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手術方法の選択について

[管理番号:2243]
性別:女性
年齢:47歳
乳がんの手術方法で悩み、こちらにたどり着きました。
47歳、子供2人
現在乳がんと診断されたものです。
下記の診断結果になり、今週末PET検査を受けます。
A医師:現在の担当医(B医師からの紹介)
B医師:当初腫瘍を見つけてくれたかかりつけの医師(乳腺専門医)
A医師は、部分切除でOK(手術時に乳頭までとる可能性もあり)全摘+再建は見た目だけの問題。
B医師は、部分切除後の不安(見た目含む)を抱えたり、再発の場合の再手術を考えれば全摘をすすめるということでした。
先生であれば、どの様な判断をされますでしょうか?
MR所見
右乳房D領域の乳頭近くに約10×7㎜大の不整形結節(+)
やや緩やかに増強され、後期にやや下がるパターン
その乳頭側にも小結節(+)その他にも少結節散在DCISの可能性(+)と思われる
また乳頭より遠位側にも少結節(+)
上記結節影と連続するような位置にあり、DCISの一部であることを否定できず。
左乳房にもやや結節様に増強される部位が認められますが、増強は漸増増、腫瘤と断定できず。
MR診断
右D領域の結節と、乳頭側や遠位側に散在する少結節。
DCISの可能性否定できず。
病理検査結果
右乳房、針生検に検体。
約4本の組織が採取されています。
種々の程度に拡張した乳管が多数見られ、これらの内腔には腫大した核を有する異型細胞が充実性~一部管腔形成性のパターンを増殖する像が見られます。
間質への浸潤も部分的に伴っています。
脂肪組織への浸潤を疑う画像も見られます。
DCIS+浸潤性癌と考えられる。
癌細胞の核は核異型スコア2点、核分裂像スコア1点、核グレード1
お忙しいところ申し訳けありません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず一言、このような早期乳癌で「PETを撮影するのは如何なものか?」(ご本人の希望で、どうしても安心したいというのであれば、いいですが、担当医からの提案だとすると…)
トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか、有害なのです」を参照してください。
 
「MR所見右乳房D領域の乳頭近くに約10×7㎜大の不整形結節(+)やや緩やかに増強され、後期にやや下がるパターンその乳頭側にも小結節(+)その他にも少結節散在DCISの可能性(+)と思われるまた乳頭より遠位側にも少結節(+)上記結節影と連続するような位置にあり、DCISの一部」
⇒実際の画像を見ている訳ではありませんが…
 この「MRI所見だけ」からすると「温存は十分に可能(勿論乳頭は残せます)」と思います。
 ○ポイントは「多発とはいっても、あくまでも同じ乳管系であること」「乳頭に近いと言っても、乳腺を乳頭を超えて切除することで十分に切除マージンは取れる」と言う事です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生お忙しいところありがとうございました。
PET検査の件は私の希望でなく、執刀医から言われたものです。
先生のコラムを見て驚きました。
医療被曝するほどの大変なことだとは。
執刀医は部分切除で良いというものの、PET検査までと言うことでしたので、不安になりました。
癌が見つかった経緯も、マンモで1箇所、MRIで2箇所、次に診察した時は、離れたところにもう1つありましたと言われました。
手術方法を決めてきてくださいと言われた時は、近い部分に2箇所という事だったので、部分切除で良いと決めて行きましたが、その時に離れたところにもう一箇所あるので大きく切除し、乳頭から2センチギリギリなので、手術中に判断し取ることもあると。
やはり審美性も気になることから、もし再発しまた切除となるぐらいなら、最初から全摘するという判断は行きすぎでしょうか?
ちなみに組織検査時の結果もまだ出ておらず、PET検査の実施、手術日の予約を急がされているので、ますます不安です。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「手術方法を決めてきてくださいと言われた時は、近い部分に2箇所という事だったので、部分切除で良いと決めて行きましたが、その時に離れたところにもう一箇所あるので大きく切除し、乳頭から2センチギリギリなので、手術中に判断し取ることもあると。やはり審美性も気になることから、もし再発しまた切除となるぐらいなら、最初から全摘するという判断は行きすぎでしょうか?」
⇒前回の回答の「繰り返し」となりますが…
 「全て(遠いものも含め)同一の乳管系と思われるので(担当医に確認してみてください)温存可能」だと私は思います。
 ○「乳頭から2センチ」というのも、「乳管をぎりぎりまで切る」だけの話で「直接浸潤」でもしていない限り、十分余裕を持って「乳頭は残せる」と思います。
 
「ちなみに組織検査時の結果もまだ出ておらず、PET検査の実施、手術日の予約を急がされているので、ますます不安です。」
⇒「PET検査の実施」はその病院の「ルーティーン」なのでしょう。
 また「手術日の予約」も、その病院の「都合」にすぎません。
 私が「メール内容から判断」する限り、「病状を心配する必要は全く」感じません。
 ご安心を。