[管理番号:2155]
性別:女性
年齢:48歳
初めまして。
お忙しいところすみません。
私の母が乳がんと診断されて色んなサイトを見ているうちにここにたどり着きました。
母は明日手術なのですが、みなさんの質問を見ているとルミナールAやトリプルネガティブという言葉を良く書かれているのですが、私の母はどんなタイプなのかをまだ医師から知らされていません。
このタイプというものは手術後の検査結果で分かるものなのでしょうか?
手術前の母の検査結果なんですが
大きさは約1cm
リンパ節転移 なし
T1N0M0 ステージ1
浸潤性乳管がん(硬がん)
手術方法は乳房温存左手術
センチネルリンパ節生検
という結果でした。
手術後は放射線を25回すると言っていました。
転移のありなしや乳がんのタイプによって放射線ではなく抗がん剤を使用することになる可能性もあるのでしょうか?
硬がんは悪性度が高いと聞いたことがあるので温存手術や放射線治療だけでいいのか不安です。
母は今48歳でそんなに若くはないですが娘としては長生きしてほしいと思っています。
再発のリスクを考えると勝手ですが素人の私は全摘の方が安心なんじゃないかと思ってしまいます。
長文ですみません。
少しでもいいので教えていただけることがあれば教えて頂けるとありがたいです。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「母は明日手術なのですが、みなさんの質問を見ているとルミナールAやトリプルネガティブという言葉を良く書かれているのですが」
⇒これを「サブタイプ」といいます。
「私の母はどんなタイプなのかをまだ医師から知らされていません。このタイプというものは手術後の検査結果で分かるものなのでしょうか?」
⇒通常は「術前に診断のために行う針生検で判明」するのですが、稀に①細胞診で診断している場合(細胞診ではサブタイプは評価不能です) ②針生検で、敢えて「サブタイプをオーダーしていない」場合 などがあります。
これら①もしくは②である場合には、(質問者のおっしゃるように)「術後」に判明するのです。
「大きさは約1cm リンパ節転移 なしT1N0M0 ステージ1 浸潤性乳管がん(硬がん)」
⇒十分な早期乳癌です。
「手術方法は乳房温存左手術センチネルリンパ節生検」「手術後は放射線を25回」
⇒「温存術を選択」した場合には「術後放射線照射が必須」なのです。
「転移のありなしや乳がんのタイプによって放射線ではなく抗がん剤を使用することになる可能性もあるのでしょうか?」
⇒完全な「勘違い」です。
★「局所療法」と「全身療法」は厳密に分けて考えてください。
「放射線治療」はあくまでも「局所療法」であり、「手術の附属」なのです。(乳腺を残す替りに、残した乳腺に放射線照射する」というものです。
たいして「抗がん剤」は「全身療法」であり、「ホルモン療法が効かないタイプ」であれば「抗がん剤の適応が出てきます。
○「局所療法」手術±放射線照射
○「全身療法」ホルモン療法、抗がん剤、分子標的薬
つまり「局所療法」として何を選択するか? 「全摘」なのか「温存術+放射線照射」なのか?
次に「全身療法」として何を選択するか?(サブタイプによる)
「硬がんは悪性度が高いと聞いたことがある」
⇒「誤り」です。
ネット情報か何かでしょう。
「組織型」など何の意味もありません、
「温存手術や放射線治療だけでいいのか不安です。」
⇒「勘違い」しています。
「温存手術+放射線治療」はあくまでも「局所療法」であり、術後(サブタイプが判明したら、全身療法(ホルモン療法なのか?抗がん剤なのか?はたまた、その両方なのか?)を必ず行う事になります。
「再発のリスクを考えると勝手ですが素人の私は全摘の方が安心なんじゃないかと思ってしまいます。」
⇒これも「勘違い」です。
局所療法として「全摘」を選ぶのか「温存+放射線照射」を選ぶのかは、「再発リスクとは無関係」です。(局所再発には関係しますが…)