Site Overlay

術後の補助療法について

[管理番号:4618]
性別:女性
年齢:47歳
いつも拝見させていただいてます。
質問させてください。
3月初めに乳頭乳輪温存で手術を受けました。
病理の結果がでて、治療法で悩んでいます。
grade2(3+2+1)17×8×25ER3(90%)PgR(
60%)HER2score1MIB-5-
10%Ecaddherinは細胞膜表面に陽性
センチネルリンパ転移(1/1)
主病巣他に浸潤巣が散見される。
浸潤巣同士の間に明らかな乳管内病変はなく乳腺内蔵のリンパ行性転移と考える。
とのことでした。
主治医はTC療法、ホルモン剤、放射線で考えています。
やはり抗がん剤はすべきでしょうか。
上乗せがあればどんな治療受けるつもりです。
私のような場合再発、転移する確率は高いのでしょうか。
リンパ行性転移は再発率に影響するのか、主治医はそのための抗がん剤と言っています。
ぜひ先生のご意見を聞きたいです。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「やはり抗がん剤はすべきでしょうか。」
⇒MIB1(Ki67) 5-10%は「明らかなルミナールA]です。
 全く抗癌剤による上乗せはありません。
「私のような場合再発、転移する確率は高いのでしょうか。」
⇒高くありません。
「リンパ行性転移は再発率に影響するのか、主治医はそのための抗がん剤と言っています。」
⇒全く「誤った考え方」です。
 ○物事は整理してシンプルに考えましょう。
 私が気になったのは「センチネルリンパ節転移(1/1)という記載だけで「腋窩郭清の記載が無い」ことです。
 ♯術前に「センチネルリンパ節転移を認めた際に腋窩郭清をどうするか?」取りきめが有った筈です。
 ここで重要なのは、
 もしも「腋窩を郭清していない分を(術後の)抗癌剤治療でごまかす(言葉は悪いですが)という考え」だとしたら、それは誤りだと言う事です。
 「全身療法」と「局所療法」は明確に分けて考えなくてはならないのです。
 「全身療法」は純粋に「サブタイプに応じて」効くものを行う(質問者の場合は「ホルモン療法」です)
 そして「局所療法」は(もしも腋窩郭清していないことが気になるのであれば)
「それを全身療法で誤魔化すことなく」局所療法(放射線もしくは追加郭清手術)で解決すべきだということです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。
前回の質問の時は大きな決断に迫られ、取り急ぎメールした次第でした。
それにも関わらずお答えいただき有り難うございました。
また質問させてください。
結局セカンドオピニオンを受けたり、主治医以外の医師に相談しても
①センチネルに転移があるなら厳密に調べるとルミナールBの可能性もあるから
②乳腺内のリンパ行性転移があるから
③中等度のリンパ管浸襲があるから
④周囲脂肪織への腫瘍の浸潤が認められるから
と抗がん剤を勧められ覚悟を決めてTC療法をうけました。
ところが2回目の一週間後全身に酷い湿疹が出てしまい医師に中止するよう言われました。
未だに赤みも痒みも治りません。
次はAC療法か点滴の抗がん剤が嫌なら標準外ですがホルモン剤とUFTを経口かの選択になりました。
私の場合ACの上乗せはありますか?
この2つの選択肢なら副作用も踏まえてどちらが私のようなタイプの転移再発を防げますか?
ステージ2Bからは転移再発する方や抗がん剤を受けられている方が多いように思います。
一般的なものではなく、田澤先生のたくさんのご経験から2Bでホルモン剤のみの方の再発、転移する方はどのくらいいらっしゃいますか?
2回の抗がん剤で残ったのは副作用だけでした。
でも少しでも上乗せがあるなら子供のためにまた頑張りたいと思います。
どの医師も再発したら後悔するからやれることはやった方がいいと仰います。
色々あり手術した3月(上旬)日よりだいぶ日数が経ってしまいました。
このことも悪い方向にいかないか心配もあります。
放射線は経口を選択するなら来週から始まる予定です。
ちなみにセンチネルに転移がある場合はどこに照射するのが最適でしょうか?
エキスパンダーが入っており抜いた方がよいでしょうか?
お忙しいところ長々と申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「主治医以外の医師に相談しても抗がん剤を勧められ」
⇒???
 前回、私は「ルミナールAだから化学療法による上乗せはない」と回答したと思いますが??
 ここでいう「どの医師に相談しても」の中に「私は入っていない」わけですよね?
 それであれば、(私の回答に従ってくれなくては困るというわけではありませんが)「再度、私に聞いても、(最初の方針が異なる以上)意味がないのでは??」
 ○質問者が信じた(化学療法を勧めた)「他の全ての医師」に,聞くべきではありませんか?
 ★(質問者が信じた)それらの医師達の治療方針と「正反対」となるので、「私が回答しても、却って質問者を混乱させるだけ」の様な気がして申し訳ない気がするのですが…
「私の場合ACの上乗せはありますか?」
⇒前回の私の回答を「コピペ」します。
 ⇒MIB1(Ki67) 5-10%は「明らかなルミナールA]です。
 全く抗癌剤による上乗せはありません。(この抗癌剤の中に、当然ACも入ります)
「この2つの選択肢なら副作用も踏まえてどちらが私のようなタイプの転移再発を防げますか?」
⇒抗癌剤は、(何であれ)そもそも勧めていませんが??(前回の私の回答をもう一度読んでみてください。)
 そう言う質問は「抗癌剤を勧めている医師に聞くべき」でしょう。
 
「ステージ2Bからは転移再発する方や抗がん剤を受けられている方が多いように思います。」
⇒ステージと治療法は「全く無関係」です。
 治療法は「サブタイプとのみ関連する」のです。
 私の、その考え方ではなく、『私から見れば??という理由で化学療法を勧められている』のだから、私が回答しても(却って)質問者が混乱するだけのような気がします。
「一般的なものではなく、田澤先生のたくさんのご経験から2Bでホルモン剤のみの方の再発、転移する方はどのくらいいらっしゃいますか?」
⇒何か勘違いしていますね??
 「ステージ2Bでもサブタイプによって治療は変わる」のです。
  ステージ2Bは皆同じ治療だと思っていますか??
 「ステージ2B」でも「ルミナールAならホルモン療法だけで」10%
           「ルミナールBならホルモン療法と化学療法で」10%
           「トリプルネガティブなら化学療法だけで」10%
  つまり「サブタイプに応じた治療をした上で」同じステージは同じ予後となるのです。
「どの医師も再発したら後悔するからやれることはやった方がいいと仰います。」
⇒「どの医師」の中に私は入っていないことは了解していますね??
 「サブタイプに応じた治療」ただそれだけです。
「ちなみにセンチネルに転移がある場合はどこに照射するのが最適でしょうか?」
⇒センチネルリンパ節に転移がある場合には(通常)腋窩郭清します。
 腋窩リンパ節転移が4個以上あったら、「胸壁+鎖骨上」に照射します。
 ○腋窩には照射しません。(郭清+照射では浮腫のリスクとなるため)