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術後の治療方針について

[管理番号:5450]
性別:女性
年齢:38歳
田澤先生。
こんばんは。
術後の治療方針について田澤先生のご意見をうかがえたらと思っております。
よろしくお願い致します。
6月下旬 集団検診にてマンモ要精査。
(乳管の中に広範囲の石灰化)
最初の病院受診(エコーで7mmのしこり判明)
7月中旬 穿刺吸引細針で乳がん確定
転院
8月中旬に左乳房全摘手術(広範囲の石灰化があり温存不可)
9月上旬病理結果
・種類:乳頭腺管癌
・浸潤径:7mm
・切除断端:-
・進行度:T1・N0・M0
・ステージ1
・核グレード1
・ER +80-90%
・PgR +30-40%
・Ki-67 25%
・HER2 2+
・リンパ管侵襲0
・血管侵襲0
・リンパ節転移 -
現在HER2FISH法検査中。
週末に検査結果が判明します。
①主治医からはHER2陰性・・・ホルモン療法のみ。
②HER2陽性・・・抗がん剤3週間に1回×4
 +別の抗がん剤3週間に1回×4
 +ハーセプチン+ホルモン療法5~10年
 とフルコースと言われております。
(種類は聞いていません)
抗がん剤はできれば避けたいという思いから迷いがでていますが、
①で、HER2 0や1+ではなく2+陰性でKi67が25%でホルモン療法だけで大丈夫なのか?
(何%が低値、何%高値?私は25%はどちら?と不安。)とも思っています。
②で、HER2が陽性でも、ステージ1、浸潤径7mm、センチネルリ
ンパ転移なし、でフルコース??? 
と決断もつかず毎日気分が上がったり下がったりです。
・①か②の治療方針このままシンプルにHER2の結果次第で考えて治療してよろしいのでしょうか?
・PgR +30-40%は低値になるのでしょうか?
(オンコタイプDXについて最近知り、抗がん剤開始は術後2カ月以内で開始と主治医から言われているため今からだと間に合いません。)
大変お忙しいとは思いますが田澤先生ご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
HER2のFISH結果が鍵となります。
ただ7mmという大きさは化学療法は(必須ではなく)「考慮する」という範疇に入ります。
○HER2陰性ならホルモン療法単独でいいと思います。
 Ki67=25%はグレーゾーンとはいえ(実際にはルミナールAの事が多いし)
「浸潤径が7mm」のため
○HER2陽性なら抗HER2療法を「考慮」します。(必須ではありません)
 (する場合には)
  「非アンスラサイクリン」レジメンでしょう。
  1.weeklyPTX+HER
  2.TC+HER
  3.TCH
「①で、HER2 0や1+ではなく2+陰性でKi67が25%でホルモン療法だけで大丈夫なのか?」
⇒(FISH陰性ならば)HER2 2+は無意味なこと
 Ki67=25%は確かにグレーゾーンですが… ルミナールAの可能性の方が高い
「HER2が陽性でも、ステージ1、浸潤径7mm、センチネルリンパ転移なし、でフルコース??? 」
⇒やり過ぎだと思います。
 現在、HER2陽性の早期乳癌での「非アンスラサイクリンレジメンの有効性」が
証明されているので上記「非アンスラサイクリンレジメン」でいいと思います。
「①か②の治療方針このままシンプルにHER2の結果次第で考えて治療してよろしいのでしょうか?」
⇒上記通りです。
「・PgR +30-40%は低値になるのでしょうか?」
⇒なりません。
「抗がん剤開始は術後2カ月以内」
⇒「開始時期」に拘る必要はありません。