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抗がん剤について

[管理番号:2065]
性別:女性
年齢:40歳
お世話になります。
病理診断 Solid ?tubular carcinoma(right, Bt+SN) Lymph node: negative
  
病理所見:右乳腺全切除;
中等度異型を示す上皮が、大小の充実胞巣状に浸潤増殖。
付随する乳管
内癌成文は中等量で、間質は少量。
充実腺管癌と診断。
主腫瘍とは別に
小範囲に低悪性度のDCISを認める。
病変の占領部位:右CA領域
Invasive ductal carcinoma, solid-tubular carcinoma, pT1c(1.7cm), f, ly0 v0,
Tubular formation 3, Nuclear polymorphism 2, Mitotic counts 3, Nottingham
grade 3, Nuclear grade 3
リンパ節:n(0/1)[センチネル(0/1)]
UICC; pT1c, pN0(sn),M0
ER: 90%
PgR 90%
HER2 陰性 (術後判定保留→FISHにて陰性)
ki67 60%程度
CK5/6 陰性
主治医より化学療法をするのであればTC療法+ホルモン療法を提案されました。
しかし、経度の精神疾患をかかえているため、抗がん剤のストレスに耐えられないのではと言われ、オンコタイプDXかセカンドオピニオンを受けて客観的な意見を受ける事を薦められております。
あまり抗がん剤を薦めていない印象でした。
質問①このままTC療法を受けた方が良いでしょうか?
(術前結果もルミナールBだったので自分としては抗がん剤は受けた方が良いと思っておりましたが、ホルモン感受性が高いので抗がん剤上乗せ効果も10~7%よりももっと下がる言われ、抗がん剤をやる価値があるのか迷いが生じております。)
質問②自分の場合、ホルモン療法のみで大丈夫でしょうか?(早期なのでホルモン療法だけでも大丈夫とは言われました。)
質問③早く抗がん剤治療を開始しなくて良いでしょうか?
(11月に手術を受け、抗がん剤もホルモン療法も受けておらず年末年始も重なり診察できないので増殖スピードが速いタイプだと思うので未だ治療方針が決定せず不安です。)
質問④オンコタイプDXを出した場合、中間値になる確率が高いでしょうか?
質問⑤術前の針生検はステージ1 グレード2でしたが、術後グレード3でもステージ1のままですか?(HPで田澤先生はグレードよりもステージが重要と拝見したので治療への強い気持ちを取り戻したいと思っております。)
 
お忙しいところお手数ですが、どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c, pN0, luminalB
確かに「化学療法の適応」がありますね。

回答

「質問①このままTC療法を受けた方が良いでしょうか?」
⇒微妙なラインです。
 
 だだし「精神的な不安がある」のであれば「特には勧めません」
 担当医のいうように「化学療法による上乗せ効果」は「10~7%よりも下がる」ようです。 
 ♯adjuvant onlineでは「6%」となります。
 
「質問②自分の場合、ホルモン療法のみで大丈夫でしょうか?(早期なのでホルモン療法だけでも大丈夫とは言われました。」
⇒上記の通りです。
 ホルモン療法の再発予防効果は11%あります。
 
「質問③早く抗がん剤治療を開始しなくて良いでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 そもそも「抗がん剤をすべきか?」という状況なのですから。
 
「質問④オンコタイプDXを出した場合、中間値になる確率が高いでしょうか?」
⇒その可能性はあります。
 
「質問⑤術前の針生検はステージ1 グレード2でしたが、術後グレード3でもステージ1のままですか?」
⇒その通りです。
 ステージは「腫瘍径(浸潤径)」と「リンパ節転移の状況」によってのみ規定されます。
 
 ♯グレードは「ステージとは無関係」なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

いつもこちらで勉強させて頂いております。
11月に右胸全摘手術を受け、センチネルリンパ節生検で陰性でした。
病理診断: Solid ?tubular carcinoma(right, Bt+SN) Lymph node:
negative
  
病理所見:右乳腺全切除;中等度異型を示す上皮が、大小の充実胞巣状に浸潤増殖。
付随する乳管内癌成文は中等量で、間質は少量。
充実腺管
癌と診断。
主腫瘍とは別に小範囲に低悪性度のDCISを認める。
病変の占領部位:右CA領域
Invasive ductal carcinoma, solid-tubular carcinoma, pT1c(1.7cm), f, ly0 v0, Tubular formation 3, Nuclear polymorphism 2,  Mitotic counts 3, Nottingham grade 3, Nuclear grade 3
リンパ節:n(0/1)[センチネル(0/1)]
UICC; pT1c, pN0(sn),M0
ER: 90%
PgR 90%
HER2 陰性 (術後判定保留→FISHにて陰性)
ki67 60%程度
CK5/6 陰性
主治医より化学療法をするのであればTC療法+ホルモン療法を提案されましたが、オンコタイプDXかセカンドオピニオンを受けて客観的な情報判断材料を得る事も薦められております。
質問①このままTC療法を受けた方が良いでしょうか?他に推奨の療法はありますか?
(術前結果もルミナールBだったので自分としては抗がん剤は受けた方が良いと思っておりましたが、ホルモン感受性が高いので抗がん剤上乗せ効果も10~7%よりももっと下がる言われ、抗がん剤をやる価値があるのか迷いが生じております。)
質問②ホルモン療法だけでも治療の選択肢になりますか?(早期なのでホルモン療法だけでも大丈夫とは言われました。)
質問③早く抗がん剤治療を開始しなくて良いでしょうか?
(11月に手術を受け、抗がん剤もホルモン療法も受けておらず年末年始も重なり診察できないので増殖スピードが速いタイプだと思うので未だ治療方針が決定せず不安です。)
質問④オンコタイプDXを出した場合、中間値になり、また迷う判断材料が増える確率が高いでしょうか?
質問⑤ステージは、1のままで早期なのでしょうか?
質問⑥根治は目指せるタイプですか?
術前はステージ1、グレード2でしたが、術後のグレードが3になり動揺しております。
こちらのHPで田澤先生はグレードよりもステージが大切であると拝見しました。
(←表現が誤解を招くようであればすみません。)
治療に対して前向きな再度強い気持ちを取り戻したいと思っております。
お忙しいところお手数ですが、どうぞよろしくお願いします。
 
 
<追加質問 : ホームページ管理者>
質問⑥根治は目指せるタイプですか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「質問⑥根治は目指せるタイプですか?」
⇒勿論です。
 根治する可能性の方が圧倒的に高いです。