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江戸川病院乳腺センター長 田澤篤 さん 146件

江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-08 08:54:55  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

さて、YOUTUBEの骨子も固まったことだし、今日は土曜日だけど1日早く「今週のコラム」を書き上げました。
実際のYOUTUBEは、コラムを先行させてその最後に「今週のコラム 38○回目をご参考にしてください」と入れましょう。

題名としては皆様からいろいろ提案受けましたが、「もう一つの選択肢」としてみました。

そして、ここ掲示板は(YOUTUBEとは異なり)オフレコのようなもの(?)なので、少々 YOUTUBEに書けない(書かない方が無難な)愚痴を。

外科医(癌種は何であれ)たるもの、手術をしていて目指すべきは「完全」切除(医学用語でいう「治癒切除」)です。
主病巣やリンパ節など癌を手術する際に「取りきって見せる!」この思いが外科医を動かします。
我々古い世代(と、なるのだろうか?)の乳腺外科医はそもそも「外科医」であり、そしてその後の専門分野の選択としてそのの主戦場を乳腺としてきました。

それが次の世代以降は「外科医」としての自覚がない?
外科医としてではなく、最初から「乳腺科(外科)」のようなノリで乳腺外科医となり、「乳腺で大事なのは薬物療法だ!」として「癌をとりきってみせる」という気概に欠けているのでは?
そう思えるのです。
★再発手術はハードルが高いとしても、鎖骨下郭清をやらない、「鎖骨下郭清は(手技的に)危険だし、そこは(手術せずに)術後照射する方が楽」という医師達。
「治癒切除」に拘りはないのか?
(再発ではない)通常の鎖骨下郭清ができない医師に「再発手術」の選択肢はない。
薬物療法の選択肢が増えたとしても、やっぱり目に見える病巣は切除するのが一番確実。
それを求める患者さんが存在する限り、その選択肢があることを発信したいのです。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-07 08:57:20  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

連日投稿、またまた失礼します。
因みに手術日(月と金)の朝は(火水木の外来日と違って)心身ともに?外来日(火水木)の2割増?位調子がいいので、本日の投稿は一味違うかもしれません。 少しだけハイになってる?

と、前置きはここまでとして本題です。
『どのように表現すべきか?』皆さんからの(掲示板での)レスポンスが本当にありがたい! とても参考になっています。
その中で(昨日までよりは)スッキリした頭でYOUTUBEの構想を練ってみました。

主題は「選択」となります。
タイトルについては(以前に管理者より)閲覧数を考えると、タイトルの中に「乳癌」という文言が入るべき。という原則があります。

○タイトル(仮) 乳癌 あなたの選択 1.総論
○内容
まずは私の考えから…
「診断」と「治療」やはり、これは分けた方がいい。
以前よりご指摘のように時間がコンパクト(2分半が目安?)な方がいいことと、一度に2つのこと(主題)を入れると内容がゴチャゴチャになり頭に入ってこないかな?
その上で、今考えているのは
①「総論」
そもそも何故「選択があること」を伝えたいのか?
♯治療にはガイドラインというものがある。
「ガイドライン」とは専門医が知っておくべき「最低限の治療水準」であり、(その上で)個々の患者さんの希望や病状に「より合致する」治療水準が存在している。

時に、「最低限にすぎない」ガイドラインを盾にして、患者さんの希望がシャットアウトされてしまうことがあります。

今回のテーマは「選択」です。
あなたが(主治医に)提案されなかったとしても、実は「より、あなたが求める(あなたに寄り添った)選択肢があるかもしれないのです。

今回は「総論」となります。
次回より「各論」として具体的な内容をお話しします。

次回(予定)
○タイトル(仮) 乳癌 あなたの選択 2.診断

症例①微細石灰化 (ST-MMTが無い病院で)提案された「経過観察」という選択肢、他に選択肢は無かったのか?

症例②5mmのシコリ (小さいから針で刺せないと)提案された「経過観察」という選択肢、他に選択肢は無かったのか?

症例③血性乳頭分泌 (エコーなど画像上、腫瘍がないから)提案された「経過観察」という選択肢、他に選択肢は無かったのか?

