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トリプルネガティブについて

[管理番号:1480]
性別:女性
年齢:55歳

≪乳がん≫
2014年12月 乳がん(原発)
硬がん、浸潤がん、トリプルネガティブ
T(1)N(2)M(0) ⅢA リンパ節転移4個
12月 乳房温存手術、腋窩リンパ節
15年1月 EC療法 
6月 放射線治療25回
7~10月 パクリタキセル

≪卵巣がん≫
2005年7月 
卵巣、子宮摘出手術
卵巣上皮性悪性腫瘍
分類不能
T(IC) N(X) M(O) ⅡA
8月~1月 TJ療法

卵巣がんと乳がん両方を発症したので、家族性乳がん外来でカウンセリングを受けました。卵巣がん、乳がん共に、まったく家族歴がないので、思っていたよりは低めの遺伝率でしたが、主治医には確率的に高いといわれました。
娘(25歳)がいるので、遺伝子検査も考えましたが、乳房、卵巣切除は年齢的にも無理かと思われ、早期発見のため徹底した検査を受けさせたいと思います。

≪質問≫
先生にお尋ねしたいのは
①左胸が乳がんになった場合、トリプルネガティブでは、乳房温存可能でも、切除のほうがよかったのでしょうか。
②トリプルネガティブでは、転移、再発した時、遺伝子検査の結果が治療に有用なのでしょうか。
③転移、再発の早期発見のための検査、頻度はどうすればよいのでしょうか。
④娘には、早期発見のため、同一病院で半年ごとに検査を受けさせ
ようと思っていましたが、術者の技量を考えると、二か所の病院で
定期的、長期的に検査をするほうが安心ではないかと考えるように
なりました。(例えば、A病院で毎年6月、B病院で毎年12月)
検査項目は、乳がん、乳房検診、超音波、MRI、卵巣がん、内心、
経腟超音波、腫瘍マーカー、でよいのでしょうか。
いろいろと質問をして申し訳ございませんが、ぜひ、先生のお考え
を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
皆さんが「トリプルネガティブ」に対する情報に翻弄されている様子には心が痛みます。
サブタイプは、あくまでも「治療法の選択」の参考にとどめましょう。

回答

「左胸が乳がんになった場合、トリプルネガティブでは、乳房温存可能でも、切除の
ほうがよかったのでしょうか」
⇒関係ありません。
 トリプルネガティブであることは「術式とは無関係」です。
 但し、「遺伝性乳癌」であれば、「温存乳房内再発のリスク」は上がるので「乳房切除も考慮」されます。
 
「トリプルネガティブでは、転移、再発した時、遺伝子検査の結果が治療に有用なのでしょうか」
⇒現時点では「遺伝性乳癌(BRCA乳癌)」も、(非遺伝性の)「トリプルネガティブ」でも治療法には変わりありません。
 但し、今後「様々な薬剤開発が行われる」中で、治療が細分化され「BRCA乳癌に有
効な治療法」がでてくる可能性があります。
 その意味では「将来的に、治療に有用な検査」となる可能性はあります。
 
「転移、再発の早期発見のための検査、頻度はどうすればよいのでしょうか」
⇒3カ月に1回の診察、採血腫瘍マーカー、1年に1回のマンモグラフィーです。
 (定期的な)CTや骨シンチは不要です。
 
「娘には、早期発見のため、同一病院で半年ごとに検査を受けさせようと思っていま
したが、術者の技量を考えると、二か所の病院で定期的、長期的に検査をするほうが
安心ではないかと考えるようになりました」
⇒面白い考え方ですね。
 Human error を考えて「1人より2人」ということですね。
 信頼できる医師が居ないのであれば、それも有効かもしれません。
 
「検査項目は、乳がん、乳房検診、超音波、MRI、卵巣がん、内心、経腟超音波、腫
瘍マーカー、でよいのでしょうか」
⇒そうです。
但し、NCCNのガイドラインによると超音波は入りません(乳がん検診における超音波
の有用性は証明されては居ないのです)
 
乳癌検診 
30歳までは1年に1回のMRIまたはマンモ
30歳以降は1年に1回のMRI+マンモ
 
卵巣癌検診 
30歳から半年に1回の経膣超音波+腫瘍マーカー
となっています。

質問者様から 【質問2】

トリプルネガティブ骨転移
性別:女性
年齢:62歳
病名:トリプルネガティブ
症状:骨転移
投稿日:2023年1月13日

8年前に質問させていただきお世話になりました。

おかげさまで再発転移することなく過ごしてきましたが
今回マンモグラフィー、超音波、血液検査、CTで検査をしたところ
CTにだけ首の骨に影があるとのことでした。

あらためてPET検査をしましたがこちらでは異常がみられず転移の確定がむずかしいという事になりましたがCTに影がある以上
抗がん剤をしたほうがよいと言われTS-1で治療する予定です。

現在首の骨に痛みなどはありません。

かかりつけの内科医には心配ならセカンドオピニオンを受けたらと言われましたが治療をするのなら少しでも早いほうがよいのではと思っています。

田澤先生でしたら、このような場合どのようにお考えになりますか。

どうかよろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

CTで検査をしたところ
CTにだけ首の骨に影があるとのことでした。

あらためてPET検査をしましたがこちらでは異常がみられず
⇒MRIをすべきです。

MRIで所見が無ければ骨転移なし、所見があれば(骨転移として)まずは放射線をしましょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/1/20
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