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術後の結果について

[管理番号:4629]
性別:女性
年齢:39歳
いつもこのQ&Aをみて、頑張ろうという気持ちになります。
私は1月に自分でしこりに気づき、病院で針生検の結果、乳がんと診断されました。
その際の病理結果は以下の通りです。
invasive ductal carcinlma, scirrhours carcinoma.
ER(+)(>90%), PgR(+)(90%), HER2 score1, k67 (10-20%) nuclear grade 1
腫瘍の大きさは1.8 cm 温存術で術後はホルモン治療と放射線の予定でした。
3月半ばに手術をし、昨日術後の病理結果を聞きにいきました。
すると、結果腫瘍は小さいものが幾つかあり、手術時取ったが、まだ残っている為、
追加手術をするとの事。
来週日帰り手術となってしまいました。
私のように小さい癌ものがいくつも出来ているのは珍しいのでしょうか。
悪性度が高いものでしょうか。
その他病理結果は以下の通りなのですが、
invasive ductal carcinlma, scirrhours carcinoma.
浸潤径3.5×1.5×0.9cm, (一番大きなものは1.8cmで他のを含めた拡がりではこの大きさとのこと。)
波及度f, ly(-), v(-),
ER(+)(>90%), PgR(+)(>90%), HER2 score2, k67 (30-40%) nuclear grade 1,
pN0(i-),(0/1)
リンパ節SLN0/1
切除断端 陽性
抹消側断端に癌の浸潤巣が約4mm.3mmの範囲で露出しています。
皮膚側断端に癌の浸潤巣が約8mmの範囲で露出しています。
ホルモン剤がきくタイプですがk67の値が30%なので抗がん剤をするとの事。
ショックです。
出来ればしたくありません。
ですがやはりこの結果では抗がん剤治療を受けるべきなのでしょうか。
オンコタイプDXも提案されましたが、迷っています。
先生のご意見を聞かせていただきたく、宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「私のように小さい癌ものがいくつも出来ているのは珍しいのでしょうか。」
⇒珍しくはありません。
 多発浸潤といって、「非浸潤癌として拡がった範囲」で複数の浸潤巣があるのでしょう。
「悪性度が高いものでしょうか。」
⇒無関係です。
 Nuclear grade 1とあるので「低い方」と言えます。
「ホルモン剤がきくタイプですがk67の値が30%なので抗がん剤をするとの事。」
「この結果では抗がん剤治療を受けるべきなのでしょうか」

⇒Ki67だけでの判断となると…
 (Ki67=30-40%であればルミナールAである証拠がないため)「化学療法の方針とせざるを得ない」とは思います。
「オンコタイプDXも提案されましたが、迷っています。」
⇒もしも(化学療法が本当に有効なのか)知りたいのであれば「OncotypeDXすべき」でしょう。
 『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』をご参照ください。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。
以前、管理番号 4629 [術後の結果について]
質問したものです。
追加で教えてください。
私の病理結果の場合、1.放射線+ホルモン剤 2.化学療法追加
では、どのくらい再発率に差が出るのでしょうか。
また、先生ならどのような治療を行いますか?
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
まず、このQandAでも再三コメントしていますが、「局所療法」と「全身療法」に明確に分けてください。
 そして、それと同時に再発も「局所再発」と「全身(遠隔)再発」に分けて考えないと「全てがゴチャゴチャとなり」全くシンプルではありません。
○放射線は、あくまでも「局所療法」であり、「局所再発」に拘わる因子です。局所再発(この場合には温存乳房内再発)のリスクを1/3にします。
「1.放射線+ホルモン剤 2.化学療法追加では、どのくらい再発率に差が出るのでしょうか。」
⇒上記コメントでご理解いただけましたか?
 質問者のいう「再発率」とは「局所再発」と「全身(遠隔)再発」のどちらを言っているのか不明です。
 ○放射線はあくまでも「局所再発」のリスクを下げるために行うものであり、「全身(遠隔)再発」の為に行う「ホルモン療法や化学療法」とは明確に分けて考えましょう。
 ホルモン療法単独と「化学療法による上乗せ」を正確に知るためには「OncotypeDXが必要」です。(NewAdjuvant.comではルミナールAとBが混ざってしまうのです)
「また、先生ならどのような治療を行いますか?」
⇒温存手術ならば「放射線照射は必須」です。(局所療法)
 全身療法としては前回の回答そのままです。
 (以下、抜粋)
 (Ki67=30-40%であればルミナールAである証拠がないため)「化学療法の方針とせざるを得ない」とは思います。
 もしも(化学療法が本当に有効なのか)知りたいのであれば「OncotypeDXすべき」でしょう。
 『今週のコラム53回目 Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。』をご参照ください。