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診断を待つべきかどうか。

[管理番号:1836]
性別:女性
年齢:52歳
初めてメールさせて頂きます。○○県に住む52歳の主婦です。
10/中旬から右胸に張りがあり、11/6に近所の乳腺外来で触診とエコーを受けたところ、
以下診断を受け、○島総合病院を紹介されました。長文で申し訳ありませんが、診断結果を転記させていただきます。
現病歴 )
右乳房にしこりはずつと前からあり 。
40歳の時にMMG施 行、問題ないと言われた。
2週 間前から腫れて痛く なってきた
【 乳腺】
乳腺手術: なし
しこり: あり
部位: 右 C D E
皮膚のひきつれ: なし
大きさ: 4 cm
硬さ: 弾性硬
表面: 不整
辺縁: 明瞭
可動性: 良
US:pap- tub、 腋窩、傍胸骨リンパ節へ転移あり
1か月ぐらい空咳が出る 胸X線 :問題なし
乳腺実質 斑様   乳管描出-  腫瘤性病変 (+) リンパ節腫
脹 (十)
《 コメント》
【 右乳房】 C~D~Earea 右乳房半分を占領する大きな多角不整形
の低エコー腫瘤
内部エコーは不均一で豊富な血流シグナルを描出Vmax;8.Ocm/s
Pi;3.25 RI;1.00
エラストにて歪み(-)
〈随伴所見〉前方乳腺境界線断裂(+) 脂肪浸潤(+) 後方乳腺境界線
断裂(+)?
腫瘤は乳頭下に連続。 内側半分の乳腺内に乳管内伸展疑うような所見
あり 。 *Papillotubular carcinoma
【 左乳房】 ・乳腺内に不規則な豹紋様pattermの 乳腺像を認めま
す。
・Carea(1時方向 NT≒mm) 粗大なポップコーン石灰化 size ll× 4× 7mm
*old FA S/○
・Carea隔壁有するcyst 5mm
・Aarea微細~点状石灰化の集族を認めます
【腋富】 ・右 右乳房月 重瘤と正常類似するLN腫大 multiple
max size 29× 13× 12mm (level I~ Ⅱリンパ節) 豊富な血流シ
グナルを描出
Vmax;9.Ocm/s Pi;2.28 RI;0.93エラストにて歪み(-)
*リ ンパ節meta
【 傍胸部】 ・第3肋骨付近 楕円形のリンパ節腫大を描出 sizc
11× 5× 10mm
*リ ンパ節meta疑ぃ
【 頸部】 。 右 反応性正常LN描出
紹介により、○島総合病院にて、11/14に乳腺の針生検と、腋窩リンパ
二か所の穿刺吸引細胞診を受けました。東京に検体を送る為、結果が出
るのは2wほどかかると言われました。
昨日11/25に胸部のMRIをうけ、細胞診の結果を聞いたところ、
「リンパ節の方は、悪性が疑われる」(ニュアンスは限りなく悪性という感じの表現でした)
「乳腺の方は、異形成の細胞があるものの、量的に多くなく確定に至らない」
という説明があり、確定させるために必要との事で再度乳腺の針生検を行いました。
11/27に受ける予定だったCTでの検査は、キャンセルとなり、生検の結果も今回は
至急で依頼するそうです。
そこで先生にお伺いしたいのは、
①4cmもあるしこりで針生検を行ったのに、確定診断はでない場合があるものなのでしょうか
②腋窩で悪性にみえるのなら、温存を望んではいないので、早期の摘出が希望なのですが、乳腺の結果を待つべきなのでしょうか
③悪性の場合、何度も針生検をおこなって、細胞が血流などを伝わり転移に至る可能性は無いのでしょうか
確定までに時間がかかるのが精神的に負担で、初診で「大きさと転移からステージは3」と言われた事から早めの処置を望んでいます。咳がでるのも気になりますが、転移するかが分かれ目という記述もネットでは多いので、焦っています。この様な手順で大丈夫でしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者が危惧されているように、「腫瘍径」も大きく画像所見は明らかに「乳癌の所見」です。
「傍胸骨リンパ節」に本当に転移が有るかは疑わしいですが(術後照射はしておいた方がいいでしょう)腋窩リンパ節は「間違いなく転移の所見」です。
○腫瘍径も大きく、本来なら「小さくして温存」とならなければ「手術先行」(つまり術前抗がん剤の適応外)すべきですが、『リンパ節転移があるという理由で』「適当な理由をつけて術前抗がん剤を勧められそう」な匂いがします。
 要は、乳腺外科医でありながら「面倒な手術を回避したい」と考える医師が増えているのです。

回答

「4cmもあるしこりで針生検を行ったのに、確定診断はでない場合があるものなのでしょうか」
⇒考えられないことです。(あってはならない事と言えます)
 針生検の精度に大きな問題があります(4cmを外すのでは、まともな診療にはならないとさえ、言えます)
 
「腋窩で悪性にみえるのなら、温存を望んではいないので、早期の摘出が希望なのですが、乳腺の結果を待つべきなのでしょうか」
⇒本来ならば「手術予定を組んでもいい」筈ですが、「その動きがない」のは「術前
抗がん剤」にしようとしているのではないかと思います。
 
「悪性の場合、何度も針生検をおこなって、細胞が血流などを伝わり転移に至る可能性は無いのでしょうか」
⇒その心配はありません。
 
「この様な手順で大丈夫でしょうか。」
⇒担当医と話し合いましょう。
 「手術先行」ならば「手術日程を早めに決める」べきだし、「術前抗がん剤をご本人が希望するのか?(本来の適応ではありませんが、担当医からは勧められそうです)」はっきりさせましょう。
 ただ、4cmの針生検を外すような医師でいいのか?という問題もありますが…
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しいにもかかわらず、明快な回答ありがとうございました。
月曜日か、火曜日に二度目の結果が出るそうなので、
主治医と相談してみますが、もし、納得がいかない場合、
貴院での手術は可能でしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「主治医と相談してみますが」
⇒是非「手術先行」について相談してみてください。
 
 
「もし、納得がいかない場合、貴院での手術は可能でしょうか」
⇒可能です。
 その場合は秘書へご連絡ください。