[管理番号:2911]
性別:女性
年齢:36歳
現在、女性ホルモン(エストロゲン、黄体ホルモン)ともに非常に少ないということで生理がこないためカウマン療法を行っています。
更年期、閉経後のホルモン補充療法は長期間エストロゲンにさらされるため乳癌のリスクが上がるとききましたが、本来少ないものを補充するための治療でも乳癌リスクは上がってしまうのでしょうか?
あと、しこりのない胸の痛みはホルモンバランスによるものですか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「本来少ないものを補充するための治療でも乳癌リスクは上がってしまうのでしょうか?」
⇒残念ながら…
その通りです。
ホルモン補充療法自体、そもそも「少ないものを補充する」治療です。
「しこりのない胸の痛みはホルモンバランスによるものですか?」
⇒その通りです。
ホルモンによる「正常乳腺の刺激症状」と思います。
○乳房痛を乳癌と結び付ける必要は全くありません。
質問者様から 【質問2】
カウマン療法を行っても、順調に月経がこない場合閉経までホルモンの補充を行っていかなくては、いけません。
ホルモン補充療法は、やはり乳癌のリスクを高めるとのことですが、私もいろいろ調べて疑問があります。
先生の見解でけっこうなので教えて下さい。
①ホルモン補充療法のリスクは閉経後の女性を対象としたリスクなのか?
(閉経前の30代では明確でないのか)
②10000あたり+8人とはどのくらいのリスクであるのか?
→そんなに心配する程ではないのか?
③カウマン療法6ヶ月行
くらいならリスク増加とはならないか?
④より安全なホルモン補充療法はないのか?
もっとも、信頼する先生の意見を聞かせて下さい。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「ホルモン補充療法のリスクは閉経後の女性を対象としたリスクなのか?」
⇒必ずしもそうではありません。
対象としては更年期も含まれます。
「10000あたり+8人とはどのくらいのリスクであるのか?→そんなに心配する程ではないのか?」
⇒この数字がどこからなのか解りませんが…
一般にホルモン補充療法はリスク比として1.1~1.2 つまり10%~20%程度上昇させると言われています。
これは「検診をきっちり受けるべき」という程度と認識しています。
「カウマン療法6ヶ月行うくらいならリスク増加とはならないか?」
⇒上記程度だと思います。
「④より安全なホルモン補充療法はないのか?」
⇒カウフマン療法のような「エストロゲンとプロゲステロン」を併用する場合には閉経前でも「乳癌リスクを増加させる可能性が示唆(閉経後のように確実とは言えない)」されています。
一方で短期間の「エストロゲン単独補充」ならば「リスク上昇がない」とも言われていますが、質問者の治療に「エストロゲン単独が適切なのかどうか」解りません。
やはり担当の婦人科の医師と相談が必要です。