[管理番号:1511]
性別:女性
年齢:65歳
田澤先生、初めまして。
大変お忙しい中、つまらぬ質問で恐縮なのですが、教えて頂きたくメールさせて頂いております。
6月に右乳全摘(センチネル生検マイナス)をして、ただ今術後抗がん剤治療中です。
蕁麻疹がひどく出た為、抑えるために小一時間程の点滴を受けているのですが、左腕の血管が弱くなってきたので、右はダメかと聞くと、ケモ室の看護師は「右腕は注射も点滴も一生使えないのよ。ケガもしないように気をつけ
てね。」と言われました。
絶対一生使ったらダメなのですか?
色々調べると、リンパ郭清していると、リンパ浮腫の危険があるからとか出てきましたが、、、
センチネルだけでもこれから先、採血や予防接種もダメなのでしょうか??
リスクを背負ってまでするつもりはありませんが、単純に疑問が湧きました。
術後一ヶ月くらいのとき、1度右腕から抗生剤点滴を受けたのですが。
(医師の許可ありで)
つまらぬ質問で申し訳ないですが、これから先のこともあるので田澤先生はいかがされてるのか伺いたく質問させてもらいました。
お時間ありますとき、教えていただければ有り難いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検」であれば、私は特に制限していません。
もともと「患側の血管を使用しない」というのは「腋窩郭清の時代」の話です。
「センチネルリンパ節生検」が導入されたのは、「つい最近」のことです。
郭清省略が一般化されたのは、「ここ10年」と考えていいでしょう。
そうすると、まだ「本当の長期予後」が明らかではありません。
それで「腋窩郭清に準じている」というのが現状です。
回答
「センチネルだけでもこれから先、採血や予防接種もダメなのでしょうか??」
⇒大丈夫です。
私は「制限していません」
ただし、残念なことに「センチネルリンパ節生検」といいながら、「腋窩のリンパ管を破壊しまくっている」稚拙な手術手技を散見します。
上手く「センチネルリンパ節生検が見つからない」と、「手技が乱暴」となり「リンパ管の破壊という意味では腋窩郭清と大差なし」みたいな手技です。
○このような、「腋窩郭清と同じ位、リンパ管を破壊した」センチネルリンパ節生検をされた場合には「腋窩郭清と同程度の注意」が必要となります。
「田澤先生はいかがされてるのか」
⇒全く制限していません。
センチネルリンパ節生検は「最短距離でアプローチ」すれば、「腋窩のリンパ管の破壊は無い」のです。
「点滴」も「血圧測定」も「重いもの」も全く制限不要としています。
♯退院時には病棟看護師から制限を言われています(看護師の中には、腋窩郭清との区別を理解していない者もいるので)が、、1週間後外来の時点で私が解除の話をしています。
○一度、執刀医に聞いてみましょう。
「センチネルリンパ節生検の手技に自信」をもっていれば、「制限無」となる筈です。