[管理番号:3037]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生
はじめまして、こんにちは。
乳がんと診断されてから、こちらコーナーを参考に読ませて頂いております。
とても参考になりますし、何度も気持ち的にも助けられました。
5月の初旬に乳房温存の手術を受け、病理の結果がでまして今後の治療に悩んでおり、質問させて頂きたいと思いました。
よろしくお願いいたします。
(病理所見)
浸潤性乳管がん
pT1a 4.9×3.5mm
g(+)
f(-)
ER 90%
PgR 30%
HER2 score1
Nuclear grade 1
ly(-)
v(-)
pN0(0/1)
MIB-1 8%
断端について…
・○○で上内側にて0.3mmの所にDCIS成分が見られきわめて近接。
・○○では深部方向に約1mmの所に腫瘍がみられ近接。
・○○では深切をstepで3枚作成しても腫瘍が残存しており外側方向についても断端近接(以上)と考えられる。
(断片について、上記の記載では場所が分からないので回答できないかと思いますが、もし分かれば教えて頂きたいのですが、この記載で断片が陽性か陰性か分かりますでしょうか)
上記の病理結果より、抗がん剤は必要なく、放射線は必要、ホルモン療法はどちらか悩ましいところとの事でした。
主治医としては、予防にもなるのでしてもいいけど、副作用もあるので本人の考えも参考にしたいとの事で、次回の診察までに、ホルモン療法をしたいかどうか考えてきてほしいとのことでした。
この所見で田澤先生でしたら、ホルモン療法はされますか?
お忙しいところ、大変申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1a, luminalA
再発低リスクです。
「(断片について、上記の記載では場所が分からないので回答できないかと思いますが、もし分かれば教えて頂きたいのですが、この記載で断片が陽性か陰性か分かりますでしょうか)」
⇒「近接はしている」ようですが、「露出はしていない」ようです。
深部断端は「乳腺をきっちり摘出」していれば大丈夫です。
「5mm以上」という規約に基づけば「断端陽性」とはなりますが、「露出していない」のであれば「放射線照射」でいいと思います。(St. Gallen 2015でも「露出していない事が重要」となっています)
「上記の病理結果より、抗がん剤は必要なく、放射線は必要、ホルモン療法はどちらか悩ましいところとの事でした。」
⇒当然「抗ガン剤は適応外」となります。
「この所見で田澤先生でしたら、ホルモン療法はされますか?」
⇒主治医同様、迷うところですが…
ホルモン療法の適応はあります。
副作用が強ければ辞めるつもりで「試してみる」ことをお勧めします。