第3弾としては「治療」となります。
無論(今までの流れを全て把握している皆さんには推測ついていると思いますが)リンパ節再発です。
今回は、「鎖骨下リンパ節再発」「鎖骨上リンパ節再発」に焦点を充てます。
ここは「診断」よりは、やや気をつかう?ところ

鎖骨上は「手術」という選択肢があること。
ただ「手術」は、その執刀医の習熟度に大きな差が出る治療であり完全な標準化は難しい。
♯ここで(前回のような)乳癌診療ガイドラインの引用を行い「何故、手術がガイドラインに入らないのか?」私の解釈を加える。

そして大事なことは、
(その担当医自身が自分の手術手技に自信をもっていないかぎり「手術という選択肢がある」という選択肢を示されないことが多い現状がある。
この動画で言いたいことは、まさにここです。
『主治医からの提案、本当に他には選択肢がないのか?』

ここで実例

ここまでで「time over」かな?(実例提示までの説明に結構時間かかりそうだから)
(鎖骨上が3.治療vol. 1)とすれば、鎖骨下再発は治療vol. 2とした方が良さそうですね。
鎖骨下に関しては、鎖骨上とは若干アプローチが異なり
初発手術としての「鎖骨下リンパ節郭清」を行わない(やったことも見たこともない)乳腺外科医からの提案には、(当然、自分ができないからという理由で)「手術」という選択肢を示されないことが殆どである。
「あなたの担当医が鎖骨下郭清の手技ができないからといって、手術という選択肢がなくていいのか?」
  ↑
 こういう視点でしょう。
★私が「選択」同様に強調している「立ち位置」に気をつけて、それらの医師を批判するのではなく、たんに他に選択肢があることを強調しましょう。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-06 07:28:42  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

連日の投稿、失礼します。
まずは鎖骨上リンパ節再発に対する手術についてのガイドラインを記載したコラム362から引用

・ガイドライン(乳癌診療ガイドライン 2022年版)ではどうなっているのか?

1. 外科療法

FRQ8 鎖骨上リンパ節再発の外科的切除は勧められるか?

→鎖骨上リンパ節再発の外科的切除は基本的に勧められない。

但し、このステートメントには以下の問題点がある。

1-①鎖骨上リンパ節再発に関してランダム化比較試験は存在しない

1-②後ろ向きの症例集積研究しかないが、放射線療法や何らかの外科的切除を加えることにより局所制御が保つことが出来た群や完全奏効(CR)が得られた群で予後良好であるとの報告が散見

1-③論文はないが、手術を受けることで、非手術に比べて腋窩リンパ節郭清以上に術後合併症は多くなる可能性があり、入院手術コストが増えることも明らかである。

★結局、この「外科的切除は基本的に勧められない」理由として(このガイドラインで)語られているのは、

「外科的切除をすることで予後改善するという明らかなエビデンスがない」のに対し、「術後合併症が多くなる可能性があり、入院手術コストがかかる」からと結論している。

実際に(後ろ向きの症例集積研究ではあるが)予後良好であるという報告があるのだから、本来なら「基本的に勧められない」ではなく、『外科的切除が予後を改善させる可能性はあるが、(ランダム化比較試験は存在しないため)現時点で積極的に勧める根拠には乏しい』が正しい表記ではないでしょうか?

★★実際に、このガイドラインでは、その下の方に以下の記載がある。

1-④外科手術も含めた局所療法の意義に関する前向き臨床試験も行われている(NRG-BR002試験、NCT02364557試験)鎖骨上リンパ節再発に対する外科的治療の考え方も以前より変化していく可能性があり、更なる研究の蓄積が期待される。

1-⑤同側鎖骨上リンパ節の単独再発に関する直接性の高い前向きランダム化試験のエビデンスは存在せず、予後への影響が明らかでないためCQとして取り上げるには時期尚早との意見が出された

1-④、1-⑤の(ガイドラインの)記載を見ても、「基本的に勧められない」は言い過ぎであり、「まだ不明である」とすべきでしょう。

上記から導かれるのは(私を含めて)鎖骨上リンパ節を切除することが予後を改善すると感じている乳腺外科医は存在するし、実際にそのような報告もある。
ガイドラインとして「基本的に勧められない」とする明確な根拠はなく、実際にそのようにしている理由は
鎖骨上リンパ節切除を行える乳腺外科医が極めて限られており、(未経験者が)それを行った場合には(その手術に伴う)合併症のリスクが計り知れない。
ということでは?

