[管理番号:2661]
性別:女性
年齢:43歳
こんにちは、初めて相談します。
2月(中旬)日に右乳房切除術をしました。
腫瘍の大きさ 1.4センチ
リンパ節転移 9個中1個
腫瘍の悪性度 2
脈管への侵襲 なし
ER 陽性
PgR 1+
HER2 1+
MIB-1 30%
このような、結果なんですが
主治医の先生は、ノルバデックスorタスオミンを10年服用。
後、抗がん剤を3ヶ月と、注射をどうするかですね!
と、言われました。
MIB-1が30%なのが、気になるのでホルモン治療以外もした方がいいんじゃないですか?との事です。
できれば、抗がん剤は避けたいのですが。
田澤先生なら、どのような治療法を勧めますか?
教えてください。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(14mm), pN1, NG2
「MIB-1が30%なのが、気になるのでホルモン治療以外もした方がいいんじゃないですか?との事」
⇒luminalAかBか微妙なところです。(Bであれば、化学療法の適応があるのです)
所謂グレーゾーンです。
「田澤先生なら、どのような治療法を勧めますか?」
⇒「できれば、抗がん剤は避けたい」というのであえれば、「ホルモン療法単独」です。
因みに化学療法の上乗せは「7%」となります。
またASCOガイドライン2016では「LH-RHagonistの併用」も勧めています。(SOFT試験の結果からは、やや飛躍してはいますが)
質問者様から 【質問2】
前回の質問から日が浅いのですが、明日((下旬)日)に病理医の方と話をするので、その前に田澤先生に聞いておきたかったので申し訳ございません。
予後治療、再発リスクについてです。
①ホルモン治療のみ
②ホルモン治療+抗がん剤
③ホルモン治療+LH-RHagonist
④ホルモン治療+抗がん剤+LH-RHagonist
上記の再発%が、解れば教えて下さい。
田澤先生は、どの治療法がベストだと思いますか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「①ホルモン治療のみ②ホルモン治療+抗がん剤③ホルモン治療+LH-RHagonist④ホルモン治療+抗がん剤+LH-RHagonist」「上記の再発%が、解れば教えて下さい。」
⇒LH-RHagonistによる上乗せ効果ははっきりしません(ASCO 2016ガイドラインでは推奨していますが)
①ホルモン治療のみ 21%
②ホルモン治療+抗ガン剤 14%
「田澤先生は、どの治療法がベストだと思いますか?」
⇒私であれば①です。
ただし、抗ガン剤にも積極的(副作用よりも1%でも可能性を上げたい)という意志の方であれば、無論賛成します。
質問者様から 【質問3】
いつもありがとうございます。
前回質問させて頂いた解答を確認させて頂き、
ER80% PgR95% リンパ節転移 1/9 で0.1㎜ということで、病理の先生とも話
結果、『ホルモン治療のみ』という事にしました。
今後、タモキシフェンを服用するにあたって
注意すべき点があれば、教えて下さい。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「リンパ節転移 1/9 で0.1㎜ということ」
⇒ITC isolated tumour cell clustersだったのですね。
それであれば、規約上もN0となり、ASCOの2016ガイドラインでも「タモキシフェン単独(LH-RHagonistの併用なし)」となります。
「今後、タモキシフェンを服用するにあたって注意すべき点があれば、教えて下さい」
⇒有害事象は「のぼせ」くらいですが…
きちんと「子宮体癌の検診をうける」ことです。
10年で0.4%上昇します。
♯それでも「タモキシフェンによる再発予防効果の1/30程度」となるのです。
質問者様から 【質問4】
以前 管理番号2661でいろいろ質問させて頂きました。
有難うございました。
予後治療を初めてたのですが、(ホルモン治療『タモキシフェン』)
私は喫煙者です。
きっぱりと、タバコが止められません。
喫煙者は、再発する可能性が高いでしょうか。
先生は乳癌とタバコの関係をどのように思いますか?
教えて下さい。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「喫煙者は、再発する可能性が高いでしょうか。」
「先生は乳癌とタバコの関係をどのように思いますか?教えて下さい。」
⇒「喫煙と再発」については明らかではありませんが、「乳癌のリスク因子」であることは明白です。
喫煙は止めた方がいいことはいうまでもありません。