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温存希望

[管理番号:465]
性別:女性
年齢:52歳
4cmのしこりが見つかり、細胞診をしたところホルモン陰性、HER2 2+、FISHは検査中、Ki67 >90%とのこと、術前化学療法の開始をすすめられております。
また、もうひとつの極めて小さな影もあるとのこと、こちらも細胞診にかかりましたが判定不能とのことです。
PETCTによれば他臓器の移転はないものの脇のリンパに影があるとのこと、同時に実施していたエコー検査により2つの塊状のものが判明、近日中にそこの細胞診を予定しています。
先生によると癌の可能性が高いと言われました。
また、手術の方法について聞いたところ、がんが小さくなれば温存も可能と聞いていたのに、前回は全摘もありうるといわれました。
小さな判定不明の影が悪性か否かによるのか、リンパにある2つの塊が悪性と認められたらそうせざるえないのか、十分理解はできていません。
温存を限りなく要望しておりますが、私のレベルで手術後の放射線療法や免疫療法で温存が可能になりませんでしょうか?
アドバイスをいただけたら助かります。
現在は都心の大学病院ですが、他の大学病院にツテがあったのでそこでセカンドオピニオンを予定しています。
大学病院なら皆同じ考え方でしょうか? 
免疫療法など実際の効果はよく知りませんが、温存のためには大学病院ではなくクリニックのようなところがいいのかと悩んでおります。
長々と大変恐縮ですがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「4cmのしこり、多発の可能性、トリプルネガティブかHER2タイプかFISH中」ですね。

回答

「小さな判定不明の影が悪性か否かによるのか、リンパにある2つの塊が悪性と認められたらそうせざるえないのか、十分理解はできていません。」
⇒「小さな判定不明の影があるから」です。(リンパ節転移は関係ありません)
 
 多発であれば、「大きな腫瘍が小さくなっても」温存術の適応はありません(十分近接していて、温存の切除範囲に入ればべつですが)
 
 本当に温存を希望するなら「もう一つの腫瘍=極めて小さな影」の診断を確定しなくてはなりません。
 何故、そちらも針生検しないのでしょうか?
 「近日中にそこの細胞診を予定」とありますが、細胞診をしても前回のように「判定不能」になりそうです。
♯悪戯に診断までの時間がかかり過ぎているようです。
 
「温存を限りなく要望しておりますが、私のレベルで手術後の放射線療法や免疫療法で温存が可能になりませんでしょうか?」
⇒本当に多発であり、「全く別の乳管系」であれば「術後治療にかかわらず」温存は極めて危険な選択となります。
 「乳癌は全身病」という誤解を招きかねない表現がありますが、やはり『局所制御が重要』であることは間違いありません。
 
「他の大学病院にツテがあったのでそこでセカンドオピニオンを予定しています。大学病院なら皆同じ考え方でしょうか? 免疫療法など実際の効果はよく知りませんが、温存のためには大学病院ではなくクリニックのようなところがいいのかと悩んでおります。」
⇒この件については「大学病院であっても意見は同じ」でしょう。大学病院にセカンドオピニオンに言ってもあまり変わり映えしないと思いますが…
 
◎病院は何処でも構いませんが、「迅速に正確に診断」してもらう事が大事です。