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至急、お願いします。

[管理番号:4557]
性別:女性
年齢:54歳
田澤先生、初めまして。
どうしたら良いのかわからないので、思い切って質問させていただきます。
3月(中旬)日 近くのクリニックでマンモグラフィー、紹介状を貰う
3月(下旬)日 総合病院にてエコー、針生検
3月(下旬)日 造影CT
3月(下旬)日 PET検査
3月(下旬)日 乳がんと診断、骨転移多数(今は無症状)、下まぶたにしこり有り
3月(下旬)日 下まぶたのしこりを検査するため眼科受診及び頭部MRI検査(下まぶたのしこりが転移か否か→当院ではできず時間がかかるので生検はせず転移と仮定して治療しましょう、と言われる)(下まぶたのしこりは、一ヶ月くらいならそのままでも大丈夫だそうです、とも言われました)
手術なし、抗がん剤他薬で治療していく、とのこと
病名:右乳癌、右腋窩リンパ節転移、骨転移(胸骨、左助骨、頚椎、胸椎、腰椎、左腸骨)左腹壁
また、左下瞼の皮膚の内側にしこり有り(骨転移ではなく軟部組織にあるけれど、おそらくは乳がんからの転移だろうと言われました。いま現在、視神経障害は認めず、外側の複視有り。
眼球圧迫による、眼圧の上昇により、視力障害が起こりえますので、抗がん剤の治療をできるだけ
早く行うことをお勧めします、とも言われました。)
HER2が2+であり、現在DISHを追加で行なっています。
4/(上旬)ごろには治療を開始するとのこと(4/(上旬)には陽性か陰性かが分かる、とのこと)
陽性の場合:薬→ハーセプチン、パージェダ、ドセタキセル、結果の翌日(4/(上旬))から四泊五日の入院、その後三週間に一度の外来
陰性の場合:薬→アバスチン、パクリタキセル、4/(中旬)より一週間に一度の外来と、いう感じだそうです。
また閉経についてですが生理はあったりなかったりで前々回が昨年の9月、前回は今年の2月でした。
以降はきていません。
明日、セカンドオピニオンを受ける予定です。
この説明で私の現状がご理解いただけますでしょうか?
何もかもあまりに矢継ぎ早でとても混乱しております。
田澤先生でもこの治療法、薬を選ばれますか?
私の場合だと手術はされませんか?
主人の転勤で現在○○に住んでおります。
この辺りの病院は全く分からず、よく分からないまま近いからという理由で今の病院に行きましたが、此処まで進行しているとは思わず、急な展開の連続で、本当にこのままこの病院で大丈夫なのかと不安に思っております。
田澤先生とはお会いしたこともありませんが、乳がんプラザのQ&Aを拝見し、その経験豊富さと前向きな御姿勢に惹かれました。
正直言って個人の希望ではすぐにでもそちらに転院したく、且つ、田澤先生による治療を受けたいと思っているのですが……。
お忙しいところ大変恐縮ですが、至急、田澤先生のご意見をいただけないでしょうか?
東京までは遠いのですが、手術が可能ならば田澤先生の手術を受けたいと思っています。
田澤先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「下まぶたが転移?」と疑問はありますが、状況は解りました。
重要なことは「何をゴールにするか?」です。
おそらく担当医は「抗癌剤しかない。手術はできない」としかビジョンを示せないのでしょう。
ただ、私が注目するのは「臓器転移(特に多発肝転移)がない」ことです。(肝転移があれば駄目というわけではありませんが)
それであれば、(将来的に)「病勢(この場合骨転移)をコントロール」してから「手術」ということが、第1のゴールでしょう。
其の上で「その状況をできるだけ長く維持する」というのが第2のゴールとなります。
まずやるべきことは抗癌剤です。(骨転移も1箇所くらいなら、「手術先行」してその後、骨転移の治療も兼ねて抗癌剤としてもいいですが、現状では「抗癌剤先行」とせざるをえません)
担当医の「化学療法の選択は完璧」です。
HER2陽性ならば、抗HER2療法(転移乳癌の第1選択は
trastuzumab+pertuzumab+docetaxelとなります)し、HER2陰性ならば
bevacizumab+paclitaxelが最も強力で期待できます。
イメージとしては(上記どちらの治療にしても)半年間抗癌剤を行えば、かなりの効果が期待できます。
その時点で「病勢がコントロールされている」として「手術」を選択するのが最善だと思います。
「田澤先生でもこの治療法、薬を選ばれますか?」
⇒上記通りです。
 最善だと思います。
「私の場合だと手術はされませんか?」
⇒上術の通り、
 「まずは抗癌剤」というのが私の考えです。
 ○ゴールを設定していきましょう。