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石灰化と胸の痛みについて

[管理番号:2232]
性別:女性
年齢:32歳
石灰化と胸の痛みについて、不安のため相談させてください。
昨年8月に右胸の痛みで受診。
マンモグラフィと超音波の結果、右胸は乳腺症と診断されましたが、左胸に石灰化(カテゴリー3)が発見されMRIを受けました。
2歳半の子供がおり当時(2歳)授乳中だったため、断乳しMRIを受けました。
結果は、悪性初見なしでした。
しかし、左胸の痛みがあり、何となく不安に思っていました。
その後、こちらのサイトを見つけ不安になり、マンモトームをお願いしたところ、昨年10月に超音波での検査を受けました。
超音波で石灰化が確認できたら、超音波での方が体への負担も少ないからと説明されました。
これは、針生検なのかマンモトームなのか、確認していません。
その結果、医師からは石灰化が取れていました、悪性所見なしと言われました。
病理のコメントは、微細石灰化あり悪性所見なしでした。
しかし、昨年12月ごろから再び左胸及び左脇の下のじくじくした痛み、
ぎゅーとした痛みがあり、たまに肩甲骨辺りまで痛みます。
脇の下を押すと痛みを感じることもあります。
マンモグラフィーによるマンモトームではなかったので、正しい診断ができているのか不安に思っています。
石灰化が悪いものである可能性はあるのでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
石灰化と胸の痛みについて、不安のため相談させてください。
「左胸に石灰化(カテゴリー3)が発見されMRIを受けました」
⇒この時点で(石灰化の診断にMRIを撮影すること)この診療には賛成できません。
 
「結果は、悪性初見なしでした。」
⇒カテゴリー3の石灰化で「MRIで所見がでる」ことなど「そもそも」ありません。
 そもそも「カテゴリー3の石灰化」は(MRIも含め)他の画像診断では見つけられないレベルの早期癌を見つけるための所見なのです。
 
「超音波で石灰化が確認できたら、超音波での方が体への負担も少ないからと説明されました。」
⇒意味不明なコメントです。
 「ステレオガイド下マンモトーム」が体に負担がかかるなど「全くありません」
 
「昨年12月ごろから再び左胸及び左脇の下のじくじくした痛み、ぎゅーとした痛みがあり、たまに肩甲骨辺りまで痛みます。脇の下を押すと痛みを感じることもあります。」
⇒ホルモンによる刺激症状です。
 こんな症状を起こす乳癌などありません。
 是非トップページの「今週のコラム 11回目 乳癌が遠隔転移を起こす事は、かなり特殊なケースであることを私は知っているのです」を参照してください。
 
「マンモグラフィーによるマンモトームではなかったので、正しい診断ができているのか不安に思っています。石灰化が悪いものである可能性はあるのでしょうか。」
⇒可能性は低いとは思います。
 ただ、(無意味なMRIや、意味の解らない理由をつけて超音波ガイドで検査するよりも)『(素直に)ステレオガイド下マンモトーム生検をしていれば、何の事無く解決していたのに…』 とても残念な診療だと思います。(もしかして、その施設ではステレオガイド下マンモトーム生検が無いのかもしれません)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は丁寧にご回答頂きありがとうございました。
診療方針に賛成できないとのことで、なんとも悲しい気持ちですが、先生にハッキリと仰っていただけてスッとした気もします。
ただ、まだ疑問が残る点がありましたので再質問させて下さい。
石灰化が悪いものである可能性は低いとのことですが、悪いものである可能性がゼロ、今後も心配無用とはいえない理由は何でしょうか。
今後も定期的に検査を行った方がいいのでしょうか。
未だ左乳房及び脇の痛みが続いています。
田澤先生に診ていただけたら、安心して今後過ごせるかと思いますが、お伺いした場合どのような検査を行うのでしょうか。
昨年8月に撮影したマンモグラフィー画像とMRI画像は持参予定です。
また、検査した箇所以外にもう一箇所石灰化がありました。
こちらは集簇性石灰化ではないようでカテゴリーも知らされることなく問題ないとのことでした。
これは今後の検査頻度はどの程度行えばいいのでしょうか。
放射線の影響も考えると、何度もマンモグラフィーを撮ることに不安があります。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「石灰化が悪いものである可能性は低いとのことですが、悪いものである可能性がゼロ、今後も心配無用とはいえない理由は何でしょうか。」
⇒ステレオガイド下マンモトーム生検をやっていないからです。
 「石灰化そのものを狙って」検査しないと「気になる石灰化」の確定診断とは言えないのです。
 
「今後も定期的に検査を行った方がいいのでしょうか。」
⇒ステレオガイド下マンモトームをやらないのであれば、「石灰化は経過観察」するしかありません。
 
「お伺いした場合どのような検査を行うのでしょうか。」
⇒ステレオガイド下マンモトーム生検をするのであれば、
 「遠方の方への対応」として
 火曜日午前中受診⇒(その日の午後)ステレオガイド下マンモトーム生検という方法があります。(つまり1日で済みます)
 この場合には秘書への事前相談が必要となります。
 
「これは今後の検査頻度はどの程度行えばいいのでしょうか。」
⇒1年に1回でいいと思います。