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細胞診 クラス3

[管理番号:1964]
性別:女性
年齢:40歳
 先生の分かりやすいコメントをいつも拝見させていただいております。
 私は只今、妊娠5か月の妊婦です。
 今年、5月に左乳房にしこりを自覚し直ぐに乳腺外科に受診しまた。
細胞診の結果、クラス2。
エコー検査にて大きさ0.5㎜×0.8㎜でした。
数か月経過観察となりました。
11月に入り再度受診し、細胞診の結果、
クラス3 大きさは1.4㎜×1.7㎜まで大きくなっていました。
所見の内容は詳しく覚えていませんが、「異形性細胞を認めること。
筋上皮細胞と○○○の二相性は保たれていること。
他・・・」とのことでした。
担当医よりエコー上、形がいびつであることや境界線が不明瞭な所があるが、妊娠による影響とも考えられるとのことで、再度数か月の経過観察と言われました。
 しかし、心配なので針生検をお願いし明日受診予定です。
あまり、詳しい情報が記載できず申し訳ありませんが、以上のことから乳がんの可能性は高いか、先生のご意見をお聞かせ頂けると助かります。
 担当医より妊娠中に乳がんが見つかると予後が悪いなど言われ、不安な日々を送っています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
かなりの注意が必要です。
①半年間で「0.5cm×0.8cm」⇒「1.4cmx1.7cm」というのは「かなりの増大」と考えます。
②しかも「形がいびつであることや境界線が不明瞭」
③その際の細胞診結果 クラス3で「異型細胞を認める。(2相性は保たれているようですが…)」
これらの3点より「このまま経過観察」など「とんでもない」と思います。
ご本人が「針生検」を選択したことは「大変よかった」と思います。
 
「乳がんの可能性は高いか、先生のご意見をお聞かせ頂けると助かります。」
⇒「乳癌の可能性は十分」あります。
 もしくは「乳管内乳頭腫」かもしれません。
 
「担当医より妊娠中に乳がんが見つかると予後が悪いなど言われ」
⇒これは「誤り」です。
 ただ単に、「妊娠中の乳癌」は「発見や治療が遅れがち」となるからという解釈が一般的であり、乳癌診療ガイドラインでも「妊娠期乳癌が予後不良とは結論付けられない」(証拠不十分)となっています。
 つまり、「きちんとした治療を選択」すればいいだけのことなのです。