[管理番号:4505]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生、はじめまして。
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乳がんの疑いが出て、色々サイトを見ていたら、このようなQ&Aのページを見つけて感動しております!
見つけたばかりなので他の方の質問と重複してたらすいません。
45才、未婚、出産歴なしです。
昨年末から生理の際におこる胸の張りに違和感を覚え、今年に入り「やはり張りと痛みがおさまらない…」と気になって自分で胸をさわってました。
何回か触ってると
「これがもしかしてしこりなのかな?」と思えるものが左胸のやや右寄りにありました。
触ると痛い。
前かがみになるとなんというか卵の黄身みたいなものが感じられます。
かなり大きい気がします。
何故気付かなかったんだろうと思うほどのものです。
先日診察を受けてきました。
触診。
触られて痛みを感じたのはしこりの部分と胸の横のリンパでした。
しこりは(ガンとは)違うような気もする、リンパは腫れがあるようだ、と。
痛みがあるのと以前検診でマンモグラフィーを受けた後しばらく腕の痛みで苦労したことを伝えると、エコーのみでの診察となりました。が、
エコーの結果から(エコーは先生ではありませんでした)とにかくマンモグラフィーをしてくださいとマンモグラフィーも受けてきました。
エコー映像は私の目には右と比べるとなんとなく黒い穴?固まりみたいなものが見えます。
先生いわく血流も多くガンの特徴が見られるとのこと。
マンモグラフィーの画像は何もない右胸と比べると良性の石灰化(と言われた)の奥に白いモヤモヤした固まりのようなものが見えるといいます。
私の目にはかなり広い範囲がうっすら白くモヤモヤ見えました。
(先生はしこりは2CMくらいだ、とおっしゃってましたが)
先生は「このモヤモヤした固まりが気になる」と。
診察の一週間前に生理がきてしばらくは痛みがピタリと止んだことを伝えたのですが、そこもひっかかると。
ガンと断定しにくいようでした。
「腑に落ちない。ただ、ここになんかあるのは確かなんだよね」と。
数年前に一度検診を受けた事についても「その時にこれが見えてないのはおかしいんだよなあ」とも言ってました。
そしてMRIをとってきて欲しいと言われました。
その結果次第で細胞の検査をする流れになるかもと。
そして今後の方向を決めようと。
あくまでも疑わしいだけだから、乳腺症の可能性も捨てきれないからと何度も繰り返されました。
MRIはマンモよりもさらに詳細な画像を写せるというイメージだったのですが、
こちらのQ&Aをいくつか読んでいたらエコーで疑いがでているのにMRIはここでは必要な検査ではないような気がしてきました。
①1月に痛みとしこりに気づいたときに乳腺科の病院をあたったときに
こんなに予約とれないとは思わなかったので、焦って何件かの病院に予約を入れてます。
実はMRIを受ける前日が別の病院の診察予約日です。
診断結果が出た後なら、セカンドオピニオンとして他でも診察受けれると思うのですが、途中となるとそちらでの診察は非常識でしょうか?
でももし今の病院が遠回りな診察をしているのであれば…他の先生からも意見聞いてみたいし、診察方法もどんなか気ににります。
医師の立場からすると、他で診察途中の患者がきたらどう思いますか?
②ガンと仮定するとかなり経過していると思います。
今ある痛み(左胸のしこりと胸の脇と鎖骨の一つ下の肋骨が強く痛みます)いわゆる末期、かなり進行している時にでてくる痛みではないかと思えてしかたありません。
もしそうだとしたら痛みはこの先さらに増してくるのでしょうか?
③あと、ここ2年近く基礎体温が下がっています。
体温が下がりすぎて
具合悪いことが何回かあったので、一度病院にいきましたが、更年期の入り口、ホルモンのバランスではないか?と言われ納得してました。
ガンにより基礎体温が下がっていたのでしょうか?
