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再発について

[管理番号:2698]
性別:女性
年齢:46歳
初めまして。
2012年、42歳の時右乳がんで温存手術をしました。
浸潤径6mm、ホルモン強陽性、リンパ転移なし、HER2 FISHにて陰性(1.7)
ki-67は測っていません。
ノッチンガムグレード5でした。
術後放射線25日、リュープリン3年目、タスオミン、最近タモキシフェンに変更
ホルモン治療中です。
2015年10月にNCC-ST-439が5.8に突然上昇 それ以前はLT2.5
2016年3月に再検査NCC-ST-439が13に上昇、他のマーカーは基準値内です。
3か月毎にエコーをして異常なし、PET-CTの検査3日前にもエコーをして異常なし。
PET検査2回撮影、右胸鎖骨下リンパ節当たりでしょうか、赤い集積がありました。
読影する方は癌だとおっしゃっていたそうですが、主治医は少し納得がいかないようです。
4月にリュープリン注射なのでそれに合わせて再血液検査をし、その結果如何でMRIの予定です。
1.エコーをしてもPETCTには写らない癌もあるのでしょうか。
2.やはり再発が濃厚でしょうか。
3.再発の場合、手術は受けられますでしょうか。
不安で仕方ありません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(6mm), pN0, luminal type
再発超低リスクです。
○メールを拝見しての第1印象は「NCC-ST-439の変動」は、あまり気にならない範囲内ということです。
 
「2015年10月にNCC-ST-439が5.8に突然上昇 それ以前はLT2.5」
⇒この変化は、「急上昇」にはあたりません。
 過剰反応と思います。(私なら気にしません)
 
「2016年3月に再検査NCC-ST-439が13に上昇、他のマーカーは基準値内です。」
⇒ここですが、なんとも「微妙な程度」といえます。
 他のマーカー(CEA及びCA15-3)の動きが全くないのであれば「PETなどせず」フォローでしょう。
 ★実際、質問者のような「低リスクの方」に「CEA及びCA15-3以外のマーカー」など、そもそも無用であり、今回も「もしもCEAとCA15-3だけしか検索していなかったら、普通に異常無」で終わったことなのです。
 
「右胸鎖骨下リンパ節当たりでしょうか、赤い集積」「読影する方は癌だとおっしゃっていたそうですが、主治医は少し納得がいかないようです。」
⇒鎖骨下であれば、超音波で解ります。
 超音波で「写っていない」のであれば「転移では無い」と思います。
 
「1.エコーをしてもPETCTには写らない癌もあるのでしょうか。」
⇒エコーで見えなければ「リンパ節再発ではない」と思います(経験上)
 
「2.やはり再発が濃厚でしょうか。」
⇒私は「再発では無い」と思います。
 
「3.再発の場合、手術は受けられますでしょうか。」
⇒(万が一)再発なのであれば、(鎖骨下リンパ節がエコーでも明らかであれば)手術(鎖骨下郭清)はできますが…
 エコーで見えないのに、手術は過剰治療だと思います。
 こういう場合に「トモセラピー」という手があります。(初回手術で照射野が重ならなければ)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日は回答して下さり、ありがとうございました。
大きな安心を得ましたし、元気も出ました。
NCC-ST-439を1月後再検査し、13→14へ上昇。
その他マーカーは基準値内でした。
主治医も首をかしげ、MRIを受けることになりました。
PETCTで集積のある場所とエコーで見えないものかを尋ねましたら、胸骨傍リンパ節で
の集積で、
エコーでは肋骨が邪魔して見えづらいとのことでした。
PETCTでの光り方が少し鈍いのだということもおっしゃっていました。
光り方が鈍いというのはどういうことでしょうか?
胸骨傍リンパ節再発は遠隔転移の恐れがありますか?
再発転移なら放射線治療しかないとのことですが、トモセラピーは受けられますか?
何度も申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

今日は。田澤です。
前回にもコメントしましたが…
「NCC-ST-439を1月後再検査し、13→14へ上昇。その他マーカーは基準値内」
⇒これは「経過観察でもいい」と思いますが…
 本当に転移であれば「どんどん上昇」します。
 