患者さんの選択 「治療編」
鎖骨上リンパ節再発
(特に)そこにしか転移が無い場合には、それを手術して摘出することで根治の可能性を拡げるという方法がある。
ただ、この手術は一般的には行われていないので、それに熟練した乳腺外科医に行われるべきである。

上記を理解した上で、
(たとえ、主治医が自らその手術手技ができないからという理由で手術の提案をされなかったとしても)ご自身が手術を希望される場合には、それを「選択肢とする」ことができます。
無論、(主治医のいうように)「手術不能」として薬物療法だけを選択することもできます。

★大事なことは、「手術が無駄」などというエビデンスは勿論なく、患者さん自らが「手術で摘出したい」という思いがあれば、それは(主治医の考えだけで)否定されるべきではないのです。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-05 07:19:13  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

「人生、いろいろ」「患者さんの希望も、いろいろ」
連日の投稿、失礼します。

診断編
 例えば「5mmのしこり」
同じ「5mm」でも、①(画像上)癌の可能性が高いしこりと②そうではないが、癌の可能性も完全には否定できないしこりがあります。
因みに①はカテゴリーⅣ,Ⅴとなります。★ただ5mmではカテゴリーⅤとまで言い切ることは困難でありⅣ(以上)と想定
②はカテゴリーⅢ(明らかな境界明瞭扁平がⅡ)

ここまでよろしいでしょうか?

★私が考える「選択肢がある」とは?
⇒あくまでも上記②です。
この場合には(私は)『良性の可能性が高いですが、癌の可能性もゼロではないので、(一番いいのは)組織診で100%確定診断つけることです。ただし針をさされるのが「嫌」「痛い」などでご希望されない場合には半年後経過観察でもいいでしょう』
♯ 無論①で経過観察など問題外であり、『癌の可能性が十分あるので、組織診で確定診断すべきです。当院では(癌が疑わしいのに)経過観察はしませんので、どうしても組織診が嫌であれば他院を(ご希望の病院や地域連携室経由などでご紹介します。』となります。
⇒実際にこのケースは殆どありません。(皆さん組織診を選択されます)

★★この「診断編」で私が(時に)熱くなるのは…
①なのに「小さいから組織診は難しいし、この大きさで診断しても予後は変わらない(何を根拠に!!) 経過観察しましょう」と組織診を提示せず経過観察へ持っていく医師(輩)です。
⇒これらの輩はQandAにも頻出しますが、(QAを経由せずに)「確定診断希望メール」などで患者さんが直接「小さいから経過観察なんて嫌だ。と組織診をご希望され」癌と診断される方は結構いらっしゃいます。

この「診断編」でいうところの「患者さんの希望もいろいろ」は(私が選択肢があるとしている②ではなく)①ですね。
⇒(画像上怪しいのに、自分の技術や理念?を盾として)生検を提案せずに、経過観察を勧める医師に対して不満を持っていましたが、実は患者さんの中にも(それらの輩に言われるまでもなく『小さいのなら、怖いから経過観察してほしい』という方もいらっしゃることへの気づきです。
   ↑
5mmのしこりは早期発見すべきだ! という従来の一直線な私のアプローチでしたが、
「患者さんの希望もいろいろ」
患者さん自身が希望されないのであれば経過観察は許容されるが、『患者さん自身が(実は)希望している、(もしくは)生検という選択肢の存在を知っていれば希望したのに、医師側の都合(稚拙な技術など)で経過観察が当然のような診療はいかがなものか?』
これが(患者さんの選択肢も加味した私の)新しい「立ち位置」ということです。

次回は「治療編」となります。
こんな風に、頭を整理しつつ来るYOUTUBEへ繋げていきます。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-04 07:28:44  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

昨日の続き…
「患者さんも(やはり)いろいろ」であること(どこかの歌詞にも「人生いろいろ」とありますね。
重なるときは重なるもので、つい最近乳管腺葉区域切除した患者さんから『手術を勧められたから手術をしたけど、「待ってもいい」状況なのだと知って居たら手術なんか選択しなかったわ』と言われました。

当院で乳管腺葉区域切除をしたことがある人なら皆ご存知ですが…
市川で乳管造影して「乳管内病変が疑われた」場合に私は必ずこのようにお話ししてます。
『乳管内病変(腫瘍)が原因での分泌(時に出血)であることが判明しました。ただ病変(腫瘍)といっても良性もあるし(乳頭腫など)、乳癌もあります。これは現時点ではエコーで見えない位小さいのでこの段階(エコーで見えないほと小さい状態)で診断するには乳管腺葉区域切除しかありません。これは手術であり、もしも(結果として)癌であれば究極的早期発見となりますので希望する場合には週明けに市川に電話してください。その場合江戸川病院の受診予約などご相談します。もちろん現時点では癌の診断はついていないわけだから、「癌でないかもしれないのに手術されるのは嫌だ」と言う場合には経過観察(その場合には半年後エコー)となります。週末よく考えて手術を希望される場合のみ週明けに連絡ください』

