[管理番号:3313]
性別:女性
年齢:48歳
田澤先生
いつも丁寧なご回答をいただきありがとうございます。
センチネル生検について相談させていただきます。
術後にセンチネル生検を受けることは可能でしょうか。
主治医に相談したのですが、今から行う意味がないと言われました。
2014年9月に非浸潤がんで右全摘出をし、ホルモン陰性、無治療でしたが、
翌年2015年12月に3ミリx5ミリのしこりが全摘側胸壁に見つかり、外来生検手術として摘出し、浸潤がん、HER2、ホルモン陽性と診断されました。
治療はFEC, 放射線が今月終わり、
現在はハーセプチンのみの点滴とノルバデックスの内服中です。
治療前の検査は、PET CT、エコーでリンパ節転移なしと診断されていますが、
センチネル生検をしていないことが不安で仕方ありません。
PET CT でもセンチネル生検と同じ正確さがありますか。
また、リンパ節転移があったとしても、今の治療を受けていれば、リンパ節切除の有無による生存率、再発率の差はないのでしょうか。
複数の質問で大変申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「全摘後の胸壁再発」ですね。
お気持ち、お察しします。
術後「1年」での胸壁再発からすると、間違いなく「手術時の取り残しの非浸潤癌が、1年かけて浸潤癌となり発見された」ということです。
「治療はFEC, 放射線が今月終わり、現在はハーセプチンのみの点滴とノルバデックスの内服中」
⇒これが正しい治療かどうか?
私であれば「純粋な局所再発(取り残し)」として局所療法として「放射線照射」は必須と考えますが、「抗HER2療法はしない」でしょう。
所謂「遠隔転移再発」ではないのです。(まさか担当医は遠隔転移再発と混同しているわけではないですよね? ただ単純に「HER2陽性の浸潤癌だから」というような発想なのでしょう)
○全身療法は基本的には不要です。
ただし、ご本人が強く希望すれば「ホルモン療法」はいいとは思いますが…
「治療前の検査は、PET CT、エコーでリンパ節転移なしと診断されています」
⇒あくまでも「純粋な」局所再発ということです。(遠隔転移再発とは無関係ということです)
「PET CT でもセンチネル生検と同じ正確さがありますか。」
⇒ありません。(だからセンチネルリンパ節生検が必要なのです)
ただし「乳房切除してしまっている」ので「(乳腺からの)リンパ管の流れがない」ので、「そもそもセンチネルリンパ節の同定ができない」わけです。
(センチネルリンパ節なのか解らない)「適当なリンパ節」を調べても「無意味」なことです。
「また、リンパ節転移があったとしても、今の治療を受けていれば、リンパ節切除の有無による生存率、再発率の差はないのでしょうか。」
⇒純粋な局所再発に「腋窩リンパ節郭清は不要」です。
当然「リンパ節切除をしても無意味」です。