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早期の非浸潤ガンと言われました。

[管理番号:525]
性別:女性
年齢:45歳
こんにちは。
自分でシコリを見つけてブレストセンターを設けている大学病院へ行きました。
シコリは乳輪のすぐ内側にアーモンドくらいの大きさです。
シコリを触ると透明の液体が1滴でてきます。ずっとは出ません。
マンモグラフィーでは怪しい石灰化は無い。
エコーでもシコリがわからない。見えない?
シコリを触ると、乳首から透明の液体の検査では良くも悪くの無い結果とのこと。
エコーを使いながらの針生検をしたところ
“早期の非浸潤性のガン”
“とれば治ります。それで治療もおわりです”
“温存手術か全摘出手術をします”
“来週、造影剤を使ったMRIをして、広がり具合をみます”
“抗がん剤は使いません”
“手術後、放射線治療かホルモン剤を使うかもしれません”
で、来週、MRIです。
告知をされた日に、術前検査?と思います。
血液検査、尿検査、レントゲン、心電図をとりました。
私も人生初のガン告知で、とったら治るのなら、
さっさと手術してしまえば、この心配も終わり。と
思って告知をされた日帰宅しましたが。。。
夫や、両親、兄弟から
『ガンのステージは?』
『どんな種類の乳がんなの?』
などなど、質問されましたが、まったくわかりません。
それから時間が経つにつれ、私も本を読んだり、こちらのホームページを見つけて
拝見すると、
まったく説明がない。と思いました。
しかし、もしかしたら、先生が私の症状から手術を急いでるのかも?
などなど思ってきました。
長くなりましたが質問です。
・針生検だけで『非浸潤ガン』と言うのは分かるものなのでしょうか?
・マンモグラフィー、エコー、針生検。すべてを見て、非浸潤ガンです。と診断されたのでしょうか?
・非浸潤ガンには『乳管』と『小葉』とあると聞きました。『小葉』だったら、経過観察でもよい。と聞きました。どちらかわからないのに、手術されるのは怖いです。
・田澤先生のところへ行くにしても、結局、今の病院の資料を持っていくので、結局同じ。なのでは?と、セカンドオピニオンについても意味あるのかな?
です。
しかし、こちらのホームページを拝見させていただくと、
本来ならば、診察料金が発生しても良いくらいの回答をQ&Aでされています。
自分の体をお任せできる先生なのではと思い、質問させていだきました。
どうぞ宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 状況は解りました。

回答

「エコーでもシコリがわからない。見えない?」
⇒これは誤りです。
 「アーモンドくらいの大きさ」として触知できるのに、「エコーで見えない」ことはありません。
 実際に「エコーを使いながらの針生検をした」という記載からは「エコーで見える」から「エコーで、しこりの中に針が入るのを確認して針生検をしている」のです。
◎私が想像するに、「エコーでもシコリが解らない」ではなくて「エコーでも『はっきりとした腫瘤としては認識できない』所見」という意味だと思います。
 
「まったく説明がない」
⇒その通りです。
 まずは、針生検のレポートを質問者にお渡しすべきです。
 ステージはcTis(非浸潤癌), cN0(画像上リンパ節転移なし:超音波で確認していますか?), cStage0だと思います。
 
「針生検だけで『非浸潤ガン』と言うのは分かるものなのでしょうか?」
⇒病変全体を摘出して「隈なく」検索しない限り「非浸潤癌」の確定診断にはなりません。
 あくまでも「病変の中の一部を抜き取り検査(ボーリング調査)して、その部分には『非浸潤癌の所見だけであり、浸潤部分は明らかでなかった』と言う事です。
 それでも「針生検での非浸潤癌」は術前の「仮診断」となります。
 
「マンモグラフィー、エコー、針生検。すべてを見て、非浸潤ガンです。と診断されたのでしょうか?」
⇒あくまでも針生検での「非浸潤癌との所見」での診断であり、この診断に「マンモやエコーなどの画像所見が矛盾しない」事を確認しているのです。
♯針生検で「非浸潤癌」とでても『やっぱり浸潤癌を疑う』所見は以下の①②です。
 ①マンモグラフィーで明らかな『スピキュラ(間質浸潤を疑わせる所見』がある
 ②エコーで見える腫瘤が『前方境界線を破っている(脂肪織浸潤の所見)』がある
◎つまり今回は針生検で「非浸潤癌」であり上記①も②も無いと思われます。
 
「非浸潤ガンには『乳管』と『小葉』とあると聞きました。『小葉』だったら、経過観察でもよい。と聞きました。どちらかわからないのに、手術されるのは怖いです。」
⇒恐らく非浸潤性乳管癌(DCIS:ductal carcinoma in situ)だと思います。
 理由は「分泌がある」「しこりを形成している」「非浸潤性小葉癌(LCIS:lobular carcinoma in situ)は圧倒的に数が少ない」「LCISの場合には経過観察の対象となる(これを担当医が話さない筈がない)」
◎勿論、病理レポートのコピーで確認が必要ですが…
 
「田澤先生のところへ行くにしても、結局、今の病院の資料を持っていくので、結局同じ。なのでは?と、セカンドオピニオンについても意味あるのかな?」
⇒確かに、『DCISの小腫瘤の治療方針』に大きな違いは無さそうです。
 (MRIで拡がり診断をした上で)乳房温存術+センチネルリンパ節生検⇒術後放射線照射±ホルモン療法となると思います。