なかなか頭が整理できず、ダラダラとちぐはぐな質問ばかりですみません。
痛みによる倦怠感が出てきて不安です。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容から、状況は殆ど解りました。
ポイントは2つ
1.ご本人が気にしている「しこりと胸の脇と鎖骨の一つ下の肋骨が強く痛みます」は全く無関係です。
(質問者は、このQandAにであって間もないようなので仕方がありませんが…)
このQandAを半分くらい読めば(それには、相当な覚悟がいるでしょう)
「女性ホルモンの刺激症状でしかありえない」ことが容易に解ると思います。
その担当医が「何を言っているのか?」私には全く興味がありませんが、「痛みと乳癌を関連付ける事自体、全くナンセンス」
事実は(質問者の年齢や、疼痛部位「腋窩~胸の脇、鎖骨の下」を考慮しても)
「1000%ホルモンの刺激症状」です。
質問者は「末期ではないか?」と記載されていますが、これも「1000%ありえない」ことを指摘しておきます。
もしも「遠隔転移しているような乳癌」があれば,その担当医にも「無駄なMRIを撮影」するまでもなく、(深刻な顔で)「これは癌です」と即刻解るのです。
♯乳癌は体表面の癌なので、(どんなヘボ医師でも)「進行癌を一目で見分けられないなど、全くありえない」その事は良く覚えておいてください。
2.質問者の所見は「腫瘤非形成性病変」である。
腫瘤非形成性病変は「乳腺症(による乳管拡張及び嚢胞形成の集簇)」もしくは「(比較的早期の)乳癌」の両方が考えられます。
(質問者が心配するような進行癌などは、全く論外ですが)「後者(比較的早期の乳癌)」の可能性は残ります。
♯トップページの『腫瘤非形成性病変』を参照ください。
「あくまでも疑わしいだけだから、乳腺症の可能性も捨てきれないからと何度も繰り返されました。」
⇒このコメントからも上記「2.腫瘤非形成性病変」だということが(実際に画像を見てはいませんが)推測できます。
「MRIをとってきて欲しい」「その結果次第で細胞の検査をする流れになるかも」
⇒誤った診療です。
MRI的免罪符を与えてしまうだけです。
「腫瘤非形成性病変」として捉えたところまではいい線言っていたのですが…
『今週のコラム 56回目 超音波で異常所見があるのに、MRIで異常がないから大丈夫。など、とんでもない診療です。』をご参照ください。
「途中となるとそちらでの診察は非常識でしょうか?」
「他で診察途中の患者がきたらどう思いますか?」
⇒別に構いません。
「②ガンと仮定するとかなり経過している」
⇒これは大きな誤りです。(冒頭の1をご参照ください)
「(左胸のしこりと胸の脇と鎖骨の一つ下の肋骨が強く痛みます)いわゆる末期、かなり進行している時にでてくる痛みではないかと思えて」
⇒もうお解りですね?
どう考えても「ホルモンの刺激症状」です。
「ガンにより基礎体温が下がっていたのでしょうか?」
⇒そんなことは1000%ありません。
もっと「素直」に考えましょう。
医師から言われたとおり「更年期の入り口、ホルモンのバランスではないか?」と言う事です。
★ 事実は
①(年齢的に)卵巣が不安定となり、「女性ホルモンによる刺激症状」が強くでている。
②(①とは全く無関係に)「腫瘤非形成性病変」がある。
まず①と②は完全に分けて考えて、「腫瘤非形成性病変」は(MRIなど無視して)「きちんとマンモトーム生検して確定診断をつけること」
これだけで解決します。
余計な心配をしないようにしましょう。
質問者様から 【質問2】
先日はお忙しい中、質問に答えていただきありがとうございました。
ブログも読ませていただき、日々少しずつ過去のQ&Aも読んでます。
い
ざ不安の中にいるとつい症状の難しい話しばかりに気をとられてしまう
もので、ドキドキしてきますが、先生の一つ一つハッキリと、でも丁寧
に言葉を選んだ回答になんとか安心をいただいてます。
先生のご意見を参考に、疑問を感じていた最初の病院はやめて別の病院
に検査を受けてきました。
事情を話してすぐにエコー(こちらの病院は先生がエコー診断してくれま
した) 。
一緒に 画像を見ながら一つ一つ説明してもらえ、しこりの大き
さも画面上で計測…。
エコーでの計測、約26㎜×36㎜の腫瘍を確認でき、所見からほぼガンの
可能性が高いので、マンモグラフィーはやらず、すぐに針生検をしても
らいました(マンモトームではないですが)。
結果はやはり悪性。
G3のコメドタイプということでした。
腫瘍の大きさ
から、エコーでの段階で浸潤癌である可能性が高い(ステージ2くらい)と
話していたのですが検査結果は非浸潤でした。
もちろんとった場所がた
またま非浸潤で浸潤が起きてる可能性もあるけれど、あってもわずかだ
よ、と言われました。
今はがんセンターでの検査日を待っております。
G3ですし、次のステップまでに時間があると不安が増してしまいます。
①私は胸の脂肪が少ない、小さいので脂肪のある方より浸潤のスピード
が速いのではないか、心配です。
浸潤のスピード、がんの広がり方は胸
の大きさで変わりますか?