少々長くなりましたが… いつもこのようにお話ししています。
分泌で当院を受診されるケースの多くは「前医で、これ以上診断しようがない。経過観察するしか選択肢はない」と言われて、「でも分泌(特に血性)は不安だ。経過観察は嫌だ」として受診される方達なので、たいてい皆さん手術を希望されます。
  ↑
上記のような経験が積み重なると、つい「分泌で受診される方は皆(経過観察よりも)積極的に診断されることを望んでいる=乳管腺葉区域切除を望んでいる」と(私自身)無意識に思うようになっていたのかもしれません。
決して「手術したほうがいいですよ」と言ったつもりはありませんでしたが、冒頭の患者さんのように(そもそも特に早期発見云々にこだわりがあるわけでは無いのに)「手術すべきだ」と半ば無理やり勧められたと感じる患者さんもいることに気付いたわけです。
   ↑
長ーくなりましたが、この一例も私に「選択肢」というKey wordを意識させた一因となったのです。
次回は、「人生、いろいろ」「患者さんの希望も、いろいろ」という観点からYOUTUBEでの「私の立ち位置」を「選択肢」にシフトさせて、「軋轢がなく、(それでいて)その選択肢を望む人たちに響く」そんな風に描いてみます。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-04-03 17:11:22  掲示板 2023年4月2日~4月8日 (一般の方の「乳がん治療体験談(手術・放射線・抗がん剤に関して具体的なこと)」は掲載できません。該当しないようなコメントをお願いします。YouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。)

今週のコラム 387回目
皆さんの反応、嬉しく思います。

コラムの最後でコメントしたように、今回のことを含め「医師もいろいろ」ですが、「患者さんも(やはり)いろいろ」であること(どこかの歌詞にも「人生いろいろ」とありますね。
重なるときは重なるもので、つい最近乳管腺葉区域切除した患者さんから『手術を勧められたから手術をしたけど、「待ってもいい」状況なのだと知って居たら手術なんか選択しなかったわ』と言われました。
この続きは、また明日で…


江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-03-29 07:11:31  掲示板 2023年3月26日~4月1日

世界に誇る江戸川病院の放射線治療 
どうやら(一字一句正確ではないかもしれませんが)このようなテーマで当院、放射線科医 黒○先生はご講演予定のようです。

なにも、放射線科の宣伝をするつもりでここに紹介したわけではありません。
このポスターは江戸川病院正面玄関の自動ドアの(まさに)正面の目線の先に(誰にも見落とされようもなく)貼り付けてありました。
「世界に誇る」という文言に衝撃をうけたのは私が、そろそろYOUTUBEの再開を考えていたことと重なったからです。

今までのような「早期発見には、こんな方法があります。是非ご参考に」みたいな、無難なものでいいのか?それで本当の情熱が伝わるのか?
そんな思いを、あのポスターが見事に撃ち抜いたのです。

テーマは「診断」となります。
1.今週のコラム386
2.検診エコーで「精査不要」とチェックされていなかった部位に「立派な」癌の所見があった(検診エコーの技師さんの精度の問題)
3.検診マンモで「石灰化 要精査」として受診した患者さんをエコーしたら(石灰化の)対側に「立派な」癌の所見があった(皆さんが持っているマンモグラフィー神話の誤り)
4.血性分泌で(地元では)画像上異常がないから、「このまま経過をみるしかない」と言われたが(患者さん自身の早期発見への強い執念で)遠方から当院受診⇒乳管造影⇒乳管腺葉区域切除で超早期がんの診断を勝ち取った例(乳頭分泌の正しい診療を求めるのが如何に難しい現状なのか?)

これらが私の頭の中を巡っています。
一般的な「早期発見にはこのような検査や手順がありますよ」みたいな(見ている人全員に対して)「無難で(一見)爽やかな」風を贈るのではなく、本当に早期発見を願い(今までの診療に納得できなかった)それらの人達だけに「暑い(暑すぎる)熱風」を届けたい。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-01-20 07:55:27  掲示板 2023年1月15日~1月21日

ご報告
他院から紹介された患者さんを診療⇒手術する場合には受診後に「第一報」として 当院を受診されました。みたいな報告をします。そして術後には「最終報告」として手術内容や手術病理、そして今後の方針を最終報告します。

