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中間期乳癌

[管理番号:3196]
性別:女性
年齢:45歳
他院の画像診断にて右乳房乳癌と診断され、転院を希望し、来週貴院で診察をしていただく者です。
転院にご尽力いただき、ありがとうございました。
来週まで待てばいいのですが、他院の中途半端な診断に不安で、思い切って質問させて頂きました。
〈これまでの経緯〉
2014年7月 両胸乳頭分泌により大学病院付属ブレストセンターを受診。
マンモ、エコーにより異常なし。
2010年に断乳後から続いているので、乳汁の分泌があってもおかしくはないとのこと。
2016年2月 右脇にしこりと痛みを感じ、
さらに乳房にもわずかなしこりがあるような気がして同センターを受診。
マンモ、エコーにより右乳房に線維腺腫。
左に嚢胞を認めるとのこと。
大きさ場所については言及なし。
当時は知識がなかったため、良性、1年後の検診で良いとのコメントに、何も質問せずに帰宅。
2016年6月 線維腺腫は40代になってあらたにできることはないと知り、都内乳腺専門クリニックを受診。
画像診断のみで乳癌と診断。
大きさは1.1センチ。
腋窩リンパ節転移はなし。
2014年以前、さらに2015年にも人間ドックの一環として毎年秋に乳房エコーのみ受けていますが、異常を指摘されたことはありません。
〈質問〉
■こういうケースを「中間期乳癌」と言うのでしょうか?
そうであれば、「中間期乳癌」は進行の速い乳癌で予後が悪いという記事を見つけたのですが、
私の場合も進行が早いケースとなるのでしょうか。
■右脇のしこりは今も感じており(田澤先生が図解している位置からは若干下の感じが
します)生理前になると痛みます。
癌と診断された側なので非常に不安になりますが、
これは乳癌の症状とは切り離して考えるべきでしょうか。
診断を受けたクリニックに不信が募り(医師ご自身では一度もエコーをしていません)
「1.1センチが1つ」「腋窩リンパ節転移なし」にも疑いを持つようになってしまいました。
お忙しいところ恐縮なのですが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「線維腺腫は40代になってあらたにできることはないと知り、都内乳腺専門クリニックを受診。画像診断のみで乳癌と診断」
⇒これは「大きなターニングポイント」となりましたね。
 「大学病院付属のブレストセンター」は危ないですね。
 (技師さんが行った)「エコー所見だけで、線維腺腫と誤診」した訳ですね。
  2014年自分のところのエコーで異常無なのに「この2年間で新たにできたしこり(40歳代)が何を意味するか?」勉強してほしいものです。
 
「■こういうケースを「中間期乳癌」と言うのでしょうか?」
⇒その通りです。
 ただ「中間期乳癌」というのは「検診」を評価する上での「便宜的な用語」にすぎません。
 つまり「検診を受けている」方を「検診発見乳癌と中間期乳癌」に分けているだけです。
 ○毎年検診を受けていても「乳癌は発生する」わけです(当然ながら検診は「早期発見のため」であり「癌の発生自体を防ぐ事はできない」からです)
  
  
「そうであれば、「中間期乳癌」は進行の速い乳癌で予後が悪いという記事を見つけたのですが、私の場合も進行が早いケースとなるのでしょうか。」
⇒「1.1cmで進行が早い」ということはありません。
 去年の秋の時点で「所見なし」だとしても「半年以上経って、11mm」ということですよね?
 秋の時点で「数ミリ」あったと思いますが(ある程度の大きさが無ければ見逃されます)、「全く普通」だと思います。
 
「■右脇のしこりは今も感じており(田澤先生が図解している位置からは若干下の感じがします)生理前になると痛みます。」
⇒さすがに(技師さんだとしても)エコーで「リンパ節転移を見逃す」ことはありえません。
 『今週のコラム 9回目  どんな「へぼ医者」でも見間違う事は無いのです』を参照してください。
 
「癌と診断された側なので非常に不安になりますが、これは乳癌の症状とは切り離して考えるべきでしょうか。」
⇒その通りです。
 
「診断を受けたクリニックに不信が募り(医師ご自身では一度もエコーをしていません)」
⇒幾らなんでも「癌と診断する」のに「自分で一度もエコーをしない」というのには呆れます。
 ○余談ですが、つい先日「他院で術後に(不満を持ち)当院転院した患者さん」から「結局、執刀医は一度も(エコーどころか)触診もせず、(更に驚いた事に)術前のマーキングも技師さん任せ」だと聞きました(某大学病院)
  私は心底驚き、「首都圏の大学病院に恐ろしさ」を感じました。
  そのクリニックの医師も「そのような大学病院出身」で「自分でエコーしないこと」に何の疑問も感じないのでしょう(楽だとは思いますが…)