[管理番号:5386]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生
よろしくお願いいたします。
手術日:2017年7月(中旬)日(右側)
手術:乳房切除 腋か郭清
組織型:浸潤がん 硬がん
しこり:1.3cm
腋かリンパ節転移 2/20個
腫瘍周囲の脈管浸潤 ない
グレード:2
増殖能(Ki67 13%)
ホルモン感受性 ER88% Pgr95%
HER-2 陰性 (1+)
病理の結果を受けて、病院での術後の推奨治療は、内分泌療法 内服10年でした。
・毎年検診を受けており、今回の源発であるしこりは2年ほど前からありましたが、良性(乳腺線維腺種)とされていました。
(直近では、2016年9月 針生検も実施していました。)
2017年5月末に経過観察で受診し、その後、悪性と診断されました。
(ステージⅠ)
この時の治療方針は、乳房部分切除 放射線治療 内分泌療法でしたが、術前のMRI検査で、同右側の乳房内に乳頭付近にかけて点状の広がりと他のしこり(1個)があり、それぞれ生検を実施。
共に陰性でしたが、偽陰性などのことも考え、乳房切除を決断しました。
(術後の病理結果では、乳頭近くへの広がりはがん付随のもの、もう1つのしこりは、線維腫とのことで、部分切除でも良かったとのことでした。)
・センチネル生検で、2個のうち1個に転移があり、腋か郭清術を実施したとありました。
(ステージは、ⅡAでよいでしょうか?)
このような流れの中で、私の中で、自分のがんが広がりやすい(転移しやすい)がんである、との印象が転移・再発への不安につながっています。
(針生検良性から8ヶ月で悪性と診断、乳頭への広がり、リンパ節への転移あり・・から)
リンパ節転移が2個である場合、放射線治療は必須ではありませんが、上記の不安から、放射線治療はしようかと考えています。
私の場合に対する、放射線治療の必要性(メリット・デメリット)、効果(上乗せ)をどうお考えになられますでしょうか?
乳房切除、リンパ節の郭清をしたので、再発・転移の可能性は低いと考えてよいのでしょうか?
*2年越で良性と思われていたしこりが、癌となった場合でも、早期と判断してよいのでしょうか?
さらには、ひろがりやすい(転移しやすい)との憶測から、すでに血管などに入って全身のどこかに(遠隔転移)・・と考えると、抗がん剤(化学療法)も考えたほうがよいのではと思ってしまいましたが、先生のご判断はいかがでしょうか?(主治医は、抗がん剤はおすすめしないが、実施する施設もあるかもしれない・・とのことでした。)
私の癌の性格から、抗がん剤での効果(上乗せ)はどのくらいでしょうか?
手術から時間も経ち、焦ってきていますが、自分の不安・憶測から過剰な治療に突き進んでしまうことは避けたく、
できるだけ根拠のある判断をしていきたいと思っていますので、先生どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
2年間も良性(線維腺腫)とされてきた腫瘍が、実は癌だったというのは…
しかも1年前に「針生検で良性」というのは、「診断精度」は治療以上に差があることに注意が必要だと言う事です。(とても残念に思います)
「(ステージは、ⅡAでよいでしょうか?」
⇒その通りです。
pT1c, pN1, pStageⅡAとなります。
「このような流れの中で、私の中で、自分のがんが広がりやすい」
⇒大変な勘違いです。
「針生検良性から8ヶ月で悪性と診断」というのは…
明らかに、診断手技の問題「針生検で外した(上手く採れなかった)」であり、腫瘍の問題ではありません。
「私の場合に対する、放射線治療の必要性(メリット・デメリット)、効果(上乗せ)をどうお考えになられますでしょうか?」
⇒殆ど期待できないと思います。 推奨度B
「乳房切除、リンパ節の郭清をしたので、再発・転移の可能性は低いと考えてよいのでしょうか?」
⇒再発は「局所再発」と「遠隔転移再発」に明確に分けてください。
質問者のケースでは勿論「局所再発の確率は殆どない」筈です。
「*2年越で良性と思われていたしこりが、癌となった場合でも、早期と判断してよいのでしょうか?」
⇒ステージとは無関係です。
幸い、大人しいから(変化に乏しいから)「(良性として)経過観察されていた」ということになります。
「さらには、ひろがりやすい(転移しやすい)との憶測」
⇒意味不明です。
何故、そんな憶測が産まれるのか?
意味不明です。
「抗がん剤(化学療法)も考えたほうがよいのではと思ってしまいましたが、先生のご判断はいかがでしょうか?」
⇒全く無意味です。
luminalAでは化学療法による上乗せは期待できません。
どうしても確認したければ「OncotypeDX」しましょう。
質問者様から 【質問2】
術後の治療について(放射線治療)
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生
先日は回答を下さり、ありがとうございます。
「自分の癌が広がりやすい」との考えを、「勘違いだ」とおっしゃっていただけたこと・・心から嬉しく思いました。
根拠なく自己判断していたことが分かり、主治医ともきちんと対話する必要があったと思いました。
いよいよ診察を控え、自分で術後治療の判断をしなくてはなりません。
化学療法については、しないと決めました。
放射線治療について・・
前回の先生の回答の中で
(私の場合)「局所再発の確立は殆どない筈です。」といただきましたが、これは、
放射線治療・化学療法なしの場合でも同じと理解してよろしいでしょうか?
放射線治療の「推奨度はB」とありました。
放射線治療するかどうか、しっかりと考慮してもよい中で、私の場合、
先生のご判断では(放射線治療の効果は)「殆ど期待できない」、つまり、やらなくてもよいということと理解しましたが、いかがでしょうか?
言葉のとり方で・・、同じような質問になっていましたら申し訳ありませんが、どうぞ回答をよろしくお願いいたします。
術後の治療を選択した時には、その治療をきちんとしていきたいと思っています。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「根拠なく自己判断していたことが分かり、主治医ともきちんと対話する必要があった」
⇒私が推測するに…
担当医は(良性と判断していて)「結果として診断まで2年もかかった」という事実を(質問者に)納得させるために、(この数カ月で)「急に悪性に変わった」という印象を与えようとしたのでしょう。
「放射線治療・化学療法なしの場合でも同じと理解してよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
「やらなくてもよいということと理解しましたが、いかがでしょうか?」
⇒その通りです。