「PETCTで集積のある場所とエコーで見えないものかを尋ねましたら、胸骨傍リンパ節での集積で、エコーでは肋骨が邪魔して見えづらいとのことでした。
PETCTでの光り方が少し鈍いのだということもおっしゃっていました。光り方が鈍いというのはどういうことでしょうか?」
⇒有意な所見とは言えないということです。
 胸骨傍リンパ節や縦隔リンパ節はPETでは「微妙な取り込み」が通常でも見られます。
 気にするレベルではないでしょう。
「胸骨傍リンパ節再発は遠隔転移の恐れがありますか?」
⇒胸骨傍リンパ節は、あくまでも「領域リンパ節」です。
 遠隔転移ではありません。
 
「再発転移なら放射線治療しかないとのことですが、トモセラピーは受けられますか?」
⇒可能ですが、所見として「有意で無いのなら様子見」でしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

以前にも質問させていただきました。
しつこくてすみません。
2015年10月よりNCC-ST-439が5.8、2016年3月で13、2016年4月で14、2016年5月で16、
2016年6月で21、2016年8月で29
他のCEA,CAは基準値内です。
これは「ぐんぐん上昇」にあたりますか?
PET・MRI・CTで所見なしですが、目に見えない癌細胞があるということでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
NCC-ST-439は測定するのは止めましょう。
単に余計な心配の種になるだけです。
「PET・MRI・CTで所見なしですが、目に見えない癌細胞があるということでしょうか?」
⇒これらの検査をしても、なお「心配の種になる」ようであれば(NCC-ST-439の測定は)『無意味どころか有害』といえます。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

前回はありがとうございました。
半年経って2回目のPET-CTの結果、胸骨のリンパ節に転移確定しました。
かなり早期だったので落ち込んでいます。
タモキシフェンからレトロゾールに薬剤の変更をして様子を見ることになりました。
手術、25回の放射線、リュープリン、ホルモン剤としてきました。
なので、もう放射線治療はできません。
と言われています。
手術も難しい部位なので無理です。
と言われています。
この薬剤の変更で期待はできますでしょうか。
末期がんでしょうか。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
私は実際にその画像を見ていないので、どの程度なのか解りませんが…
「胸骨傍リンパ節」は、あくまでも「局所のリンパ節」です。
「照射はできない」とありますが、「本当に照射野がかぶるのか?」トモセラピーのようなピンポイントであれば照射が可能かもしれません(全く予測できませんが…)
一番いいのは「ダラダラとホルモン療法だけで様子をみる」のではなく、(可能なら)放射線照射(トモセラピー)⇒(その後)化学療法をある一定期間(半年?)⇒(病巣が消失したら)「ホルモン療法で維持」です。
「タモキシフェンからレトロゾールに薬剤の変更をして様子を見ることになりました。」
⇒???
 質問者は閉経していますか?(少なくとも最終月経から1年以上経っていることが閉経の条件です)
 (もしも)閉経していないのにレトロゾールに変更したとしたら「誤り」です。
 ○時々(海外のデータを頼りに)「アロマシン(レトロゾールなども)+
LH-RHagonist」を使用する医師がいますが、『ここは日本です。』(全く適応外です)
「末期がんでしょうか。」
⇒違います。
 胸骨傍リンパ節は「あくまでも局所」です。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

ご回答、ありがとうございます。
度々申し訳ございません。
①初発時に癌の中に小葉癌が混在していたので悪性度の高い癌だったのでしょうか。
②トモセラピーをお願いするには、今の主治医にどんな資料を用意してもらえれば良いでしょうか。
③卵巣と子宮を摘出してしまうという考えはいかがでしょうか。
(自費でも構いません)
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「①初発時に癌の中に小葉癌が混在していたので悪性度の高い癌だったのでしょうか。」
⇒質問者は勘違いしています。
 小葉癌は「悪性度が高い」ものではありません。
「②トモセラピーをお願いするには、今の主治医にどんな資料を用意してもらえれば良いでしょうか。」
⇒トモセラピーは「当院の放射線科」が行っています。
 「放射線科外来」に問い合わせるといいでしょう。
 おそらくですが…
 ○初回手術時の「照射録」
 ○画像所見
「③卵巣と子宮を摘出してしまうという考えはいかがでしょうか。」
⇒閉経前ですか?
 それならば「卵巣摘出」はLH-RHagonistの替りに行ってもいいとは思います。(実際には婦人科で何か理由をつけなくてはいけないでしょう。卵巣のう腫とか…)
 子宮は無関係です。