潤癌」があれば、「その浸潤部分のサブタイプに応じた治療を行う」いたってシンプルな話なのです。
「コメドタイプは予後が悪い、ともよく目にする」
⇒１００％間違った情報です。
「非浸潤癌に予後など存在しない」のです。
あくまでも「浸潤し易いので、（術前診断で非浸潤癌であっても）手術標本で浸潤部分が見つかる可能性が（低異型度の非浸潤癌よりも）高い」ただ、それだけです。
（物事はシンプルに考えましょう）
「全摘しても残ってしまうのでしょうか」
⇒完全な勘違いです。
非浸潤癌は「全摘すれば根治」なのです。
質問者様から 【質問２】
術後の治療について
性別:女性
年齢:39歳
No 5463 非浸潤癌コメドタイプの全摘後の治療について前回質問させていただきました。
田澤先生、こんにちわ。
術後の病理結果が出ました。
組織型 乳頭腺管癌
WHO invasive carinoma of no
special typ
大きさ 肉眼的50×45×18㎜ 顕微鏡的 浸潤部2×3㎜ in situを含めると
57×45×18
病巣の組織学的波及度 f
核異型度 3(Na3 Mitosis2)
水平断端 胸壁側断端 体表側断端は陰性。
その他 微小な浸潤巣が２ヶ所、乳管内病変にはコメド壊死も見られます。
サブタイプはルミナルB Her2陽性です。
いくつか質問させて下さい。
①この結果でも先生なら無治療を進めますか？
②浸潤しているのがコメドで悪性度の高いものは低いものより再発率は高いのでしょうか。
③ホルモン治療のゾラテックスは35才未満の方のみ有効なのでしょうか？
④ハーセプチン+タキソールはやり過ぎですか？再発のリスクは下がりますか？
浸潤しているのがコメドでHer 2陽性の悪性度の高いものなので心配しています。
ハーセプチンが有効なので使った方が良いのか悩んでいます。
田澤先生から 【回答２】
こんにちは。田澤です。
質問者が（無意味な）担当医による「脅し」を受けているとしたら残念なことですが、私の回答には「１ｍｍ」も影響しません。
○非浸潤癌であれば、根治だったのですが「浸潤径が５ｍｍ未満（２ｘ３ｍｍ）」だったので、（前回の回答どおり）「無治療」です。
「①この結果でも先生なら無治療を進めますか？ 」
⇒勿論！（上記コメントどおり）
「②浸潤しているのがコメドで悪性度の高いものは低いものより再発率は高いのでしょうか。」
⇒勿論、無関係です。
浸潤径３ｍｍで再発を考える必要はありません（限り無くゼロです）
「③ホルモン治療のゾラテックスは35才未満の方のみ有効なのでしょうか？」
⇒そもそもホルモン療法は不要です。
「④ハーセプチン+タキソールはやり過ぎですか？」
⇒やり過ぎというか…
そもそも「浸潤径５ｍｍ以下」は（抗ＨＥＲ２療法の）「適応外」です。
「再発のリスクは下がりますか？」
⇒そもそも（無治療で）「再発リスクはゼロに近い」ので、（もし行ったとしても）
「殆ど無意味」でしょう。
「浸潤しているのがコメドでHer 2陽性の悪性度の高いものなので心配」
⇒全く無意味な心配です。（これ以上、これについてはコメントしません）
「ハーセプチンが有効なので使った方が良いのか悩んでいます。」
⇒適応外です
（以上）