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早期ではないのでしょうか。

[管理番号:3920]
性別:女性
年齢:40歳
針生検の結果待ちです。
超音波で右胸に
1.2センチの腫瘍がみつかりました。
先生の様子と(分葉形?形が明らかにガンなのでしょうか)、「どう取るにしても手術日は?日にしよう」と言われた事から、ガンは確実なのかなぁと思っています。
また血流があり、周りにもしこりがいくつかあり、リンパが腫れているので、針生検の時に周りのしこりと脇の細胞診も行いました。
周りのしこり(細胞診したのは1ヵ所です)は乳腺症だとその場で言っていました。
同じ細胞診でも脇の方はその場で何も言われなかったので、転移していたからだと考えてしまいます。
これから骨シンチ、CT検査(喘息持ちなのでMRIはできないそうです)を行います。
腫瘍周りのしこりは1ヵ所が乳腺症でもその他はガンである事もありますよね。
脇の転移の可能性は高いのでしょうか。
早期にはならないのでしょうか。
悲観したり開き直ったりの繰り返しで、腕や脇、肺等が痛く転移転移と考えてしまいます。
もう少し近くであれば先生に見ていただきたい気持ちでいっぱいです。
また、検査結果を聞いた後も悩む事が
出てくると思いますので、また先生のご意見をいただきたいと考えております。
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「骨シンチ、CT検査(喘息持ちなのでMRIはできないそうです)を行います。」
⇒不要な検査です。
 1.2cmの腫瘍で「遠隔転移など決してありません」
 もしもご本人が自分の身体(医療被曝)や財政(ご本人及び国家医療費)の事を真剣に考えるのであれば「勇気を持って」断りましょう。
「脇の転移の可能性は高いのでしょうか。」
⇒(細胞診をしたということは)担当医にとって「気になるリンパ節がある」ことは事実のようです。
「早期にはならないのでしょうか。」
⇒(万が一リンパ節転移があったとしても)「1.2cmの腫瘍」であれば、十分早期です。
「腕や脇、肺等が痛く転移転移と考えてしまいます。」
⇒全く無関係です。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日質問させていただいて、先生からお返事をいただく前に骨シンチとCT検査を行いました。
先生のおっしゃる通り、骨、肺、肝臓への転移はありませんでした。
しかし、検査結果
腫瘍1.2センチ
ER陰性
PgR陰性
HER2(次回)
悪性度2
リンパ転移有り(所見では腫れは1つですが、そこがセンチネルよりこぼれた場所ではないか、そうするとセンチネルも転移してるのではないか)
ki67-70%
でした。
腫瘍が小さい割には増殖が早く、リンパにも転移があり、HER2が陰性の場合はさらに予後が悪くなるのかと思うと夜も眠れませんでした。
トリプルネガティブの場合、3年ほどでの再発率がとても高いようなので、とても怖いです。
かなり高い確率で再発してしまうのでしょうか。
子供も小さく20年は生きなきゃと思っていたところ、検査結果を聞いて10年も危ういのかと思い悲観してしまいます。
また手術を20日後に控えていますが、乳房全嫡、センチネルの検査+転移している
リンパの摘出で大丈夫でしょうか。
リンパ転移がどのくらいの範囲かはどのように決定して摘出するのでしょうか。
とにかく再発しないように取っていただきたいのです。
田澤先生どうかご教授下さい。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「腫瘍が小さい割には増殖が早く、リンパにも転移があり」
⇒多くの人が(私には意外なことに)「腫瘍が小さいことに喜ぶよりも、むしろ小さいのにリンパ節転移があることを嫌がる」ようですが、『腫瘍が小さいことは最大の武器』です。
「トリプルネガティブの場合、3年ほどでの再発率がとても高いようなので、とても怖いです。」
⇒サブタイプで予後を判断してはいけません。
 どのサブタイプでも「予後はステージにより異なります」
「かなり高い確率で再発してしまうのでしょうか。」
⇒ステージにもよりますが、「再発率はそれ程高くはない」でしょう。
 やはり、「腫瘍が小さいことは最大の武器」なのです。
「また手術を20日後に控えていますが、乳房全嫡、センチネルの検査+転移しているリンパの摘出で大丈夫でしょうか。」
⇒もしも「リンパ節転移陽性」と判断するなら(センチネルリンパ節生検は行わず)
「最初から腋窩郭清すべき」です。
 担当医と術式については「きちんと説明」うけるべきです。
「リンパ転移がどのくらいの範囲かはどのように決定して摘出するのでしょうか。」
⇒(術前の)画像所見と(術中の)肉眼的所見(触診など)です。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日も質問させていただきました。
他の方の質問も拝見し、先生のご意見を日々勉強させていただいておりますがまた気になる事がでてきてしまいました。
宜しくお願い致します。
腫瘍 9.8mm 横に5.1mmも有
(12.0mmではありませんでした)
ER 陰性
PgR 陰性
悪性度 2
Ki67 60~70%
ステージ2a HER2タイプ
来週手術で右乳房全嫡、腋窩郭清の予定です。
腫瘍が小さいけどリンパ転移があり、不安だったところ、先生に腫瘍が小さいのは武器であると言っていただいて心強く思っていたのですが、横にも小さいのがあった為、また状況が違うのではないかと心配になってしまっています。
また増殖が速いタイプというのはリンパに1つ転移するとどんどん広がっていってしまうのでしょうか。
センチネルリンパではないところに転移が
確認されたという事は、センチネルリンパにも当然転移していて、最低2個は確実という事でしょうか。
リンパにすごい数の転移があるのではないかと考えてしまいます。
また、手術時に転移しているリンパの取り残しがあったらどうしようと今更ながら先生の腕を心配になったりしています。
信じるしかもう無いのですが、取り残しなどは普通無いものなのでしょうか。
手術をうけ、抗がん剤とハーセプチン(予定)を行えば再発、転移をしっかりおさえられる段階ですか。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「横にも小さいのがあった為、また状況が違うのではないかと心配」
⇒無関係です。
「また増殖が速いタイプというのはリンパに1つ転移するとどんどん広がっていってしまうのでしょうか。」
⇒考え過ぎです。
「センチネルリンパではないところに転移が確認されたという事は、センチネルリンパにも当然転移していて、最低2個は確実という事でしょうか。」
⇒画像所見の話ですよね?
 どれがセンチネルリンパ節に相当するのかは「画像では不明」です。
「リンパにすごい数の転移があるのではないかと考えてしまいます。」
⇒全く根拠がありません。
 (考えても仕方が無い)事は考えないようにしましょう。
「取り残しなどは普通無いものなのでしょうか。」
⇒ありません。
「手術をうけ、抗がん剤とハーセプチン(予定)を行えば再発、転移をしっかりおさえられる段階ですか。」
⇒その通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

