[管理番号:4646]
性別:女性
年齢:47歳
はじめて質問させていただきます。
3月に右の乳房温存手術を受け本日病理結果がでました。
腫瘍径 1.2×0.9×0.6
乳頭腺管癌
病気分類 T1 N0 M0 stage1
リンパ節転移 0個/3個摘出(センチネルリンパ節生検)
ホルモン受容体 エストロゲン陽性 プロゲステロン陽性
脈管侵襲 陰性 核異型度 1 HER2 1+
ki-67 24%
ルミナールBと診断され
ノルバデックス(内服)5年間
TC療法 4サイクル
をすすめられました。
やはり化学療法をする必要があるでしょうか?
ホルモン単独と化学療法をした場合の再発率、生存率を教えて下さい。
宜しくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「ルミナールBと診断」
⇒ここが問題です。
グレーゾーンであり、(私の経験上)実際は「ルミナールAである可能性が高そう」です。
『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』を是非ご参照ください。
「やはり化学療法をする必要があるでしょうか?」
⇒本当に、白黒つけたいなら…
OncotypeDXをしてみましょう。
「ホルモン単独と化学療法をした場合の再発率、生存率を教えて下さい。」
⇒統計的な(つまり、ルミナールAとBが混じった)数値は(この場合)無意味です。
(統計的には) 再発率 10年生存率
ホルモン療法単独 10% 94%
ホルモン療法+化学療法 6% 95%
○上記は「ルミナールAとBが混じった」数字なのです。
考え方としては
ルミナールAならば「ホルモン療法単独で再発率6%となり、(化学療法では上乗せ無)」となり、ルミナールBならば「ホルモン療法単独では16%となり、(化学療法で上乗せ10%となり)ホルモン療法+化学療法で再発率6%」となる
要は、ルミナールAなら「化学療法は無効」 ルミナールBなら(化学療法による上乗せが大きく)「化学療法をすれば、結局(再発率は)ルミナールAと同等となる」ということです。