Site Overlay

高濃度ビタミンC療法

[管理番号:982]
性別:女性
年齢:53歳
現在乳ガンのステージ3aとの診断を受けて、術前化学療法で、ハーセプチンとタキソールの毎週投与を受けております。
現在4回目が終了しましたが、リンパ節の腫れも引いて来ており、深刻な副作用もおきていません。
ただ少しでも副作用を軽減し予定通り化学療法を終え、手術また術後の治療を行い、再発や転移のリスクをできるだけ下げたいと強く願っています。
そのため標準治療以外にも、自分が納得し前向きに治療にあたるため高濃度ビタミンC療法を検討しています。
化学療法が始まる前に主治医に相談した所、ハーセプチンへの影響が懸念されるので、避けるようにとの回答でした。
再度主治医と相談しようと思っていますが、田澤先生のご意見をお聞きできればと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 私が代替医療に懐疑的であることを最初に申し上げておきます。
 癌に罹患すると(状況の程度は別としても)皆さん「少しでも可能性があるなら… お金に代えられない」という気持ちとなるのは理解できます。
 但し、我々は「如何に標準治療が厳しい目の中で有効性を証明して成り立っているのか」と言う事を知っています。
 結論から言うと「高濃度ビタミンC療法を私は勧めません」
 ビタミンCは「水溶性」であり、過剰摂取しても体に害とならないとは思いますが…
 この手の治療は「少数例に投与して、効いた人がいる」というだけの根拠です。(後に、きちんとした臨床試験を行い効果が否定された筈です。私は詳しくはありませんが)
 免疫療法などもそうですが、「少数例に投与して、効いた人がいる」というだけのものには注意が必要です。
たとえば「ア○○○○を食べたら癌が治った」という顔写真付の広告みたいなものです。
○HER2陽性タイプに対する「抗HER2療法はターゲット療法であり、理想的な治療」と言えます。
 主治医のいうように「敢えてハーセプチンに影響するかもしれない(影響さえしない、無毒なものだとは思いますが)リスクを負ってまで行うべきでは無い」というのが私(と主治医)の共通した考え方です。