[管理番号:3259]
性別:女性
年齢:38歳
はじめまして。
6月に針生検、MRI、CTの検査を受け、
非浸潤性乳管癌の診断で左乳房の全摘手術を受けました。
今後、再建予定です。
病理検査の結果について、ご相談させて下さい。
組織型 非浸潤性乳管癌
腫瘍の大きさ 浸潤部0 非浸潤部70mm
センチネルリンパ生検 0/5
核グレード2
Ki67 3%
pvi(2) 病理医のコメント付きで標本作成の際に付着したものではないかとの事。
pTis N0 M0 ステージ0
ホルモン受容体の発現 ER95%、PgR80%
HER2発現0
サブタイプ ルミナルA
以上の結果から、主治医からは年齢が若く子供がまだ小さい事や
非浸潤とはいえ病変が大きい事、核グレードが2だった事
病理医のコメント付きではあるがpvi(2)だったことを考えると、
ホルモン治療を絶対ではないが勧めると言われました。
(10年)
私としては、副作用の事を考えると迷ってしまいます。
今後、妊娠の予定はありません。
先生でしたら、このようなケースではホルモン治療を勧めますか?
お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
担当医は何を言っているのでしょうか?
とても信じられません。バランスを著しく逸脱しています。
「適応外の検査(非浸潤癌でKi67やHER2を測定すること)」ともども私が最も嫌う「誤りだらけの」診療です。
強く「非難されるべき」ものです。
「非浸潤癌で全摘」であれば「根治」となります。
決して「ホルモン療法」など行うべきではありません。
ホルモン療法にも副作用はあるのです。
浸潤癌であれば「再発リスクを低減する効果」が「副作用(のぼせなど)や子宮体癌の発生リスク」を大きく上回るから「ホルモン療法の適応」となるのです。
○非浸潤癌で「全摘」なのに「ホルモン療法を行うことで、子宮体癌となった」場合、一体「担当医は責任が持てるのか?」甚だ疑問です。
「非浸潤癌なのに、Ki67やHER2を測定している」様ですが、『完全な適応外』です。
とんでもない「誤った診療」です。(Ki67やHER2は浸潤癌にしか適応はありません)
「主治医からは年齢が若く子供がまだ小さい事や非浸潤とはいえ病変が大きい事、核グレードが2だった事病理医のコメント付きではあるがpvi(2)だったことを考えると、ホルモン治療を絶対ではないが勧めると言われました。」
⇒この主治医は「頭がおかしい」のではないですか?(言葉が悪くてすみません)
どう考えても「常識を逸脱」しています。 自分の「変な」感覚だけで「診療を捻じ曲げる」のは許されないことです。
「先生でしたら、このようなケースではホルモン治療を勧めますか?」
⇒今までの回答でお解りでしょう。
絶対に(万が一患者さんから要望されても)ホルモン療法などしません。