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生検の件

[管理番号:2245]
性別:女性
年齢:39歳
初めまして。
妻が受けた乳がん検診で、微細線状石化と診断されまして(カテゴリー4)今月乳腺外科を受診致しました、先生が超音波画像から判断して、針生検(バネ型)を行いましょうという事になりまして、先日結果が出まして悪性の物は出なかったという報告を頂いたのですが、先生が確定できないと言う事で、MRIを受けて来ました、その結果ガンと思われる物が画像からはみられるという事で、今度は外科的生検を行いましょうという状態です。
ここでお聞きしたいのがマンモトーム生検ではいけないのでしょうか、判然としがたいようで多くの細胞をとって調べるには外科的生検が有効なのでしょうか?
傷痕の事も有り妻も心配しておりまして。
何か指針となるようなご意見をお聞きできればと思いまして。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です
「微細線状石化と診断されまして(カテゴリー4)今月乳腺外科を受診致しました、先生が超音波画像から判断して、針生検(バネ型)を行いましょう」
⇒そもそも、最初から「石灰化の所見」を優先して「ステレオガイド下マンモトーム生検すべき」と思います。
 
「悪性の物は出なかったという報告を頂いたのですが、先生が確定できない」
⇒「超音波で見えるしこり」と「カテゴリー4の石灰化」が一致していないという事でしょう。(バネ式針生検の検体に石灰化が証明されなかったのだと思います)
 
「MRIを受けて来ました、その結果ガンと思われる物が画像からはみられる」
⇒意味の無い検査です。
 そもそも「カテゴリー4の石灰化がある」のです。
 それは「MRIで癌が疑わない」と出た場合には「放置」するつもりだったのか?と言う事になります。
 
「今度は外科的生検を行いましょうという状態です。ここでお聞きしたいのがマンモトーム生検ではいけないのでしょうか」
⇒その疑問は「至極、当然」です。
 もしかすると、その施設には「ステレオガイド下マンモトーム生検がない」のではないでしょうか?
 
「外科的生検が有効なのでしょうか?」
⇒外科的生検でも解りますが…
 侵襲のことを考えれば「はっきりとした石灰化というターゲットがある」のだから「ステレオガイド下マンモトーム生検すべき」です。
 ○一度、担当医に『何故、ステレオガイド下マンモトーム生検をしないのか?』聞いてみるべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中、回答を頂きまして誠に有難う御座います。
その後、先生のご指摘を頂いたマンモートム生検の機材の有無を病院側に確認をした所、
機材は有るそうなのですが、病院の先生は敢えて外科的生検を選択されたようです、
妻に確認した所、MRIでガンを強く疑う腫瘍が有るとの事で、外科的生検の術内容にも腫瘍摘出と記載されておりました。
そこで何点かお聞きしたいのですが、
エコー・マンモでは分からないものがMRIではっきりとわかるものなのでしょうか
外科的生検を行うと、乳房の温存やセンチネルリンパ生検が難しくなるとあったのですが
本当でしょうか、また腫瘍の一部を病理検査にかけて又ガンである場合は
そこをもう一度開けて切除するので、二度術を受けるので今回の生検で
全摘をお願いするのは尚早でしょうか。
来週半ばに受ける予定です
疑問に思うことも多く術前に、主治医に確認を取るべきでしょうか
乱文にて大変失礼いたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「マンモートム生検の機材の有無を病院側に確認をした所、機材は有る」「敢えて外科的生検を選択」
⇒全く意味が通りません。
 だったら「バネ式をする前」に「ステレオガイド下マンモトーム生検すべき」でしょう。
 
 逆に「そんなに外科的生検がしたい」ならば、「バネ式をせずに、最初から外科的生検」すればいいでしょう。
 どうしても「ステレオガイド下マンモトーム生検を避けている」ようにしか見えません。
 
「MRIでガンを強く疑う腫瘍が有る」「エコー・マンモでは分からないものがMRIではっきりとわかる」
⇒これは質問者が「勘違い」していると思います。
 「超音波で見えない」ものを「外科的生検」することは不可能です。
 あくまでも「超音波で見えたしこり=バネ式針生検をtryしたしこり=MRIで癌を強く疑う腫瘍」となると思います。
 ○つまり、『前回、バネ式針生検で確定診断できなかったしこりを(バネ式では失敗したから)摘出して調べよう』ということだと思います。
 
「外科的生検を行うと、乳房の温存やセンチネルリンパ生検が難しくなるとあったのですが本当でしょうか」
⇒「温存は無関係」ですが、「センチネルリンパ節生検に関しては、腫瘍の位置によっては(リンパ管を切断してしまうことになり)困難になる」ことはあります。
 
「また腫瘍の一部を病理検査にかけて又ガンである場合はそこをもう一度開けて切除するので、二度術を受けるので今回の生検で全摘をお願いするのは尚早でしょうか。」
⇒「癌の確定診断」がないのに「乳房切除」は通常行いません。
 
「疑問に思うことも多く術前に、主治医に確認を取るべきでしょうか」
⇒その通りです。
 「きちんと納得した状態」で行うようにしましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

ご多忙中毎回丁寧に御回答いただき誠にありがとうございます。
現在、外科的生検を行い病理診断待ちの状態です。
妻も私も色々な情報を見て不安な日々を過ごしております。
改めてお教えいただきたいのは、癌と診断されたとして
非浸潤性か浸潤性かという可能性について、先生のご見識から
ご教授頂ければと思い再び、記載致しました。
市の検診で「マンモ」で微細線状石化カテゴリ4区域性の診断を受け、病院にてエコー、MRI、針生で検異常を認められないを経て、外科的生検という時系列です。
病院の先生に触診をしてもらいシコリは確認できませんでした、ワキのリンパはエコー上では腫れは確認されておりません。
腫瘍の大きは1.5~1.8センチと言われております。
此の腫瘍がエコーで見つかる場合はほぼ浸潤性癌のものでしょうか、非浸潤性でも石灰化とシコリを伴う場合は有るのでしょうか?
長文乱文大変失礼致します。
何卒宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
そもそも「カテゴリー4の石灰化」があるのに「ステレオガイド下マンモトーム生検もせずに、(エコー下)バネ式針生検⇒MRI⇒外科的生検」という診療を行っている事が不思議でなりません。
質問者に今更言っても仕方がないのですが、このブログを見てくれている方の(今後の)参考になるように記載しておきます。
「此の腫瘍がエコーで見つかる場合はほぼ浸潤性癌のものでしょうか、」
⇒「マンモグラフィーで石灰化のみを指摘されている」「腫瘍を触知しない」ことから『非浸潤癌の可能性も十分』あります。
 
「非浸潤性でも石灰化とシコリを伴う場合は有るのでしょうか?」
⇒あります。
 典型的な壊死型石灰化だと思います。
 乳管内に癌細胞が出現し、これが「乳管内を拡がるなかで、そのところどころで壊死が起きて、そこに石灰が沈着する」のです。
 有る程度、「乳管内を拡がる」と、そのところどころで「浸潤を始める」可能性はあります。
 質問者の場合は「浸潤を始める前」の可能性も十分にあるとは思います。(非浸潤癌の状態でも、「マンモで石灰化」「超音波でしこり」「MRIで造影されるしこり」として十分描出されます)
 ○トップページの「石灰化」を参照してください。