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トリプルネガティブの治療について

[管理番号:3432]
性別:女性
年齢:51歳
初めて質問させていただきます。
お世話になりますがよろしくお願いいたします。
今後の治療について迷っています。
4月左乳房部分切除+センチネルリンパ節生検
【病理結果】
・浸潤性乳管癌(化生癌様 分泌癌様の部位あり)
・大きさ:浸潤部 1.2cm(=T1)
・核グレード(NG):2
・組織学的波及度:乳腺組織内にとどまる
・リンパ管侵襲(ly):0
・リンパ節転移:なし(N 0)
・センチネルリンパ節:0/4+5
・Ki67:50%
・サブタイプ:トリプルネガティブ
4月に温存手術を行い、5月から化学療法(AC療法を3週ごと、4回)を行いました。
今後は放射線治療を行う予定で木曜には放射線科を受診します。
先週、担当医からこの後パクリタキセルか、ドセタキセルを3ヶ月やらないかと提案がありました。
その時点では、やらないと断りましたが、本当にそれで良かったのか不安になっています。
効果としては3%ほどの上乗せだとうかがいました。
そもそもがど
のくらいの生存率なのか、再発率なのかも分かりません。
私の場合はどの程度になるのでしょうか?
抗がん剤の副作用が酷かったので、やっと終わってほっとしていたところで、自分では決断出来ずにいます。
先生でしたら、追加の化学療法を進めますか?
最終的には自分で結論を出さなくてはいけないと思っておりますが、是非とも先生のお考えをおうかがいしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(12mm), pN0, triple negative
文句なしの早期癌です。
トリプルネガティブだからって、脅かされる必要有りません。(脅かされていなければいいのですが…)
ただしトリプルネガティブの術後補助療法は化学療法、しかもgolden standardである「アンスラ+タキサン」です。
 質問者で言えば ACがアンスラ(Aはアドリアマイシンの略でこれがアンスラサイクリンです)、新たに勧められている薬剤(パクリタキセルやドセタキセル)が「タキサン」です。
 ○その意味では担当医が、AC後にタキサンを勧めているのは「至極当然」なことなのです。
「効果としては3%ほどの上乗せだとうかがいました。そもそもがどのくらいの生存率なのか、再発率なのかも分かりません。私の場合はどの程度になるのでしょうか?」
⇒現在「NeoAdjuvant.comが使えない」ですので、私の今までの使用経験から推定すると…
 抗ガン剤をすることで10年再発率は10%程度、生存率は90%以上となりそうです。
「先生でしたら、追加の化学療法を進めますか?」
⇒勧めます。
 冒頭でコメントした通りです。
 Triple negativeの標準治療なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、先日はご回答ありがとうございました。
腹が決まり、早速先週からパクリタキセルを始めました。
そこで、もう1つ質問させてください。
AC療法のときからずっと味覚障害が続いています。
パクリタキセルを始めて(まだ1回ですが)益々酷くなった気がします。
ポラプレジンクOD錠75mg「サワイ」を処方していただいてます。
(私は胃潰瘍ではありませんが、亜鉛が多く含まれているので。)しかし全くよくなりません。
味覚障害はいつまで続くのでしょうか?何か他に良くなる方法はありますか?
今までは何を食べても美味しくない。
でも食べることはできました。
今は何を食べてもまずい。
と感じるようになってしまいました。
食べることが辛いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
味覚障害は「turn overが早い」細胞である舌の細胞が抗ガン剤でダメージをうけたわけです。(抗癌剤のターゲットは細胞分裂だから、turn overが早い細胞も同様に傷害されるのです)
「味覚障害はいつまで続くのでしょうか?何か他に良くなる方法はありますか?」
⇒AC療法の副作用ですが、パクリタキセルをやっている内に改善して来る筈です。
もう少し頑張りましょう。