毎日こちらのQ&Aで勉強させていただいております。
また先生の膨大な経験からのご指導と患者に寄り添っていただける姿勢に本当に頼りにさせてもらっております。
11月末に右胸全摘、腋窩郭清し、今月末よりAC→ドセタキセル+ハーセプチン→ハーセプチン単独療法がスタートします。
最終病理結果は
腫瘍径 9mm 横に5mm
ER 陰性
PgR 陰性
HER2 陽性
ki67値 60~70
グレード3
リンパ節転移 3/12 遠隔転移なし
HER2タイプ
ステージ2a
がん細胞は1cmくらいになるまで7.8年はかかるという情報を見て、1年半前まで授乳していた為、子供に影響はないか聞いたところ、私の場合はこの大きさまでそんなに時間がかかっていないから子供には影響ないだろうと言われました。
子供についてはクリアしたものの、逆にこの数年でここまで進行していたことが怖くなってしまいました。
私のような場合、全身にまわっている可能性は高く、化学療法で根治出来なかった場合は数年で転移して出てきてしまうのでしょうか。
また再発も高いのでしょうか。
思い起こせば過去に
・腫瘍が小さくてもリンパに飛んでしまうこともある
・血流があるなぁ
など、すでに全身にまわっていると考えられる事を言っていた為、ますます不安になり、これからどうなってしまうのだろうと不安ばかりが先立ち、治療に耐えられる自信をなくしています。
治療したら治ると言って下さいと懇願しても君の場合は薬が効くタイプだからと答えをにごされている感じでとても悲しくなります。
もちろん100%はないので、簡単に治ります等、口にできないのはわかっているのですが、どうしても私の場合はスピード感があり予後が悪いように思えてならないのです。
私のような場合でもずっと元気でいる事もできるのでしょうか。
20年もその先も生きていく事もできますか?
数値に基づいた事や先生の膨大な経験値からどのように考えられますでしょうか。
これから安心して前向きに治療に専念できるような心強いお言葉も欲しいのです。
最後は精神論になってしまっていたら、私のメンタルが弱く大変申し訳ございません。
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「私のような場合、全身にまわっている可能性は高く、化学療法で根治出来なかった場合は数年で転移して出てきてしまうのでしょうか。」
⇒考え過ぎです。
 全く根拠がありません。
「また再発も高いのでしょうか。」
⇒腫瘍径も小さいし、(トリプルネガティブなので)化学療法は必須となりますが…
 化学療法を行えば「再発率はかなり低く」なると思います。
「私のような場合でもずっと元気でいる事もできるのでしょうか。20年もその先も生きていく事もできますか?数値に基づいた事や先生の膨大な経験値からどのように考えられますでしょうか。」
⇒心配な気持ちは解りますが…
 実際に診療している私から言わせれば、全く普通の状況です。
 再発率はそれ程高くありません。
 
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生お忙がしい中ご回答下さり本当にありがとうございます。
先日も質問させていただいたのですが、サブタイプがトリプルネガティブでの回答となっていました。
私はHER2タイプですので、HER2タイプとしての回答を再度いただく事はできますでしょうか。
お時間取らせてしまい申し訳ございません。
先生からの回答ですっきりしてから明
後日からの化学治療頑張ってスタートできればと思っております。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
失礼しました。
HER2タイプでした。
「HER2タイプとしての回答を再度」
⇒変更点は以下の1点だけです。
 抗HER2療法は強力(再発率を半分とする)なので、より「強いモチベーション」を持って頑張りましょう。