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ステージ4

[管理番号:4065]
性別:女性
年齢:40歳
田沢先生
いつもご丁寧なご回答、拝見しております。
教えてください。
私は初診で転移あり(骨、肺に小さいものが数個)あり、リンパ転移もあり。
初発でステージⅣの乳がんを診断されました。
1年間、ホルモン治療を続けてきました。
ゾラデックス注射+タモキシフェンを10か月やり、原発の増大がみられフェマーラ内服に切り替えました。
私の希望が強かったので、先月、原発切除の手術に至りました。
乳房全摘、リンパ郭清術です。
術後の経過は良好です。
術後の病理の結果、
浸潤ガン、乳頭腺官癌
原発5センチ未満
リンパは15分の3
グレード2
Ki-67 20%
ホルモン受 容体
ER 90% PgR 1%未満
HER2 陰性
治療効果 グレード0 細胞上効果なし
という結果でした。
細胞上、現在ホルモンの薬が効いていた様子が見られないということで今後の治療を検討中です。
私としては現在の生活を続けたいのでホルモン療法で行きたいのですが
年齢が40才であり、閉経はしていないとのことで、この先閉経後のホルモン剤の使用はできないと主治医に言われました。
ソラデックスでの人工的な閉経では認められないと。
それもあり、卵巣摘出の話も出てきています。
主治医はここでTS-1の経口抗がん剤を進めてきています。
副作用は少ないとお聞きしていますが、地味な副作用は多いですし、長期に飲むと色素沈着など も起きるといわれました。
今後の治療を決めかねている状態です。
質問したいことは
①40歳では閉経は認められず、閉経後のホルモン剤は使えないのか?(保険適応ではないですか)
他にホルモンで行ける手はないのか?
治療のためではあるが、健康な卵巣摘出してホルモン治療を続けるメリット、デメリットはあるか?
②TS-1を服用しながら、今まで通りの生活ができるか?(仕事もフルでしています)
UFTというTS-1より前の薬があるが、そちらを選択するのは無意味か?
③田沢先生が主治医だったとしたら、何を勧めますか?
お忙しいところ、ぶしつけな質問で申し訳ありませんが教えていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ゾラデックス注射+タモキシフェンを10か月やり、原発の増大がみられフェマーラ内服に切り替えました。」
⇒閉経前なのにフェマーラ(アロマターゼ阻害剤)を用いているのは誤りです。
 あくまでも「ホルモン療法に拘った」のはご本人のご希望でしょうか。
 本来なら、ここで化学療法とするべきでした。
「私としては現在の生活を続けたいのでホルモン療法で行きたいのですが」
⇒この一文をみると、ご本人の希望でホルモン療法に拘ったようですね。
「年齢が40才であり、閉経はしていないとのことで、この先閉経後のホルモン剤の使用はできないと主治医に言われました。」
⇒当然です。
「①40歳では閉経は認められず、閉経後のホルモン剤は使えないのか?(保険適応ではないですか)他にホルモンで行ける手はないのか?」
⇒ありません。
「治療のためではあるが、健康な卵巣摘出してホルモン治療を続けるメリット、デメリットはあるか?」
⇒そもそも「タモキシフェン+LH-RHagonist」で効果が無かったのだから、卵巣摘出にはメリットがありません。
「②TS-1を服用しながら、今まで通りの生活ができるか?(仕事もフルでしています)UFTというTS-1より前の薬があるが、そちらを選択するのは無意味か?」
「③田沢先生が主治医だったとしたら、何を勧めますか?」

⇒この時点で経口抗がん剤を』用いるよりも…
 きちんとした「効果の期待できる」抗がん剤を使用し、(あわよくば、完全完解を得たうえで)維持として「経口抗がん剤」へ切り替えます。
 私であれば bevacizumab + paclitaxel(3か月) ⇒ eriblin(3か月) ♯この時点で完全完解も十分にありえます ⇒その後 TS-1