②何故だか痛みはずっと継続しております。
ここ2週間左腕に痺れるよ
うに痛みがあり、二の腕の内側、ひじ、小指の先まで。
神経に直接響く
ような痛みです。
例えば大きい腫瘍が神経を圧迫して痛みを引き起こす
こととかはありますか?
③nuclear atypia3ということで画像など調べて、疑問に思ったのです
が、癌の質というのは浸潤や時間の経過で変化が起こることはあるので
しょうか。
atypia3の画像を見てると不均一で定まりのない集合に見えた
もので…さらに変わっていくのかな?と気になってしまいました。
変化
があるとするとより悪質化するのでしょうか?
これからの検査で細かい内容、手術の日程などが決まるのかな?と想像
してますが、また質問をさせていただくかもしれません。
(時間が折り合
えば、ぜひ一度田澤先生のご意見を伺いにセカンドオピニオンをお願い
できたらと思っておりますが) 頼ってしまってすいません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「腫瘤非形成性病変」ではなく、「約26㎜×36㎜の腫瘍を確認でき、所見からほぼガンの可能性が高い」というものだったのですね?(意外です)
前医で「あくまでも疑わしいだけだから、乳腺症の可能性も捨てきれないからと何度も繰り返されました。」と言われたのは何故でしょう?(まともに画像診断ができないと言わざるをえません、転医してよかったですね)
「G3ですし、次のステップまでに時間があると不安が増してしまいます。」
⇒気持ちはわかりますが…
あくまでも(針生検の診断とは言え)「非浸潤癌」なのです。担当医がいうように「浸潤が起きてる可能性もあるけれど、あってもわずかだよ、と言われました」というコメントを信用してあげましょう。
「①私は胸の脂肪が少ない、小さいので脂肪のある方より浸潤のスピードが速いのではないか、心配」
⇒考え過ぎです。
「浸潤のスピード、がんの広がり方は胸の大きさで変わりますか?」
⇒無関係です。
「②何故だか痛みはずっと継続しております。ここ2週間左腕に痺れるように痛みがあり、二の腕の内側、ひじ、小指の先まで。神経に直接響くような痛みです。」
⇒前回の私の回答を読んでますか??
10000%「女性ホルモンの刺激症状」です。
これ以上、同じ様なことを言うようなら「次は100万パーセントとコメントしますよ」(冗談です)
「例えば大きい腫瘍が神経を圧迫して痛みを引き起こすこととかはありますか?」
⇒考え過ぎです。
質問者は上記①といい、「非常に想像力豊か」なようですが、その「豊かな想像力」は「良い方に使いましょう」
おそらく、「その悪い方に考える、豊かな想像力」が「ストレスとして卵巣に影響」し「不安定なホルモン分泌による刺激症状」となっていると思います。
「癌の質というのは浸潤や時間の経過で変化が起こることはあるのでしょうか。」
⇒これも「考え過ぎ」です。
非浸潤癌なのだから、「グレードなど気にせずに」冷静になりましょう。
○結果として(前医で)「癌とは断定できない程度の所見=(腫瘤非形成性病変ではなかったとしても)非浸潤癌の所見」だったわけです。
「変な想像力」を駆使することなく、素直に考えましょう。
「田澤先生のご意見を伺いにセカンドオピニオンをお願いできたらと思っております」
⇒このQandAで十分ではないかと想像しています。
★現在、外来予約が混雑しており、セカンドオピニオンの予約が取り難くなっています。
それで、外来看護師からも「セカンドオピニオン」なら受診ではなく、「QandAで行う」ことを勧められています。
もちろん「画像診断など、QandAでは不可能な内容」の場合には(QandAではなく)本物のセカンドオピニオン(外来受診)でもいいですよ。