[管理番号:2270]
性別:女性
年齢:52歳
いつも勉強させていただいています。
よろしくお願いします。
2cmのガンが見つかり、3か月前に温存手術を受けました(センチネルにのみ転移あり、郭清しました)。
その時の病理結果は
腫瘍径30mm ホルモン陽性 HER2陰性 Ki6726% グレードII
断端陽性だったので1か月前に追加部分切除を行ったところ、
「今回、断端陰性ではあったものの、追加切除部分にも目に見えないガンがあり、それは乳房全体にある可能性があるので、全摘手術をお勧めします、しかし全摘してもそこにはガンはないかもしれない、どうしますか」と言われました。
私が「再発したら、その時全摘するのは?」ときくと「しこりを作らないので発見が遅れる。手術をしているのでエコーやマンモで見てもわかりにくい」とのことでした。
こちらのQ&Aでの似たような症例で、温存+放射線でも大丈夫とのことだし、短期間に何度も手術するのも、癌が無いかもしれないのに全摘するのも抵抗がありますが、リンパに転移があったので、それはもしかすると乳房内に散らばっているのかも、という心配もあります。
リンパに転移がある場合も、全摘せず、放射線や抗癌剤、ホルモン治療で大丈夫だと思われますか?
見つけにくい、という面ではどうでしょうか。
このような場を設けていただきありがとうございます。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「断端陽性だったので1か月前に追加部分切除を行ったところ、「今回、断端陰性ではあったものの、追加切除部分にも目に見えないガンがあり、それは乳房全体にある可能性があるので、全摘手術をお勧めします、しかし全摘してもそこにはガンはないかもしれない、どうしますか」と言われました。」
⇒「断端陰性」であれば、いいと思います。
「見えない癌」というのは「画像上解らない」という意味だと思いますが、「それを言ってしまうと、温存術は成り立たない」のです。
○「見えない癌=画像上解らない癌が将来的に、残した乳腺内に出てくる」可能性を考えて「温存術の際には放射線照射を行う」わけなのです。
「リンパに転移があったので、それはもしかすると乳房内に散らばっているのかも、という心配もあります。」
⇒「リンパ節に転移する」ことと「乳腺内の拡がり」は全く無関係です。
「リンパに転移がある場合も、全摘せず、放射線や抗癌剤、ホルモン治療で大丈夫だと思われますか?」
⇒「リンパ節転移」は関係ありません。
状況的には(通常通り)「術後放射線照射」でいいと思います。
「見つけにくい、という面ではどうでしょうか。」
⇒それは担当医の「考え過ぎ」だと思います。
「乳房内再発」は「きちんと定期的に超音波検査をする」ことで解ります。