今回ある患者さんから(当院へ紹介される経緯の中で)その全主治医から投げかけられたというセリフ

『江戸川さんで手術したいって?過去にも確か二人、江戸川さんで手術したいって人いましたょ。あそこはね、手術して、はい、終わり!っていう病院ね!』

これには腹が据えかねたので、今回(手術病理を記載した)最終報告に ちょっとした?悪戯心、皮肉も込めて
『★なお、当院は手術だけの病院ではありません。』
と、記載しました。(実際に遠方だけどホルモン療法で定期的に通院するしね)

「手術だけ」どころか「手術さえ?」まともにできないくせに失礼な話だと思います。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-01-19 07:17:08  掲示板 2023年1月15日~1月21日

最近、鎖骨「下」鎖骨「上」リンパ節再発の患者さんの手術をすることが急激に増えています。
7年前?この乳がんプラザを始めて全国から手術の患者さんが増加して今日に至りますが(少なくとも)2年以上前は(全国からといっても)ごく普通の乳癌の患者さんばかりでした。
ごく普通と言っても、全国的に見れば鎖骨下郭清(レベル3)まで行う施設がほぼ無くなった現在郭清の度合いはかなり高いポピュレーションではありましたが…
それが、この1年急速に上記再発患者さんが全国から集まってきているのを実感しています。
つい先日は「鎖骨下+鎖骨上」という皮切は鎖骨を挟んで2か所必要となる手術もしました。
無論、7年前も今も鎖骨「上」や鎖骨「下」再発の患者さんは同じくらい存在した筈なのに…
と、考えるとその当時は主治医から「手術不能、一生抗がん剤ね」と言われても、それを受け入れざるを得なかった患者さんばかりだったのだと想像します。

乳がんプラザを介して、(かつてならば)地元での宣告を受け入れざるを得なかった患者さん達が多く(日本全国での総数から見れば、ごく一握りに過ぎないとは承知していますが)が、この掲示板の主要メンバーにより励まされて当院へ辿りついている。
そう実感する今日この頃です。
数多くの同様の患者さんを手術する機会が増す事で、益々「手術可能な範囲が広がっている」事に自分自身ようやく自身がついてきたところです。
かつてST-MMTの膨大な経験から「マンモグラフィーで撮影できる範囲の石灰化で取れないものはない」と結論したように、「鎖骨上も鎖骨下も手術不能なものはない」そう言いきりたいなぁ。
★今は、まだその域ではなく自分でエコーで(リンパ節の)血管との位置関係を見ながらそれを実際の手術に落とし込んでいる。
⇒エコー所見が「あの程度」だと手術は「これくらいの難易度なんだな」という経験を積み重ねなくては辿りつけないのだと思います。




江戸川病院乳腺センター長 田澤篤
2023-01-08 08:29:37  掲示板 2023年1月8日~1月14日

市川外来
「2か月前に(前医で)細胞診で良性、線維腺腫と診断された」として受診された患者さん。
「線維腺腫(良性)と診断されたけど、気になる別の医師にも診てもらいたい」と当院を予約したようだ。
上記内容を聞いた時点では、「随分、慎重な人だな。キャラクター(心配性)なのかな?」と思いながらエコーを開始。
すると、驚くことに…
『癌を疑います。』その数秒後に私は患者さんにそう伝えていました。
画像は「境界不明瞭」で「縦長」カテゴリー4(4とは言え、限りなく5に近い)
★因みに(私の感覚では)カテゴリー5は「凄いスピキュラのあるもの」であり、それ以外では「癌だろう」と思っても4にとどめます。
しかし疑問です。
何故この画像で「良性、線維腺腫」と診断したのか?
1.細胞診で外したのは間違いないでしょう。
⇒これがあるから本当に困ったものです。
2.(細胞診で外したという自覚がないとしても)この画像で「線維腺腫」とするのは極めて危険。
画像を疑うならば、(細胞診で外したことは患者さんに気付かれるとしても)『やっぱり画像上心配だから、組織診(針生検)をさせてほしい』となるのでは??
⇒(追加検査として)針生検を選択せずに「半年後経過観察」(出たー。自らの細胞診や組織診に自信が持てない医師の天下の宝刀!)としたのは、この医師は(細胞診が下手なだけではなく)画像診断そのものに問題があるのでは??

しかも、患者さんから話を聞くと以前からそこで検診していて(その細胞診した際には)「数か月前には無かった所見」だったとのこと!
「数か月前無いものが出現」「画像上も怪しい」
これだけでも癌を疑えない様なら乳腺外科医の資質がないのでは?
余りにも呆れたので、つい掲示板に書いてしまいました。

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