[管理番号:2188]
性別:女性
年齢:52歳
宜しくお願い致します。
今週末右乳房全摘出手術を予定しています。
昨年健康診断で再度検査してくださいとの連絡を頂き再検査した結果が以下の検査内容です。
臨床診断:
右乳房上内側部乳癌の疑い
臨床経過:
右A領域に1cm大の境界不明瞭な腫瘍を認めました。
臓器名:
乳腺(右)針生検(コアニードル)
病理組織診断:
Right breast,core needle biopsy;
See description
【追加報告】
Invasive carcinoma of no special type(WHO),invasive ductal Carcinoma,with DCIS
組織学的所見:
2材の針生検乳腺組織を』認めます。
核小体が目立ち、豊富な胞体を示す単調な異型細胞の集簇が見られます。
周囲にはリンパ球浸潤が目立ちます。
carcinomaを疑いますが、組織の挫滅のため正確な評価が困難です。
invasive carcinoma
とDCISの区別も不明確です。
筋上皮の免疫染色を追加します。
【追加報告】
#1のリンパ球浸潤を伴う病巣では腫瘍細胞の周囲は
CK5/6,p63が陰性でinvasive carcinomaです。
#2の病変では周囲にCK5/6やp63が陽性の筋上皮細胞を認め、
DCISと評価されます。
invasive carcinomaの部分でのホルモン受容体やHER2発現は
ER;5+3=8(Allred)
PgR;2+1=3(Allred)
HER2;(-)
MIB-1 index;40%
田澤先生にお聞きしたい事は
1、この検査内容を見られてどの位置に(普通の部類なのか悪い部類に入るのか)お聞きしたいです。
こちらの先生の話では、「癌の顔つきが悪い」と言う表現をされました。
(それは何の事なんでしょうか?)
2、手術をしてから、その結果をもとにして治療方法をお話ししますとの事です。
その治療方法により(幾つかのパターンがあるのでしょうか?)副作用等が大きく現れる治療方法に成る場合もあるのでしょうか?(どのような治療の時に)
3、この検査結果から見て予後は、どうなんでしょうか?
不安がいっぱいで質問を的確に書くことが出来ていませんが宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「1、この検査内容を見られてどの位置に(普通の部類なのか悪い部類に入るのか)お聞きしたいです。」
⇒普通の乳癌です。
「Invasive carcinoma of no special type(WHO),invasive ductal Carcinoma,with DCIS」
⇒non specific typeは良くある組織型です。
何も「特別」ではありません。
しかも「腫瘍径1cm」でかつ「非浸潤癌の部分も多そう」だから、「完璧な早期乳癌」です。
「こちらの先生の話では、「癌の顔つきが悪い」と言う表現をされました。」
⇒核グレードの記載がありませんが、「核グレード」のことでしょうか?
ただ、「早期乳癌」では全く気にする必要はありません。
○私には、その担当医の「無意味なコメント」に理解ができません。
「2、手術をしてから、その結果をもとにして治療方法をお話しします その治療方法により(幾つかのパターンがあるのでしょうか?)副作用等が大きく現れる治療方法に成る場合もあるのでしょうか?(どのような治療の時に)」
⇒ルミナールタイプで「浸潤径も小さそう」で(腫瘍径から推測するに)「リンパ節転移も無さそう」なので『ホルモン療法単剤が基本』となります。
可能性としては(手術標本で)「Ki67が高値=ルミナールタイプB」となったら「抗がん剤の可能性」もあるということです。
○抗がん剤の場合には「脱毛や食欲不振、吐き気」などがあります。
「3、この検査結果から見て予後は、どうなんでしょうか?」
⇒手術もまだなので、はっきりとした事は言えませんが…
腫瘍径も小さい(しかも非浸潤部分の割合も高そう)ので、心配ありません。